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ヴィンテージ ジェットスキーの頂点「550・グループGP」クラス ヴィンテージ ジェットスキーに乗れるイベント 「Out a Time Sports #5」 伝説の名機でスラローム&タイムアタック 【Out a Time Sports ・HISTORY】

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働く取材班。本日の主役ファミリーから「可愛く撮ってね!」とリクエストされるが、実物が“超カワイイ”から撮る方も簡単。

初めまして! 小原家のNEW ファミリー! “超カワイイ小原ジュニア”。

「GP」クラスはOut a Time Sportsの頂点

最強の8人がエントリー。誰が勝ってもおかしくないメンバーが揃った

日本のヴィンテージの最高峰クラス! 全員、「勝ち」に来ています!

大人気のイベント 「Out a Time Sports」も今回で5回目だ。
この550クラスはエントリー数が多いので、3つのカテゴリーに分けられた。

現役ライダーや、日ごろからジェットに乗っている選手は「550A」クラス、昔、レースに出ていても、現在はそれほど乗っていない人や大会に出ていない人が「550B」となる。エントリークラスはあくまで本人の希望制なので、どちらに出場してもいい。
そして、最高峰の「グループGP」は、「腕に自信があるメンバー」がエントリーした。現役スタンドアッパーや、ベテランスタンドアッパーなど、腕自慢の8名がしのぎを削る。

午前中に1stアタック、午後に決勝トーナメントが行われた。
1stアタックのトップタイムを出したのは小原 聡将選手(42秒50)だが、昼に行われたヤングチーム vs アダルトチームのリレー競技でアダルトチームが勝ったため、2位の芳賀 毅選手(43秒95)がマイナス2秒のボーナスを獲得。芳賀選手が1位で1stを通過した。
決勝トーナメントは、1位小原選手、2位は芳賀選手、3位が加藤 豪選手、4位が大畑 雄一選手で、この4名が準決勝に進む。

準決勝は、小原選手が41秒25で圧巻の1位通過。2位は芳賀選手の43秒35で、この2人による決勝となった。
皆が注目するなかでの決勝は、両者とも引けない戦いだ。ワンミスが勝敗を決める緊張感のなか、小原選手が41秒02、芳賀選手が42秒34と、接戦の末に小原選手が優勝を勝ち取った。

プロライダーも苦しい!! ぐるっとブイを1周する「くるりんぱ!」

選手たちを苦しめた最大の難所「通称・くるりんぱブイ」(青い点線で囲まれた“赤い”ブイ)。ゴール直前の 一番スピードが乗った場所で“ブイを一回転”する。スピードを出しすぎると大回りになってタイムロスとなる。小さく速く回ることが重要。


「くるりんぱ」ブイを制する者は勝負を制する!

選手たちを苦しめた「くるりんぱブイ」は、手練れのGPライダーたちも苦しめた。
一番スピードが乗ってくるブイで、小さく1周しなければならない。速度を出しすぎれば大回りになるし、慎重に行きすぎればタイムが落ちる。何とももどかしいブイだ。

「このブイをどうまわるか?」が勝負の分かれ目となった。わざと大きく回ってスピードを落とさないようにする選手や、ブイに対してできるだけ小さくまわる選手など、それぞれに工夫を凝らしていた。
ここでいかに速く回れるかが、タイムとなって表れた。

Out a Time Sports「MC・ 村尾“DEVIL”高明氏」。今だから言える裏話!

やる気満々のヤング勢。写真左から小原 聡将選手、佐藤 舞旺選手。絶好調のMCっぷりを発揮する、村尾“DEVIL”高明選手。

「くるりんぱブイ」誕生秘話

この大会のひと月ほど前、コースを決める主催者の会議に編集部も参加していた。
試行錯誤しながらコースを作っていくのだが、「普通に走るだけではドラマがなくてつまらないよね。どこかのブイで360度ターンをするようにしようよ」と、加藤店長がアイデアを出した。

編集部は、過去に別のスラローム大会でこの「360度ブイ」を採用し、多くのプロレーサーが非常に苦労していたことを話した。
360度まわるブイは、上級者ほど苦労する。普段のレースコースに、そんな回り方をするブイはないからだ。とことん練習しているレーサーほど、マシンも人間もそんな仕様には作っていない。

