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カワサキ STX 160に乗ってみた1 2020年ジェットスキーニューモデル試乗インプレッション

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2020年ジェットスキーニューモデル「STX 160」シリーズ(「STX 160X」「STX 160LX」)登場

「STX 160」シリーズの試乗を含めたインプレッション記事です

素晴らしいジェットスキーが、カワサキから発表された。実は、実際に乗ってみるまでそれほどの期待はしていなかった。それは、既存モデルである「STX-15F」を一部改良した新艇と理解していたからだ。しかし、私の考えは間違っていた。私と同じように、スペックの数値だけで判断しているユーザーも多いと思うので、実際に乗った感想を正直に書こうと思う。


実物に乗るまでは、STX-15Fの見た目だけの改良版だと思っていた

超ロングセラーモデル「JS STX-15F」が、実に15年ぶりにフルモデルチェンジし、「STX 160」シリーズ(「STX 160X」、「STX 160LX」)となって登場した。「フルモデルチェンジ」といっても、エンジンとアンダーハルはSTX-15Fと同じである。

今回、「STX 160X」と「STX 160LX」に試乗してきた。失礼ながら、試乗前の私の予想は「どちらかというと、名前だけのフルモデルチェンジだろう」であった。ライディングポジションを変更したことで、STX-15Fより楽に乗れるだろう。コストを抑えるため既存のパーツを使いながら、STX-15Fと違う味付けをしているのではないか、といった感じで、どちらかというと、それほど大きな期待をしていなかった。

しかし、試乗前の偏見は、すぐに改められることになる。アンカリングされて海に浮いている新しい「STX 160X」と「STX 160LX」の実物を初めて見たとき、外観の出来の良さに驚いた。メーカーが造る新艇なので当然なのだが、実物を見るまでSTX-15Fベースの改良版だとばかり思っていたのだ。

アッパーハルの形状が変わり、STX-15Fとは比べものにならないほど高級感がある。特筆すべきは、このアッパーハル。形状だけではなく、素材もSMCからFRPに変更されている。この素材も含めたアッパーハルの変更が、ニューモデル「STX 160」シリーズの乗り味の良さに大きく影響していると感じた。


水に浮いている実物のSXT 160」を見たら、「STX-15F」のことは頭から消えていた

STX-15Fよりは明らかに大きく見えるが、今までに見たことがないほどのコンパクトさ。しかも、素敵なデザイン。自然吸気モデルで、このサイズを好ましいと感じるのは私だけでないはずだ。

STX-15Fに比べてリボーディングステップが下まで降りるので、乗り込みが非常に楽になった。

走り出す前から、STX-15Fとは全く違う乗り物だということが分かる

STX 160LXに乗り、アンカリングを外して後方から乗り込む。STX-15Fよりも、かなり低い位置までリボーディングステップが下がるので、足をかけやすい。さらに、シート後方のリアグリップを掴むことで、簡単に乗り込むことができる。これなら、女性や子供でも楽だと思う。ジェット遊びでは、何度も乗り降りする場面があるので、こういった心遣いは非常に嬉しい。

シートに跨ってみる。ハンドルポジションも、シートポジションもSTX-15Fよりも高い位置にある。ハンドルグリップも新しくなり、今までの丸い形ではなく、握りやすい形状に変更されている。

ライディングポジションから見える景色がリッチだ。ハンドルマウント部分と、厚みを増したようなニューデザインのフロントハッチの輝くグリーンが、いかにも「新しいカワサキ」というイメージを醸し出している。

エンジンを掛けるまでに、頭の中から「STX-15F」という概念は消え去り、全く別モノのニューモデルに切り替わっていた。



試乗・いきなりアクセル全開で走りだしてみた

ULTRA310シリーズを含め、昨今のフラッグシップに比べれば、STX 160シリーズは少しコンパクトである。

ファーストインプレッションは「カチッとしている」だった。アッパーハルの感触が非常に好ましい。車で例えると、一昔前の日本車のようなペラペラ感が全くない。ペラペラにしているのは、衝突時に衝撃を和らげるためだと聞いたことがあるが、外車に比べてずいぶんとフニャフニャしていた。それをイメージしていたら、全く違った。高額な外車のようにカチッとしている。思わず「良くできている」とつぶやいていた。



試乗するには不向きなラフウォーター。だからこそ、STX 160の良さが際立つ

この日の水面は大荒れだった。よく、白波が立つ水面を「ウサギが飛ぶ」というが、いたるところでウサギが飛んでいた。まずは、思いっきりアクセル全開にしてみる。感想は、いい意味で「STX-15F」だった。

これだけ水面が荒れていると、座って走るよりも立って乗ったほうがいい。コンパクトな船体が心地よい。思った通りの軌跡で走れる。ハンドルポジションが高くて加速が良い。

驚いたのは、アッパーハルの建て付けの良さだ。こういった荒れた水面で、アクセル全開で長時間走り続けると、波の衝撃でグローブボックスの蓋が開いたり、フロントハッチがガタついた異音を立てたりすることが多い。それが全然ない。これだけ荒れた水面をアクセル全開で走行しても、どこからも軋む音がしないことに感心した。普通、試乗するときは、「乗り味」や「速さ」などを確認するが、実は、走行中の船体の「きしみ、歪み、異音」というものが非常に気になるのだ。



続きを読む…「STX 160」に乗ってみた 2  (ニューモデル試乗インプレッション)

2020 カワサキ ジェットスキーニューモデル1 よく分かる「STX 160」

 

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