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生誕40年!「水上バイク・ヒストリー」 最高コンディション“蔵出しジェット”! 名機「カワサキ JS 440 」に乗った日!

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水上バイク、歴史の始まり!

1973年・世界初のジェットスキー「JS400」が、アメリカで発売。

1977年・「JS400」のハルを改良したニューモデルとして「JS440」が登場。

1981年・「西武マリン」が、国内で正規販売を開始。


1977年。初代「JS400」のハルを改良したニューモデルとして「JS440」が登場しました。前方左サイドには、「象鼻」と呼ばれた長い排気口があるのが特徴。

国内初の正規代理店「西武マリン」とは?

「西武マリン」とは、「株式会社 西武百貨店・西武自動車販売 株式会社」のマリン事業部で、当時は VOLVOマリーンエンジンの総輸入販売元であった。

「西武マリン」は後に株式会社ユニマットプレシャスに吸収され「ユニマットマリン」として現在に至る。

「西武マリン」は1981年から、ジェットスキーやSEA DOOなどの水上バイク販売を開始した。


1982年(昭和57年)登録の、奇跡のように程度の良いJS440。エンジンは2ストローク2気筒で27馬力。現行モデルの4ストロークスタンドアップ「SX-R」が152馬力。

初めて水上バイクを買ったのは、西武百貨店だった!

コレは余談だが、編集部のスタッフは1985年頃に池袋の西武百貨店で「JS440」を購入している。

当時は、東京都心のメジャー百貨店の“ショーウインドー”にジェットスキーが飾られていたのだ。

彼は、百貨店で購入したため、専門的な詳しい説明を聞けず、後々非常に苦労することになった。

その理由は「JS440」という機種の特性だ。専門的な知識がないと非常に壊しやすいマシンであったからだ。


今から40年前のマシンとは考えられない、最高のコンディションが保たれている「JS440」。

ヤマハから国内で水上バイクが発売されたのは1986年

1986年(昭和61)、にヤマハが、国内初のマリンジェット「MJ-500T」と「MJ-500S」を発売している。

1984年に日本ジェットスキー協会「JJSBA」が設立されている、“カワサキモータースジャパン”がジェットスキーの正規販売を始めたのがこの頃である。


コンディションチェックを兼ねて小原聡将プロが試乗。戻ってきて、開口一番「コレ、壊れてます!」と言い切った。

伝説の名機、ジェットスキー「JS440」とは?

伝説のジェットスキー「JS440」 とは一体、どんなジェットスキーなのか

国内では、「西武マリン」より、1982年に発売され、「ヨンヨンマル」の愛称で呼ばれ爆発的に売れた機種である。

「ヨンヨンマル」は、世界で20万台以上を販売した不朽のベストセラーモデル「JS550(ゴーゴーマル)」と合わせて「44/55」(ヨンヨン・ゴーゴー)という愛称で一括りに呼ばれることも多かった。

44/55は、レースはもちろんのことレジャーユーザーにも熱狂的に受け入れられ、現在でもこの機種をこよなく愛するファンが多い。

過去に発売された水上バイクの歴史の中で、この 「44/55」ほど売れたモデルはない。


JS440のオーナー、村尾高明氏。彼はフリースタイルとフリーライドの全日本チャンピオンホルダーでもある。

令和4年の今、昭和の名機に乗れる幸せ!

今回、1982年(昭和57年)登録の、奇跡のように程度の良いJS440に試乗する機会を得た。

これだけ状態がいいのは、過去40年間ほとんど使われず、室内で大切に保管されていたものだろうと推測した。

JS440は「44/55」と、後継機種のJS550と一括りにされて話をされるケースが多い。

JS550の初期モデルと同じハルが使われているが、乗り味はベツモノだという話を聞く。


2022年、日本の最速プロライダー・小原聡将。現役のボートレーサーでもある。

JS440が置いてあると、腕に自信のあるライダーが寄って来る!

最初にマシンのコンディションチェックを兼ねて、「プロライダー・小原聡将」が試乗した。
コースを1周して戻ってくるなり、「コレ、壊れてます。いくら何でも遅すぎます」と言い切った。

それを聞いたオーナーの村尾氏が、「壊れてない。これが純正ノーマルのヨンヨンマルなんだよ」と笑った。

たまたまその場に居合わせた、当時JS440でレースに出ていた岩森一也氏にも乗ってもらうことにした。
感想は「まさに、本物のヨンヨンマル。素晴らしいコンディションだ!」と大絶賛。


現役時代、JS440でレースに出ていた岩森一也氏。遠目にも楽しんで乗っていることが伝わってくる。

JS440試乗!

最後に私が乗らせてもらった。 確かに“壊れてる”!とにかく、異常に遅く感じた。遅すぎでバランスが取り辛い。
計測すると「最高速度は45km/h」だった。

コーナーごとに転んでばかりなので、岩森氏にどうしたらいいのか尋ねたところ、「船体をあまり倒してはいけない。馬力がないから起き上がらない」とアドバイスをもらった。

神経を使い、デリケートに乗ればジェットが応えてくれる。
コースを1周するのに、いつも乗っているSX-Rの3倍以上の時間がかかる。しかし、不思議なことに楽しさは負けていない。


凄く楽しい! スピードは遅いのに、スリルは最新のSX-Rと変わらない。そして、体のキツさも変わらない……。なぜだろう?

JS550の「最高速度は55km/h」だが、体感的には、この差が凄くデカい!
馬力がないので、初速も非常に遅い!それがライディングの難しさになっている!

「44/55」というくらいだから、JS550と乗り味も速度もあまり変わらないと思っていたのに、改めてJS440とJS550は全く違う乗り物だと分かった。JS440が「伝説の名機」と言われる理由も見えた気がした。


写真左上:V字型のハンドルバーは、「チョキハン」と呼ばれていた。
右上:新艇を買ったら真っ先に取り付けた「ハンドルポールスプリング」(蛍光イエローのバネ)。これがないと、ハンドルポールが重くて長く乗っていられなかった。
左下:ガソリンのリザーブタンクの切り替えスイッチと、チョークが付いている。
右下:左が平成30年の検査済ステッカー、右が昭和57年当時のもの。昭和と平成が並んだ貴重なショット。

「44/55」の「掟」!

このマシンを思い通りに操るためには、乗り手が練習するしかないのだ。

乗り手の技量以上には、絶対に速く走らせることが出来ないマシンなのである。

そして、それこそが、このJS440に皆が夢中になった理由なのである。


ライディングが下手でも上手でも、皆が笑顔になる名機・JS440。


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