「上級者が苦労する」と聞いた、加藤 豪選手、村尾高明選手、芳賀 毅選手の主催者の3人は、顔色が変わった。
急遽、私を含めて4人でテストライドを始めたのだ。今、この時点では、私を除く3人は、グループGPクラスの優勝候補でガチのライバルである。しかも全員、極度の負けず嫌いときた。
コースを決めるための集まったはずが、「勝つ」まで誰も止めようとしなかった。

結局、この日は何も決まらず日没により終了。ただ、皆の意識の中に、「最終ブイを360度まわる“くるりんぱ”ブイが面白い」ということだけは植え付けられた。そしてイベント当日、見事に「くるりんぱ」するコースが設置されたのだ。

芳賀選手 vs MC村尾“DEVIL”高明選手。骨肉のバトル!



村尾“DEVIL”高明選手に聞いた「芳賀選手は“くるりんぱブイ”に反対」だった!?

WJS 結局、最終ブイが「くるりんぱブイ」で決定したのですね。
村尾 芳賀さんは、最後の最後まで反対していましたけどね。

WJS 初めてテストしたときは、村尾選手が最速タイムでした。特に「くるりんぱブイ」は一番速くて上手かったです。
村尾 レーサーは苦手ですよね。フリースタイラーはこういう動きをしますから。フリースタイルをすればいいんですよ。

WJS でも、本番の大会では、芳賀選手の「くるりんぱブイ」がとても上手くなっていて驚きました。
村尾 実は、昨日も芳賀さん「くるりんぱブイ」をメチャクチャ練習していたんですよ。

WJS 芳賀選手が、最後まで、くるりんぱブイを反対していたと聞きましたが?
村尾 はい。でも、「くるりんぱブイをなくすんなら、主催者の僕がやる気が出なくなります」とまで言って、何とかOKを出させたという経緯があります。

WJS それは大変でしたね。何か勝てないような要因でもあったんでしょうか?
村尾 はい。超負けず嫌いですから。


「グループGP」クラスの結果

1位・小原 聡将選手/BESTタイム:41秒25

どんなマシンでも本当に上手に乗りこなす小原 聡将選手。天性のジェット乗りだ。

MCの村尾高明選手が「トシ(小原選手)は、何であんなふうに曲がれるんだ?」と、マイク越しにつぶやいた! 見ている全員が、それに頷いた。

非力なJS 550で、こんなスピードで最初のブイに突っ込んで行ける。

ジェットスポーツの神様から恩恵を受けている選手だと思う。小原選手は、子供のころから国際大会に出場していたので、実はレース歴も長い。
レースでも、借り物のジェットに乗ることが多いのでマシンが遅くても、それで戦わなければならなかった。どんなに遅いマシンでも、「いかに速く走らせるか?」というテーマと常に向き合っていたのだ。さらに競艇選手になったことで、その力が磨かれた。だから、今は何でも完璧に“乗りこなせる”!

キチンと勝利の挨拶をする。こういうところが素晴らしい!

2位・芳賀 毅選手/BESTタイム:43秒35

芳賀 毅選手のすごいところは、「どんな相手でも、緊張せずに自分の実力を最大限に出し切れる」ところだ。ベテランのなせる業。

550時代に培った技術は健在。ミスなくブイをまわる。

小原選手(写真右)と争うのではなく、「自分自身が最高のライディングをすることだけを考えた」という芳賀選手(左)。その結果が、僅差の2位だ! 年齢は親子くらいの差があるのに、芳賀選手は凄い!

練習の成果!「くるりんぱ」も完璧に攻略。「ミスターOut a Time Sportsは、X-2クラスでも優勝を決めている! 「これ以上勝ったら、来年の出場禁止」と、MC村尾選手に宣言された! ある意味、このクラスで勝たなくて良かったかも!?

3位・加藤 豪選手/BESTタイム:44秒98

優勝候補の1人、加藤 豪選手。

加藤選手は選手であり、主催者でもある。言い訳はしないが、彼の普段の走りではなかった。少しだけ集中力が足りなかったような気がする。自分の成績よりも、「みんなが無事に1日を過ごせる」ように心を配っていた。

選手兼、記録係兼、進行係兼、裏方全般。アザーす!

集中力MAX! 本気の加藤選手!

