4月13日(土)~14日(日)の2日間、山口県大島郡周防大島町の片添ヶ浜海浜公園において、「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2023 1st STAGE」と「AQUA BIKE 全日本選手権シリーズ(国土交通大臣杯)」の2カテゴリーのレースが開催された。
ここでは、スキークラスのうちの「PRO SKI GROUND PRIX」「PRO-AM SKI GRAND PRIX LITES」「EXPERT SKI GRAND PRIX」「EXPERT SKI SLTD」「EXPERT SKI-X SLTD」の結果を紹介する。
今さらながら、「 “レースの意義”とは 何か?」を 考えてみた。
とても ひと言で まとめられる話ではないが、ジェットに対する世間の評判など、現状を考えれば「ジェットは素敵」であり「ジェット乗りが素敵」という事実を、再認識させてくれる“モノ”だと思うのだ。
だからこそ 本誌は「 結果より 過程 」を 重要視する。
“たった一人の 熱い走り”が、見ている者に 強烈な感動を 与えてくれることもある。
昔と違って 今のジェット業界は、いくら頑張っても 賞金が出ることはない マイナー スポーツだ。
しかし、選手たちの努力に“嘘”はない。この戦いは「真実」だから、いずれ世間から認められる日もある と 強く信じている。
現在のジェットのレースで、得られるものは“頑張った自分”への称賛だけ。
莫大な時間とお金を使っても 何も与えられないのに、選手は“勝つため”に 寒い冬のあいだも、ひたすらブイをまわり、汗を流している。
そういう「 報酬のない 純粋な名誉 」の ための戦い の「本当の姿」を キチンと伝えたい。
単なる勝敗の結果だけなら、リザルトだけで十分 コト足りる。
本誌は1996年に創刊してから、27年間、毎年、国内外のレースの取材を続けている。
そのなかで感じているのが、「 勝者だけが、ヒーローではない 」と 言うことだ。
たった1人の勝者と、それ以外の敗者。
“敗者”がいるからこそ、レースはエキサイティングなものとなる。むしろ、“敗者”なくしてレースは成り立たない。
“勝つ人”が決まっている「 予定調和の出来レース 」など、誰が見たいと思うだろうか。
持てる力を最大限発揮し、磨き抜かれた技術をもってしても 負けるときは負ける。
下馬評は関係ない。そのギリギリの死闘が、見ている人たちを熱くさせるのだ。
そういう意味で、今のプロスキークラスは面白い。
まだまだ後進に席を譲る気がないベテラン勢と、それを破って“自分たちの時代”を作りたい若手の台頭。
世代交代は、その競技を活性化させる上でも 必要なものである。
国内のスキークラスの最高峰「PRO SKI GROUND PRIX」クラスで、本誌が見た“熱い戦い”を報告する。
今大会のトップ3は、レースに興味がある人なら誰もが知るレジェンドレーサーたちである。
4位以降に、これからのレースを担う若い世代が名を連ね、虎視眈々と上位を狙っている。
「 熟練のレース巧者 vs 恐れ知らずの若者 」という 構図は、見ている側からすれば、たまらなく面白い。
「ジェットのレースは、まだまだ面白い」と感じさせてくれる"戦い"がここにある。
MOTO1が1位、MOTO2が3位で総合1位。幸先のいいシーズンをスタートさせた平阪 勇助 選手。
今大会も、見事なホールショットを見せてくれた。相変わらず、ライディングが上手い選手だ。
昨シーズン、惜しくもシリーズチャンピオンを逃した平阪選手。2年ぶりのタイトル奪還に向けての滑り出しは最高だ。
「疾風迅雷」風のようにすばやく、雷のように激しいこと。平阪選手のヘルメットには、この言葉が書かれている。
バイザーには「鬼速」とある。今年の平阪選手の意気込みが伝わってくる。
無駄を削ぎ落した大人の走りで、総合2位を獲得した桜井 直樹 選手。
いつも爽やかな笑顔が素敵だ。
「#1 POUND ONE」のチーム監督・秋本氏(写真左)と、桜井 選手(中央)、佐藤 颯志 選手(右)。
「HYPERION (ハイペリオン)」を駆り、総合3位となった服部 和生 選手。
服部 和生 選手。マシンの仕上がりも上々だ。
服部 和生 選手は、優れた マシン・コンストラクターでもある。
今大会、佐藤 颯志 選手は「レース界の希望の新星」となった。 MOTO2では、平阪選手、桜井選手らベテランを抑えてトップフィニッシュ。
MOTO 1での成績が響き総合 4位に終わったが、次の大会が楽しみな選手だ。
佐藤選手を「レース界の希望」と言う理由は、その戦い方にある。
例えホールショットを取れなくても、トップ選手に何度でも果敢にアタックしていく。
MOTO2では、ホールショットを獲得してトップを走る平阪 選手に執拗に襲い掛かる。3度目のチャレンジで、見事に抜き去った!
