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瀬戸内海の遊びの拠点! 【マリンウェーヴ竹原】に新社屋が完成 ジェットスキー(水上バイク)

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広く明るいショールーム。来た人がくつろげるように、大きなテーブルが置かれている。ここで、談笑したらとても楽しそうだ。

瀬戸内の拠点・「マリンウェーヴ竹原」が新社屋をオープン

SEA-Dooの正規ディーラーである、マリンウェーヴ竹原(広島県竹原市)では、この度、新社屋が完成。今年4月22日(土)に、落成式が行われた。新しい社屋はショールームとメンテナンスなどを行う工場となっている。

マリンウェーヴ竹原と言えば、本誌編集部も瀬戸内ツーリングに行くたびにお世話になっているマリーナだ。
多島美の広島の海を熟知しているオーナーの山村道信氏には、ツーリングで瀬戸内の魅力をいろいろと教えてもらっている。マリンウェーヴ竹原のように、ルールとマナーを教えてくれる「ツーリングの拠点」があると、安心してジェットで走れるものだ。
今回、新社屋の落成を記念して、オーナーの山村道信氏に話を伺った。

「マリンウェーヴ竹原」オーナー、山村道信氏

ジェット遊びには、安心・安全な拠点が必要だ

WJS 瀬戸内海の拠点として、本誌の取材でも、何度もこちらのマリーナにお世話になっています。4月に完成した新社屋はとても素敵ですね。以前のマリーナも素敵なログハウスでしたが、新しい社屋はブラックを基調にした外観で、とてもスタイリッシュです。

山村 前のログハウスのマリーナは、「お客さんを、どんな感じで迎えて遊んでもらうか」というのを真剣に考えていて、「ああ、あの建物ね」って言われるような外観が良いと思って建てたんです。
今回の新社屋は、ウチがBRPの正規販売店なので、BRP本社のトータルデザインに則って造ったっていうのが本当のところです。そこにプラスして、お客さんが居心地よく過ごしてもらえるにはどうしたらいいかを考えて作りました。

WJS 新しい事務所は、かなり広いですよね。
山村 修理やメンテナンスをする工場とショールームになっているから、前よりは広いね。前は事務所と工場が別だったから。

WJS スタイリッシュな建物ですが、内装はウッド調で、前と変わらずアットホームなところが嬉しいです。「さあ、たくさんジェット売りますよ」的な感じは全くないので、お客さんも気負わなくていいです。
山村 来てくれたお客さんに、楽しんでもらいたいっていうのが一番。今までのお客さんを大切にしているよ。

ショールームのなかにはSEA-DOOの新艇が飾られている。

木の温かみを感じるウッドデッキ。この日はCan-amとATVが飾られていた。

竹原市を世に知らしめる最大のアピールポイントが「海」だった

WJS マリーナをオープンして33年と伺っていますが、始められたころは、ジェットではなくボートや船がメインだったのですか?
山村 もともとボートとかジェットって、私の趣味ではなかったんです。
マリーナを始めたきっかけは、商工会議所の有志交友グループというのがあって、その仲間たちとの会話の中で「竹原の近くに、新しく空港ができるよ」、「竹原としては、何で売り出す?」という話から、「やっぱり、美しい海でしょう」となった。
それで海に近いこともあって、ウチがマリーナを始めることになりました。レンタルボート事業を勉強するために、いろんなマリーナやハーバーを見学させてもらいました。だって、船やボートのような高いものは、いきなり買えないでしょ。「だったら、レンタル艇が良いのでは?」っていうところからだね。

WJS 失礼ですが、オープンのきっかけは、わりとなりゆきだったのですね。
山村 最初はジェットよりも船だった。そのとき、竹原の外にボートを預けていた人たちが、「お前がやるんなら」と、船を預けに来てくれたんです。預かった以上、キチンとやりたいですから、船の勉強もかなりやりました。
今もそうだけど、当時から、このあたりはヤマハを扱うマリーナやショップが多い。近所の業者の邪魔をするわけにはいかないからね。当時、静岡県の浜松市にあったマーキュリージャパンで、いろんな講習があったんです。大体、2泊3日で、船外機やインボートなどの講習をやっていたのですが、そのほとんどを受けてきました。そのとき、一緒に学んだ人たちとの交流が大きいですね。

