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ジェットスキー こんなに楽しい[モノ]はない (水上バイク)ジェットスキー

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「JS 550」は、古き良き時代の遺物ではない

一度乗ると忘れられない「現代のJS 550」

最近、販売が中止されて久しい、カワサキのスタンドアップ「JS 550」の魅力が再認識されている。アメリカでは「ブーム」といっても良いぐらい、現在、新しいカスタムパーツが次々と作られ、販売されている。
アメリカ人は、ヴィンテージマシンのJS 550に乗っているのではなく、進化した現代のパーツを装着した「今のJS 550」に乗って楽しんでいるのだ。

アメリカのジェット事情に詳しい村尾氏は、そういう流行に非常に敏感で、日本でもいち早く最新の流れを取り入れて遊んでいる。そして、村尾氏の造るヴィンテージマシンは、今風にアップデートされているけれど、古き良き時代の「匂い」は色濃く残っている。
今回、村尾氏に、「こういったヴィンテージマシンを作る原動力は何なのか?」と聞いてみた。

ジェットスキーは乗ってナンボ。外観や雰囲気は当時のカッコ良さを残して、機能的にはブラッシュアップさせている

WJS 素敵なJS 550ですね。でも、どうして今、絶版機種の「JS 550」でマシンを造るのですか? 現代のスタンドアップではダメなのですか?
村尾 JS 550だけじゃなくて650 X-2や、ヤマハのブラスター、SJといった、1990年代初頭の「アメリカのレースシーンが輝いていた時代」、あのテイストが大好きなんです。

WJS 以前から感じていたのですが、村尾さんは他のビンテージマニアとは「何かが」違いますね?
村尾 そりゃそうです。ビンテージマニアは、当時のマシンを忠実に再現される人のことをいいます。それを悪いなんて全く思っていませんが、僕はそうではないだけです。

WJS 村尾さんの手がけるマシンは、雰囲気やテイストは1990年代初頭でも、機能は最新です。当時の希少なステッカーが貼られているのに、ハンドルポールやスポンソンは、2020年の最新パーツが付いています。
村尾 僕の考えは、「ジェットスキーは乗ってナンボ」です。だから、外観や雰囲気だけは当時のカッコ良さを残して、機能的には「速く」「乗りやすく」「壊れにくく」、よりブラッシュアップさせています。だからノーマルのJS 550より、乗ったら遥かに楽しいですよ。

WJS 確かにこのJS 550は、速くて乗りやすかったです。取材の時にも、その場にいた人たちが集まってきて、あっという間にレッグターン大会が始まりましたからね。先日、別の取材で、当時のままの純正ノーマルJS 550に乗ったのですが、真っ直ぐ走るだけで大変でした。でも、この村尾さんの手がけたJS 550は、私ですらレッグターンの真似事ができるくらい安定して乗りやすかったです。
村尾 それは、魔法のスポンソンのお陰ですね。どうせ乗るなら、乗りやすいほうが楽しいでしょ。今日も、皆、笑顔でワイワイガヤガヤ乗っていましたけど、JS 550ほど皆が楽しめて、盛り上がるジェットスキーはありません。

国内サーフライドの第一人者で、元フリースタイルの全日本チャンピオン、DEVIL村尾こと村尾高明氏。

もともとJS 550は楽しいジェットスキー。それを最新パーツで安定させて、エンジンパワーも上げているから楽しくて当然です

WJS 「ヴィンテージ」という言葉を聞くと、何となく博物館的な感じがします。ワールドファイナルの会場でも、「550メモリアルブース」があって、当時のチャンピオンマシンが飾られていました。動くかもしれないけれど、飾られるために存在しているジェット、すでに引退したジェットにしか見えません。でも、村尾さんのJS 550は、飾るためのジェットではないですよね?
村尾 はい。アフターパーツも、あのころよりはるかに進化しています。それらを上手く使って、トータル的に当時より「進化」させたい。最新パーツを付けたらどうなるのか? 考えただけでもワクワクしますよね。

WJS このJS 550は、乗って楽しいし、ハマる。そして、乗ると皆が笑顔になります。言葉で言い表せない魅力があります。
村尾 でしょう。もともとJS 550は楽しいジェットスキーなんです。それを、さらに最新パーツで安定させて、エンジンパワーも上げているのだから、楽しくて当然です。

WJS 最初の質問に戻りますが、なぜこの現代にJS 550をベースにしたマシンを作るのですか?
村尾 作りたいからです。スイマセン、こんな答えで。

排気量700㏄のYAMAHA Super Jetのエンジンを搭載したKawasaki JS550。村尾氏の高さのある完璧なバレルロール。ノーマルのJS 550でも完璧なバレルロールができる村尾氏が、Super Jetのエンジンで飛べば、こんなに高さが出るのだ。

JS 550は乗って楽しいもの。博物館に飾るものではありません

上の写真は、カワサキJS550の船体に、ヤマハSuper Jetのエンジンを搭載したという。なぜ、違うメーカーのエンジンが換装できるのか聞いてみたら、「アメリカには、そういうキットが売られています。それなら簡単に装着できますよ」と言われた。そして、「このJS 550なら、すごく高いバレルロールができる」と言って、美しく完璧なバレルロールを披露してくれたのだ。

「JS 550は、最高に楽しい」と村尾氏。

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