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「Pro Runabout GP」「Pro Sports GP」クラス  JJSF 全日本選手権大会 2021 Round 5 & Round 6 蒲郡大会 水上バイク(ジェットスキー)

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「Pro Runabout GP」「Pro Sports GP」。「GP」クラスのマシンの意味を知っていますか?

ランナバウトクラスの最高峰である、「Pro R/A(ランナバウト)GP」クラスと、スポーツクラス最高峰である「Pro SPORTS GP」クラスのクラス名に付く「GP」について少し解説をしておく。
簡単にいえば、「GP」と付いているクラスのマシンは、”改造できる範囲” が非常に広い。レギュレーションの範囲内なら、「船体」と「エンジン」が ”別メーカー” のものでも構わないし、ハルも ”社外品” を使ってもいいことになっている。

砂盃の乗るマシンは、マリンメカニック特製 ”軽量ハル” に、推定600馬力超の ”ターボ・エンジン” を搭載しているといわれている。世界戦を戦うためのマシンだ。

スポーツクラスの片野艇も同じく、世界で戦うためのマシンである。スポーツクラスは「シードゥのHX」をベースにすることが多いが、片野はそこにK-1 Racing特製の ”1,500cc” エンジンを積んでいる。それだけに、スピードも速く、迫力のあるレースとなる。

砂盃(ゼッケン87)と生駒(ゼッケン86)のトップ争い。

Pro R/A(ランナバウト) GPクラスレース結果

満面の笑み! こんな表情が見れるのも、レース後の醍醐味だ。第5戦の勝者・田村眞沙充。念願の「Pro Runabout GP」クラスで初優勝。嬉しさ爆発! 日々の努力が喜びに変わる。見ているほうも嬉しくなる笑顔だ。
今大会、絶対王者の砂盃 肇が、第1ヒートがマシントラブルで失速したということもあるが、次はガチで勝って喜んでください。成長著しい田村から目が離せない。

今シーズン、「速さ」を見せつけている田村。「打倒・砂盃 肇」で頑張れ。25歳の田村!

上位陣が総崩れ、波乱の第5戦

第1ヒート、スタートで飛び出したのは、砂盃 肇と生駒 淳だった。それぞれインとアウトのホールショットを獲得し、合流で、僅差で生駒が前に出た。
水面はベタだ。もし、この状況で砂盃が前に出たらそのままゴールすることが多いのだが、生駒が前にいると、何回か「息をのむシーン」が必ず見られる。
これは、見る側にとって「手に汗握る ”理想的” な展開」か? とワクワクした瞬間、砂盃のマシンがペースダウン。このまま生駒の圧勝かと思ったら、次に生駒のマシンも失速した。
失速の原因は、2台とも「排気パイプが外れた」という。万全の状態で臨んでいても、モンスターマシンは何が起きても不思議ではない。過酷なサバイバルレースなのである。

トップ2人の相次ぐマシントラブルで、残りの選手が奮い立つ。熾烈なバトルは、見ていても非常に面白い。結局、このヒートは後方から追い上げた田村眞沙充がトップフィニッシュ。

第2ヒートも、生駒は同じマシントラブルで下位に沈んだ。1日2回も排気のパイプが外れてしまったのは、気の毒であった。メカニックの殿井氏も汗だくで頑張っていが、それでも「予期せぬトラブル」は起こる。それがレースなのだ。
結果、第1ヒートで優勝した田村が、第5戦を制した。

第5戦 第1ヒート。トップを走る生駒。マシントラブルで無念……。

第5戦 レースリザルト

第5戦 表彰式。1位の田村と2位の船戸が、良い笑顔を見せてくれた。

順位 ライダー名(チーム名)
1位 田村眞沙充(SMD Racing)
2位 船戸大輝(TEAM KEY WEST)
3位 砂盃 肇(マリンメカニック)

※上位3位までを掲載

第6戦 レースリザルト

第6戦 表彰式。田村の憮然とした表情と対照的に、落合の内に秘めた嬉し気な顔が印象的であった。
砂盃は「勝って当然だろう」という表情だが、表彰台の ”てっぺん” で、すでに次のレースのことを考えているのかもしれない。


順位 ライダー名(チーム名)
1位 砂盃 肇(マリンメカニック)
2位 田村眞沙充(SMD Racing)
3位 落合英友(BELL FACTORY)

※上位3位までを掲載


第5戦で優勝した「田村眞沙充」

第5戦で優勝した田村眞沙充。

国内のランナバウトクラスで、1位は砂盃、2位は生駒か田村だと思っている。この ”3位” というポジション争いが、最も熾烈な戦いだ。

初の優勝に笑顔の田村。

第6戦で優勝した「砂盃 肇」

第6戦で優勝した砂盃 肇。

圧倒的な実力を持ち、水面状況を見極めて戦い方を変えている柔軟さが砂盃の強さだ。本当にフラットな水面なら、驚異的な集中力でホールショットを獲得し、そのまま逃げ切る作戦を取る。冷静に、さまざまな角度からレース展開を分析している。
見ていれば分かるが、全てのライダーの中で、最も丁寧な走りをしているのが砂盃だ。攻撃的に走っているときでも、勢いに任せたライディングはしない。現在、彼に勝つのは至難の業だ。

年々、「強さ」をパワーアップさせている世界チャンピオン。心技体、全ての部分で他を圧倒している。他の日本人ライダーには、大きな壁であり、大変良い目標だ。彼を倒さなければ、世界も狙えない。
「最強の男」が、最も努力を続けているのだから、チャレンジャーは、それ以上の練習をしないと勝てないのは当たり前である。

第5戦で2位となった「船戸大輝」

第5戦は、田村に次いで2位の船戸大輝。

決して諦めない走り。

船戸大輝選手の「親衛隊」。一筋縄ではいかない、メカニックの辻村氏。視線が眩しい!