マリーナを出発して5分もジェットを走らせれば、こんなキレイな「プライベートビーチ」がいたるところにある。

ジェットの取り扱いを始めた当時、シードゥ艇は珍しかった。
エンジンを掛けるのに、油差しを持っていったくらいの時代だったね

WJS マリンウェーヴ竹原がシードゥ(SEA-DOO)艇を取り扱い始めた1989年か1990年ごろは、ヤマハとカワサキのスタンドアップばかりですよね?
山村 そうだね。たまに見ても、3人乗りのGTX。あれだけ。あの当時、キャブレター仕様のロータリーバルブで、ロータリーバルブ自体がシードゥのオリジナルだったから、誰も直せなかったんだ。

WJS ヤマハ艇やカワサキ艇と違うからですか?
山村 そうだね。油差しにガソリンを入れて、ジェットに行ったもんだよ。理由は、「エンジンが掛からない」から。ガソリンが、エンジンにまで上がってこない。だから、油差しを使って、キャブレターにチョンチョンとやって、エンジンを掛けたもんだよ。

WJS コツが分からないと、エンジンすら掛からなかったのですね?
山村 壊れてるかどうかも分からない。

WJS 失礼ですが、それなのに、シードゥ艇の何が良かったのですか?
山村 実際に乗ってみると、燃費がすごく良かった。グルグルと瀬戸内の島々をまわれるわけ。「これ、すごいね。船とは違う世界だね」って。

WJS 今から考えると、よくそんな性能のジェットで遠出しましたよね。最高速は、どれくらいだったか覚えていますか?
山村 時速80㎞出たら、「すごい」って言ってたよ。大体、60~70km/hくらいかな。ガソリンは、満タンで30リットル。それで1日中遊べたものだよ。

WJS そのころは、ボートとジェットでは、どちらの扱う比率が高かったですか?
山村 そのころから、ジェットがメインになったね。船一隻分で、ジェットが2~3台置けるから。瀬戸内海の干満差は4mと高低差が激しいけど、自家製のクレーンのお陰で、ジェットはいつでも出航できる。船だと、どうしても出港できない時間帯があるから。

こんな環境なら、遊びの選択肢に「ジェット」があるのは当然だ。さらに豊かなマリンライフが送れるはずだ。

「瀬戸内ツーリング」における“ヘルメット隊”の隊長は山村氏だった

WJS コロナ禍もあり、今はちょっとお休みになっていますが、毎年9月に、竹原市が主催するジェットイベント「アイランズカップ竹原」という、4時間耐久レースや、それ以前には「瀬戸内ジェットラリー」や「大崎上島4時間耐久レース」が行われていました。行政が中心となってジェットのイベントを行うのは、全国的にも大変に珍しいです。「アイランズカップ竹原」は、山村さんが発起人ですよね?
山村 瀬戸内ジェットラリーや大崎4耐がなくなって、竹原が消沈したことがきっかけだね。せっかく何年もやってきたのに、この海域をアピールした町おこしイベントを絶やすことはできないという使命感と、危機感からスタートした。ジェットの幅広いユーザー層に対して、「ここでこういう競技をやっているから、変なところで息を抜くよりも参加してほしい」、「ここで、精一杯走ってくれ」という思いもあります。
ただ、ここ数年は耐久レースの参加者が減っていたから、今年は「ジェットでの釣り大会」をしようかなって思っています。釣りなら、手軽にできるし魚もたくさん釣れるからね。

WJS 竹原の海は、本当に素晴らしいです。「他島美」の名にふさわしく、まさに「日本の海」という景観です。反面、島が多くて、慣れないとすぐ迷ってしまいます。みんな同じ景色に見えてしまいます。
山村 そうだよね。私もマリーナを始めた当初に、クルージングしていたころ、「あれ? 俺、どっちから来たんだっけ」ってことがよくありました。「北へ行けば、本土があるよな」って。見慣れた景色が出てきて、それで位置確認していましたから。

WJS この地域に精通している山村さんがそうなら、全員、迷いますよね。
山村 だから、ツーリングにはコンパスはいるなって(笑)。

WJS ツーリングに行くとき、マリーナでの出航前のミーティングで、海図を広げてくれてコースを説明してくれますよね。
山村 今はね。普通、ジェットでツーリング行くとき、海図を広げることなんて、ほとんどないでしょう。