レース後、互いの健闘を称え、平阪選手(写真左)と握手を交わす佐藤選手(右)。
釘崎 勇真 選手も、期待の若手の一人だ。
釘崎選手(写真左)の最大の理解者である父親・真治氏(左)は、ランナバウトクラスの現役レーサーだ。
釘崎 選手は、MOTO2で痛恨のフライグ。デッドエンジンからのスタートとなったが、最後尾から追撃は見事であった。昨年までの走りとは、大きく違っている。
総合 6位の志水 秀行 選手。MOTO1は2位でゴールしたが、MOTO2での不振が響いた。
練習熱心な 志水 選手。MOTO1で見せた走りが続けば、今シーズン、台風の目になるかも。
総合 7位の山崎 友裕 選手。
総合 8位の箭内 秀吉 選手。
このクラスで唯一、「ブレットレーシング・V4」で戦う 箭内 選手。
総合 9位の片山 司 選手。
緊迫感のある片山選手とチームZERO。奥のゼッケン58が片山選手、手前のゼッケン59が山中 祐太朗 選手。
総合 10位の山中 祐太朗 選手。
結果が出ずに悔しい山中 選手。
今シーズン、FAST POWER SPORTSのニューマシン「 F1 」で参戦 の 海老原 祥吾 選手。結果は総合 11位。
メカニックの小西 洋一氏(写真左)と海老原選手(右)。
新しいマシンはセッティングが難しい。チーム CLEVER のメンバーと。
総合 12位の斉藤 貴彦 選手。
昨年度のシリーズチャンピオンの倉橋 秀幸 選手 は 総合 13位。MOTO 1 は 3位でフィニッシュしたが、MOTO 2 でのノーポイントが痛かった。
MOTO 2 で 痛恨のフライング! 悔しいスタートとなった。
「狙うは優勝のみ!」。“手堅く表彰台”ではなく、1位を獲りに行った結果だ。「前向きな敗北」に、今シーズンも期待できる。
総合 14位の佐藤 和輔 選手。
総合 15位の松浦 章人 選手。
総合 16位の山本 陽平 選手。
「Team YRF」。山本 選手(写真右)を支えるご両親。
山本 選手は、トップライダーであると同時に、優秀なマシン・ビルダーでもある。自身のメーカー「クレージーハウス」で開発したマシン「インターセプターJP1」で戦っている。
ライダーであり、優れたマシンを造るコンストラクターでもある藤井 亮平 選手。クレージーハウス製「インターセプターJP1 」をベースに、“藤井理論”に基づいたチューニングが施されている。
藤井選手が乗っているマシン(ゼッケン4)は、PRO-AM SKI LITESに出場している斎藤 孝 選手のマシンである。「 ストック・エンジンで、どこまで戦えるか」をテストするためにチョイスしたという。最高速は時速106kmだが、瞬発力や足回りに関しては完成度が高い。「レースでも十分に通用する」と、手ごたえを感じていると語ってくれた。
藤井 選手 自身も、「インターセプターJP1 」に乗っている。そこにオリジナルのチューンを施した「GPマシン」である。藤井選手のマシンは、最高速が118km/hのモンスターマシンだという。次戦以降に投入される予定というが、今からその走りが楽しみだ。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 平阪 勇助(KILLER Racing) |
2位 | 桜井 直樹(#1 POUND ONE) |
3位 | 服部 和生(UNLIMITED) |
4位 | 佐藤 颯志(#1 POUND ONE) |
5位 | 釘崎 勇真(Shindy Monster) |
6位 | 志水 秀行(マリンメカニック) |
7位 | 山崎 友裕(超Ponkan Racing) |
8位 | 箭内 秀吉(AUTO SWAP.F.R) |
9位 | 片山 司(ZERO) |
10位 | 山中 祐太朗(ZERO) |
11位 | 海老原 祥吾(CLEVER) |
12位 | 斉藤 貴彦(UNLIMITED) |