第6戦で3位の「落合英友」

第6戦で表彰台に上がった落合英友。

マリンメカニック製マシン「ガーコ」は、モンスターパワーだ。

丁寧な走りで、上位に食い込んでくる。

レース後、「ガーコのお陰です」と、コンストラクターの今﨑氏(写真左)に感謝を伝える落合(右)。

最高峰の「Pro Runabout GP」で表彰台に上がるのは大変だ。「支えてくれるまわりの人々に感謝です!」と落合。

中野崇寛

第1ヒートは2位でゴールしている中野。第2ヒートが5位で総合4位。表彰台が目の前だった。

「思い通りのマシンに仕上げ、思い通りのレースがしたい」と中野。

駐車場に置いてある、素敵なデザインのトレーラーが中野のピット。レース会場のビーチに移動中。

国内屈指の実力を持つ「生駒 淳」

第5戦は、排気パイプが外れて結果を出せなかった生駒 淳。彼の目を見たら、いかに集中しているかが一目瞭然だ。

不運! 第6戦も、マシントラブルに見舞われた。

アクセルを緩めない生駒のコーナリング。

生駒の強みは「鉄のメンタル」だ。本人は「自分は普通です」と言うが、まったくめげない ”超スーパーポジティブ思考” だ。 第5戦は両ヒートとも排管が外れて結果を出せなかった。翌日の第6戦は、クランク折れるという大惨事にみまわれた。
しかし、本人は「いやー、惜しかった。あのまま戦えたら、何とか出来たと思うんですよね。砂盃さんに並んだとき、マシンが跳ねて、変な着水をした瞬間、クランクが折れたのが分かりました」という。
「いやー、もったいない。悔しい」と話すが、この ”もったいない” は「エンジンが全損」ではなく、「勝てなかったこと」が ”もったいない” なのだ。あれだけ強いメンタルなら、怖いものはないだろう。

生駒艇、傷だらけのガーコ。

千木良真之

レース前日にマシンが壊れた千木良真之。下のクラスのライダーからマシンを借りて参戦した。

本来の千木良艇。シーズン前の春先には、「体とマシンが出来上がって良い状態」と言っていたが、シーズン直前に怪我をしてしまった。苦しい戦いを強いられているが、奮闘を期待したい。

普段は、優しい社長さんの千木良だが、レースではイケイケだ。

彼の調子が上がると、混戦になってレースが面白くなる。

釘﨑真治

このクラスに参戦するのは、久しぶりの釘﨑真治。

スタンドアップで練習しているだけあって、フォームがキレイだ。


Pro SPORTS GPクラスレース結果

第5戦、第6戦の勝者・片野丈一郎。

国内のこのクラスでは、片野以外に本格的に世界戦で戦うレーサーはいない。実力もそうだが、文字通り、”相手がいない”という状況となっている。幼馴染でもある田中嘉純の参戦で、久しぶりのレースに臨んだ。

片野丈一郎と田中嘉純は「竹馬の友」

このクラスで走る片野丈一郎と田中嘉純は、共に22歳。保育園からの付き合いが今も続いている。スポーツクラスは、圧倒的に片野が速い。表彰式でも田中は「ジョー(片野の愛称)は速いです」と言っていたのが印象的であった。

しかし、今はまだ届かないが、「いつかは……」と感じさせてくれる田中の言葉だった。気心の知れた友人でもガチンコ勝負。すべてのヒートで、実力に勝る片野選手が勝利した。

第5戦 レースリザルト

第5戦 表彰式。

順位 ライダー名(チーム名)
1位 片野丈一郎(BELL FACTORY)
2位 田中嘉純(BELL FACTORY)

第6戦 レースリザルト

第6戦 表彰式。

順位 ライダー名(チーム名)
1位 片野丈一郎(BELL FACTORY)
2位 田中嘉純(BELL FACTORY)

最近は他のクラスにも出場し、才能を見せつけている片野。スリムな体なのに体力がスタミナが優っている。最近では、そこに技術が加わっている。トリプルクラウンホルダーでもあり、世界から認められるレーサーである。

チーム・ベルファクトリーの監督で片野丈一郎の実父・宣之氏。息子と一緒に戦っている。

第5戦、第6戦で優勝した片野。

第5戦、第6戦ともに2位の田中嘉純。

片野と田中は保育園からの友人だ。


Yeah! Racing gallery!

人懐っこい誰かの飼い犬。頭をなでてから、他のライダーにインタビューを始めたら、「俺をかまえ!」と言わんばかりに、私の脛を前足で蹴ってきた。可愛いから許すが「痛てえ」し「気が散る」から、やめてケレ!

レース会場。

天気予報は”大雨”のはずが、第5戦、第6戦ともに真夏日。これも日ごろの行いがいいのか悪いのか……。

スキークラスのライダー・向井加寿子。夏の太陽のような笑顔だ。

MCの嵐 みずえさん。

暑さで汗が止まらない。熱中症には気を付けて!

いつ見ても仲がいい生駒夫妻。

チーム・ベルファクトリーの監督・片野宣之氏。炎天下の中でも率先して働いている。

生駒艇。今回はトラブルが続いた。

砂盃のマシンを整備するチーム・マリンメカニック。写真中央がコンストラクターの今﨑真幸氏、左隣が生駒艇のメカニック・殿井久悦氏。落合艇も殿井氏が整備している。

片づけることも含めてレースだ。撤収作業は絵になる光景だが、砂浜での作業は暑くてしんどい。当事者はやっていられないだろう……。

片野艇のコンストラクター・K-1 Racingの藤江功一氏。

マリンメカニック代表・今﨑真幸氏。



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