近年、レーシングカーやバイクなども、車体全体を覆う「ラッピング」によるカラーリング変更が多くなっている。「ラッピング」とは、ステッカーチューンのひとつ。ペイントではなく、ステッカーでジェットスキー(以下、ジェット)の全体をカラーリングすることだ。
我が業界のステッカーチューンの第一人者、サクセス スピード&グラフィックス/マリンメカニック相模原の佐瀬 崇オーナーのところに取材に行った際、ショップに置いてあったのが、このイケてるウルトラである。
素敵なマシンを見ると思わず乗りたくなるのは、男の本能だろうか?
格好いいクルマ、イケてるバイク、何であれエンジン付きの「カッコいい乗り物」は、男なら誰でも操縦してみたい衝動にかられるからであろう。
「これ、乗れますか?」と、当然のように佐瀬氏に聞いている自分にあきれた。
いくら、格好良いマシンだからといっても、今までもさんざん乗ってきたノーマルベースのULTRA 310Xだ。何で今さら、「乗らせてください」なのだ……。
このとき私は、「デザイン」が持つ力のスゴさに、改めて感動していた。
ULTRA 310Xは確かに好きなジェットのひとつだが、これまでもたくさん乗っているし、今さらものすごく乗りたいと思うほど、新鮮味もない(失礼!)。
しかし今、目の前にあるULTRA 310Xは、私にとって初めて出会うマシンだった。
「格好いいですね」と言いながら、厚かましくシートに跨った私。
「そのマシン、耐久レース仕様なので、ストックですよ! それにオーナーの許可を取らないといけないので……」と、佐瀬氏は言う。
「乗らせろ!」と、衝動的に言ってしまった自分が恥ずかしい。それにしても、「見た目」のステキなマシンが、これほどまでに私を「誘惑」してくるとは。デザインというのは、かくも恐ろしいものである。
サクセス スピード&グラフィックスのデザインルーム。佐瀬氏がカスタムした高機能パソコンが置かれている。最初に、全体像を描き上げ、そのデザインに基づいて細部を仕上げていくそうだ。
お客様の要望に最大限応えたいと、高額のコンピュータ、高機能デジタルプリンターなど、機材を全部、自社で揃えた。「すべてはお客様を喜ばせたい気持ちから」と、熱く語ってくれた。
このULTRA 310Xの持ち主の方の会社のロゴ。
お客様からリクエストされたのは、この会社のロゴマークと「117」のゼッケンだけ。あとは「佐瀬さんにお任せします」とのことだった。
番号は、入れ方によっては非常にダサくなる。レース艇を手掛ける佐瀬氏にとって、ゼッケンもお手のもの。
ハンドルバーの下にはお客様の似顔絵とロゴマークを組み合わせた。
ここまでオリジナルなカラーリングなら、「世界で1台だけの俺のマシン」と胸を張って言える。しかも、レーシーで格好いい。
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