13位 | 倉橋 秀幸 |
14位 | 佐藤 和輔(SKU46H Racing) |
15位 | 松浦 章人(KHKレーシング) |
16位 | 山本 陽平(Team YRF) |
MOTO1、MOTO2ともに2位。総合 2位の齋藤 孝選手。
齋藤 選手の船体は、クレージーハウス製「インターセプターJP1」。マシンコンストラクターは藤井 亮平選手である。最高速は時速106kmだが、瞬発力と乗りやすさが抜群だという。
MOTO1が4位、MOTO2が3位で総合3位の上坂 和成選手。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 片山 龍星(ZERO) |
2位 | 齋藤 孝(TEAM EAST JAPAN) |
3位 | 上坂 和成(Team seaZracing) |
4位 | 三宅 翔也(超Ponkan Racing) |
5位 | 高橋 肇(Team seaZracing) |
6位 | 山内 一郎(JETS HAVAS) |
7位 | 大滝 純平(TEAM M.P.S) |
MOTO1が1位、MOTO2が2位、総合優勝の増子 隆吉選手。
優勝した増子 隆吉選手(写真左)、「 HYPERION (ハイペリオン)」を 製造する VK COMPOSITES の アキンニ・パチョレル氏(中央)、増子 隆吉選手の弟で 総合3位となった隆二選手(右)。
アグレッシブな走りを見せてくれた。
MOTO1が3位、MOTO2が1位。総合2位の平選手。
MOTO1が2位、MOTO2、3位。総合3位の増子 隆二選手。
総合4位の片山 龍星選手。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 増子 隆吉(UNLIMITED) |
2位 | 平 晃一(F51) |
3位 | 増子 隆二(UNLIMITED) |
4位 | 片山 龍星(ZERO) |
MOTO1が1位、MOTO2が3位で総合優勝の今林 雅哉選手。
今林 雅哉選手の所属チームも ZERO である。
MOTO1が3位、MOTO2が2位で総合2位の三宅 貴之選手。
MOTO1が2位なら優勝!今後に期待。
MOTO1が2位だったが、MOTO2で振るわず。総合3位の中島 正晴選手。上位3人の実力差は少ない。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 今林 雅哉(ZERO) |
2位 | 三宅 貴之(Racing MOTOINE) |
3位 | 中島 正晴(Force Racing) |
4位 | 森 茂(TEAM M.P.S) |
5位 | 多田 道継(TEAM TECHNO PRO) |
6位 | 北田 誠(Force Racing) |
MOTO1が1位、MOTO2が2位。優勝した新井 剛選手。
新井 剛選手はアグレッシブなライディングを見せてくれた。
MOTO2でトップフィニッシュしたが、MOTO1での失速が響き、総合2位の山中 幸一選手。
表彰台の常連さんだ。
MOTO1、MOTO2ともに3位。総合3位の束村 智史選手。
束村 智史選手が昨年度のシリーズ・チャンピオンだ。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 新井 剛(マリンメカニック) |
2位 | 山中 幸一(超Ponkan Racing) |
3位 | 束村 智史(Racing MOTOINE) |
4位 | 原口 正之(TEAM EAST JAPAN) |
5位 | 伊藤 寛昭 |
6位 | 松下 哲也 |
7位 | 西川 修(SNF Racing Team) |
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