「GP」クラス 4位・大畑 雄一選手/BESTタイム:45秒05

大畑 雄一選手も速かった。芳賀選手とのタイム差は「くるりんぱブイ」。あきらかにタイムロスしていたのが残念だった。当日にイキナリ360度ターンをするのだから、フォームの修正は難しい。優勝争いをしているからこその苦労だった。

ガッツ溢れるライディング。

5位・海老原 祥吾選手/BESTタイム:46秒21

海老原 祥吾 選手は、普段「プロフォース」という1500ccエンジン搭載の最新鋭・世界戦略モデルで戦っている。さらに、日本の最上位クラスで3位の実力を持っている。それがイキナリ「ヴィンテージマシンに命を懸けた“おじさん”たち」とガチで戦うのだ。この世代間のギャップもこの大会ならでは。

爽やかな笑顔の海老原選手(写真右)と、ウィメンクラスで活躍する上田 真利奈選手(左)。ある意味、完全にアウェイのヤングな2人。お疲れさまでした。

6位・石田 仁彦選手/BESTタイム:48秒27

MC・ 村尾“DEVIL”高明選手曰く「絵になる男・石田先輩! なぜだか分からないけど、速そうに見えてタイムは伸びず!」と、誉めてるのか、けなしているのか分からない。

石田選手が走ると、会場が盛り上がることだけは間違いない!

本来のタイムは7位の佐藤 舞旺選手より遅かったが、リレーでアダルトチームに勝ったので、ボーナスのマイナス2秒を獲得。6位に繰り上がった。

7位・佐藤 舞旺選手/BESTタイム:49秒02

エントリーした選手の中で、最も「次に記録を伸ばしそうな選手」だ。佐藤選手も、「くるりんぱブイ」に苦戦していた一人である。理由は、「1位になろう」と攻めたからだ。若者はこうでなくっちゃ!

8位・タイガーマスク選手/BESTタイム:魂の転倒。痛恨のリタイア!

タイガーの野望! 『1度も乗ったことのない「加藤 豪選手のマシン」を借りて、彼より速いタイムを叩き出し、自分の偉大さを見せつける!』。しかし、攻め過ぎてまさかの転倒。夢は潰えた! 現実は甘くないが、そのチャレンジ精神はお見事!

440/550「グループGP」クラス表彰式

優勝の盾を手に、晴れやかな笑顔の小原選手。



「GP」クラス・リザルト

順位 選手名
1位 小原 聡将選手/BESTタイム:41秒25
2位 芳賀 毅選手/BESTタイム:43秒35
3位 加藤 豪選手/BESTタイム:44秒98
4位 大畑 雄一選手
5位 海老原 祥吾選手

ヴィンテージ・マシンは時を超える! 永遠に不滅です!



【Out a Time Sports ・HISTORY】



盛り上がり続けるヴィンテージベントの歴史

「Out a Time Sports」の始まりは、ヴィンテージ・マシンのドレスアップコンテストであった。

「時を超える(Out a Time Sports)」をテーマに、村尾高明氏が自分が大切にしているマシンを展示し、多くのジェットユーザーに喜んでもらおうと企画したことが始まりであった。

彼のポリシーは、「ジェットは走らせてナンボ」。いくら大切なジェットでも、走らせなければ意味がないと思っていた。そこで、ジェットショップ55HEAVENの加藤 豪店長と芳賀 毅氏に相談したところ、今の「スラローム・タイムアタック」の形が出来上がった。

「ジェットは素敵だ!」「何年経っても、自分のマシンを大切にしたい!」「乗りこなせる自分が素敵!」「ジェットを盛り上げたい!」といったコンセプトが、今も続いている。


【HISTORY】第1回大会・ドレスアップコンテストから始まった

2019年11月24日に行われたイベントに、ヴィンテージマシンのドレスアップコンテストとして参加。

このときの優勝マシン。

【HISTORY】第2回大会・2020年11月1日開催

スラローム・タイムアタック。優勝は加藤 豪 選手。この大会から、今のようなタイムアタックになった。

【HISTORY】第3回大会・2021年7月4日開催

優勝は小原 聡将 選手。

【HISTORY】第4回大会・2021年11月7日開催

優勝は加藤 豪 選手。

このイベントの主催者・加藤店長のJETショップ「55HEVEN」。ジェットフィールド湘南の敷地の中にある。素敵なポスターが目印だ。

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