今年の本誌4月号で、日本が誇る世界的マシンビルダー、マリンメカニック製のレース艇に試乗させていただいた記事を掲載した(掲載誌はコチラをクリック)。
1台は、今年の世界戦略モデル「通称・GACO3(ガーコスリー)」。シードゥ RXP-Xベースのマリンメカニック製NEWカーボンハルに、ヤマハ1,800㏄エンジン、ターボチャージャー装着艇。このマシンは、砂盃 肇プロが乗り、今シーズンのセレクションレースで全戦圧勝している。世界戦略モデルである。
もう1台は、一昨年(2018年)に、世界チャンピオンに輝いた「通称・GACO1(ガーコワン)」だ。今季、田村眞沙充プロが乗り、砂盃プロに果敢に挑んだマシンである。ガーコスリー同様、マリンメカニック製カーボンハルに、ヤマハ1,800㏄エンジン、ターボチャージャー装着モデルである。
今回、マリンメカニック製カーボンハル船体を採用した、シードゥ1,630㏄エンジンにスーパーチャージャーを装着したレース艇に乗せていただくことになった。
レースにおいてヤマハエンジンよりも、シードゥエンジン搭載艇が圧倒的に多い理由のひとつに、ヤマハエンジンよりも、シードゥエンジンを使ったほうが金額的に安いからということがある。
ヤマハとシードゥのエンジンでは、排気量の違いから、パワーも速さもヤマハのほうが一枚上手ではあるが、シードゥエンジンのほうが安価で造ることができるのだ。
なぜかといえば、シードゥベースの船体に、ヤマハのエンジンとターボチャージャーを装着した市販艇などないからである。
ヤマハエンジンを搭載するために、マリンメカニックで独自に開発・テストを繰り返し、レースで戦えるように仕上げている。当然、時間もお金もかかっている。
今回試乗した「RXP-X」のように、全てがシードゥベースのマシンなら、ノーマルエンジンが使用できる。スーパーチャージャーのブレードを交換し、ECUの変更によるパワーアップをしているだけなので、1年間、オーバーホールもなしで、レースで使用しても大丈夫だという。
船体の軽量化や、形状の変更、インペラーの交換・改良といった、トータルでマシンパワーを引き上げているから壊れにくいのだ。エンジンパワーを、ロスなく推進力に変換するチューニング技術に長けているからこその速さなのである。
開発も日々進化しており、スーパーチャージャー艇でも、ターボ装着艇に負けない実力を発揮できるようになってきている。
マリンメカニック製のレーシングマシンは、「速いけれど非常に乗りやすい」というのが、私が今まで何度も試乗させていただいた感想である。
荒れた水面で戦うレースシーンであればそうはいかないのだろうが、平水面なら非常に爽やかで快適に走る。ものすごい加速で飛び出しても、思い通りのラインで走る。
今まで自分が体験したことのないスピード領域でも、楽しさと緊張が同時に押し寄せるのだ。
そして、乗り終わったら、かなりグッタリする。
なんとも夢が膨らむマシンなのだ。
この「マリンメカニック製、シードゥRXP-X 1,630ccエンジン・スーパーチャージャー装着艇」の詳細は、10月10日公開のワールドジェットスポーツ11月号にて無料で読めます。!
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