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優勝マシンビルダー「今崎真幸氏インタビュー」aquabike 第4戦 蒲郡大会

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「最速・最強のマシン」を造り出すために
コンストラクター・今崎真幸氏が語る

WJS 第4戦の優勝おめでとうございます。
今崎 ありがとうございます。

WJS 唐突な質問ですが、今日、新しいマシン(2号機)を投入されたと砂盃選手から聞きました。昨年のマシン(1号機)は世界最速ですし、新しいマシンを投入しなくても、勝てるのではないですか?
今崎 レーサーだけでなく、マシンも進化しないと意味がありません。今は、世界最速かもしれないけれど、相手(世界)はすぐに追いついてくる。だから、開発に終わりはありません。

WJS 世界で勝つには、どれだけ速くすればいいのですか?
今崎 速さもそうですけど、「レースマシンの造り方」に対して、根本的な考えが変わりました。エンジン開発を煮詰めていくと、「究極のワンオフパーツ」を多用することになる。それは、一見、良さげに見えるけれど、全部、ワンオフだから、海外のレースのとき、トラブルが起きても直すパーツがない。対応できない。だから、トータルでみると、そういうマシンは弱いんです。

WJS そうすると、極端な話、ノーマル艇が一番良いのですか? でも、現代最強のランナバウトクラスで、ノーマルエンジンだと話になりませんよね?
今崎 今日、砂盃選手が乗った2号機を見てくれましたか? あれは、ノーマルエンジンです。強化ピストンは入れていますが、基本的にノーマルです。でも、昨年の「世界最速」といわれた1号機と、スピードは変わりません。

WJS ノーマルエンジンで、そんなに速いのですか?
今崎 冬の間、「ワンオフパーツを使わず、ノーマルエンジンで速く」という課題にずっと取り組んでいました。世界中どこにいても、「パーツリストから、オーダーできるパーツで組めるエンジン」、それが最終目標です。

WJS そんなことが可能なのですか?
今崎 今日の走りが答えです。「チームとして、どれだけマシンの速さにアドバンテージが持てるか」です。速さの余裕があれば、壊れる確率は格段に下がります。そのためにも、「最速」を知らなければ、どれがアドバンテージになるのかなんて、分かるわけがありません。

WJS 「最速を知る」ために、何をしているのですか?
今崎 「実戦でマシンを壊す」。「ここまでのパワーで戦えば壊れる」という限界が分かってこその判断です。そこが分からなければ、アドバンテージなんて分かるわけがないです。だから、マシンもライダーも「実戦で、究極に走って壊す」ということしないと、限界も分からない。本当の意味での開発などできません。

WJS 世界で戦い、マシンを壊しながら限界を見定め、アドバンテージを持って戦える態勢がようやくできたということですか?
今崎 はい。今、12月の世界選手権に向けて、3号機を新たに開発中です。「水接長」を10㎝長くして、より操縦安定性が高められるように考えられています。

WJS それは、船体の全長が、今より10㎝長くなるということですか?
今崎 違います。船体の長さを10㎝長くするわけではありません。「水接長」は、走行中に水に接している部分の長さのことです。これを10㎝長くしてあげることで、今より、乗りやすくて、戦闘力が高いマシンになります。お金がかからないレースマシンを造ることが、皆が喜んでくれる話だと考えています。

WJS はい。そうなれば、レーサーはもちろん、世界中のユーザーが喜ぶと思います。

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