WJS ありませんね。
山村 今は、スマホで自分の位置が分かるからいいよね。

ヘルメット隊の隊長として、山村氏にはいろいろなスポットに連れて行ってもらった。

シードゥ艇なら、どこで買ったものでも直すのがディーラーの務め

WJS マリンウェーヴ竹原のお客さんは、県外からいらっしゃる方も多いですよね。
山村 広島空港から30分でマリーナに来られるから、関東からのお客さんがよくいらっしゃいます。「瀬戸内海で乗りたい」って、ウチの艇庫にジェットを預けて、年に何回か飛行機で来る方もいます。レンタル艇もやっているので、シードゥディーラーさんからの紹介があれば使えますよ。

WJS それは嬉しいシステムです。マリンウェーヴ竹原は、シードゥの専売店ですが、それ以外のメーカーは扱わないのですか?
山村 はい。最近のシードゥ艇はハイテクになって、我々ディーラーが常にスキルアップしなくてはなりません。だから他のメーカーを扱っている暇がないんです。ユーザーさんたちの貴重なお金を、修理やメンテナンス代としていただいている限り、ディーラーとして責任を果たすのは当然だと思っていますから。

WJS こちらのマリーナで購入していなくても、修理をしていただけるんですか?
山村 もちろん、シードゥ艇なら、どこで買ったものでも直すのがディーラーの勤めです。

WJS 山村さんが、お客さんに対して、一番、心を砕いている部分はどこですか?
山村 この瀬戸内で、いつでも乗れる。そのために、メンテナンスを欠かさず、万全の状態にしておきたい。ウチらみたいな保管業だと、メンテナンスに関して言えば、船以上に手を入れなきゃならない。要は、「乗りたいときに乗れる」ようにしておいてあげないといけないと思っています。昔は、ジェットのチューニングをすることなんかも考えたけれど、そうすると、壊れやすくなる。今は、ノーマルできちんとメンテナンスを教えて、長く楽しく乗ってほしい。ジェットは、安いものではないのだから……。

4月に落成式を行った新社屋。

以前のログハウス・マリーナ。木の温かみがステキな居心地のいいマリーナだった。現在、こちらは山村氏の自宅となっている。

ウチで買ってくれたお客さんには「保管料1年間無料」にしています。
ジェットに乗る前、乗った後に、壊れないように、ちゃんと使い方を教えられるからです。

WJS 「ジェットの取り扱い方」は、話を聞くだけではダメで、実際に、自分の目で見ないと分からないものです。山村さんと一緒にツーリングに出かけると、乗り終わってから、かなりキッチリ洗っていますよね。
山村 オークションで買ってきた人たちのジェットを直すと、中がひどいモノがあります。まともに洗っていない。ウチで買ってくれたお客さんは、「1年間、保管料無料」にしています。それは、ジェットに乗って、帰ったときにいろいろと教えられるから。壊れないように、ちゃんと使い方を教えたい。せっかくジェットを買って、楽しんでくれるお客さんに、余計な金はかけさせたくないから、初乗りの操作手順、ローカルルールやマナーの確認、乗り終わった後の水洗いからメンテナンスまで、細かく説明しています。使用後のメンテナンスを怠ると、新艇で買っても翌年には乗れないこともある。だから、最初にきちんとアドバイスさせてもらってます。

WJS こちらのマリーナのメンバーさんは、皆さん、素晴しい方たちばかりですね。上下架でもお客さん同士で助け合って、水洗いを見ていても楽しそうです。
山村 そのためにも、私が最初にやってみせて覚えてもらって、あとはお客さん自身にやってもらう。だから、うちのお客さんのジェットは壊れないんです。

WJS こちらのマリーナは、ビジターの方でも受け入れていただけるのですか?
山村 はい。ですが、瀬戸内海はローカルルールもいろいろあります。マナーとルールを守ってくださる方なら歓迎です。事前に、予約の連絡を必ずしてください。こちらの言うことを聞いていただけない場合は、お断りすることもあります。

WJS この素晴らしい瀬戸内海で、いつまでもジェットに乗りたいですね。
山村 誇れることは、「ロケーション」。世界に誇れる「瀬戸内海」です。

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