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あなたは「平水区域」という言葉を知っていますか? 陸岸から2海里以内ならどこでも航行できます ジェットスキー(水上バイク)

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アクセル全開で日本1周できますか?

この質問に対する答えは、「NO」です。理由は平水区域ではない海域も多いから。

もともと海の法律は、漁師さんが地元の漁協から出航し、遠くに漁に行って行方不明にならないようにという理由でできたものです。内容は「15海里に1度、漁港に入港して、自分の居場所を届け出る」というものでした。これで、遠くまで漁に行っても、足跡をたどれる。何かあったときに、助けに行けるためのものです。

ジェットスキーの免許も、もともとは漁師さんと同じ区分の免許でしたので、この法律が適用されていました。ところが、ジェットスキーは社会的に嫌われた時期があり、「入港お断り」という漁港が続出しました。それで、「漁港」から、15海里に1度、「上陸して休める場所」というように内容が変わりました。

しかし、ジェットスキーにしても、漁師さんにしても、1年を通じて、波が静かな海域では、いちいち15海里に1度上陸しなくても大丈夫という「平水区域」という海域を定めました。
もちろん、平水区域以外では、15海里に1度、上陸して休まなければ日本1周はできません。

「平水区域」は、全国で50カ所以上あります

平水区域では、半径15海里の制限なく走ることができます

ご存じの方も多いと思うが、規定により、ジェットスキーの航行区域は海岸から2海里までの距離、安全に発着できる任意の地点からは最大15海里と定められている。だから、ロングツーリングに赴く際は、出発地点から15海里以内で安全に寄港できる地点を、前もっていくつか探しておく必要があるわけだ。

私も最初のうちは、この作業が案外大変だった。海図上では問題なさそうなのに、実際に行ってみると岩礁だらけで陸に近づけなかったり、漁網が張り巡らされていたりと、初めて分かることも多かった。それゆえ、候補地はいくつかセレクトしておかなくてはならない。知らない土地(海上)ほど下調べを入念に行うのは、陸でも海でも旅のイロハだろう。

そんな折、海上保安庁の保安官氏と、東京湾上の航法について話す機会があった。そのとき、寄港地に関することで、私の今まで知らなかったことを教えてもらったのだ。

「東京湾の大部分は平水区域だから、発着点から15海里以内の寄港地は必要ないんです」
えっ? ホント?

なんだか肩すかしを食った気分だ。船乗りとして恥ずかしい話だが、「平水区域」という言葉を、そのとき初めて知った。

「平水区域」って何? どこのことなの?

平水区域とは、河川、湖沼や港内と、東京湾、大阪湾、伊勢湾など法令に基づいて定められた51カ所のエリアのことだ。「船舶安全法施行規則第一章第一条」に具体的な水域が定められている。
簡単に説明すると、「年間を通じて比較的静穏。地理的には、陸岸で囲まれていて、その開口は直接外海に面して大きく開いていないことなど、波や風の影響が少ない水域」のこと。要するに、いつでもそれほど水面が荒れない、穏やかな水辺ということだ。

平水区域の検索はコチラから(資料/日本小型船舶検査機構)

そうか、その「平水区域」なら、しゃにむに寄港地を探さなくても何とかなるわけだ。こうした知識があるとないとでは、航行準備が格段に違ってくる。やっぱりまだまだヒヨッコだなあ。達人たちの嘲笑が聞こえてきそうである。

誤解のないように言っておくが、寄港地の目処がなくて構わないと言っているのではない。平水区域だって、「今日も明日も波静か」というわけではないのは、過去のイタい経験からよく分かっている。

全く休憩地点なしに、何時間も走り続けるのがいかに無謀であるかは、いくら私でも学習したつもりだ。しかしそれとは裏腹に、15海里以内という限られた範囲の中では、「ちょうどいい」寄港地を見つけるのが案外難しいことも、また事実なのである。

寄港地の問題でいつも難渋する私にとって、「平水区域」という新しい知識がインプットされたことは、ロングツーリストとして、また一歩階段を上がった気分なのである。 今後は、平水区域の知識を有効活用して、より賢いツーリングプランを組めるかも、なんてちょっとファイトが湧いている私である。

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