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エンジンを積み直す SX-R編 ジェットスキー(水上バイク)

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今回、作業をお願いしたコンストラクターの藤江功一氏と、愛用の「サービスマニュアル」。藤江氏ほどの熟練したコンストラクターでも、作業のときには絶対に持ってくる。

「SX-R再生プロジェクト」発動

これは、エンジンだけでなく、ドライブシャフトやハンドルポール、スポンソン、製品番号の書かれたプレートに至るまで、全て船体から取り外してドンガラにした船体。ここに、再び全てのパーツを取り付けて走れるまでにした「SX-R再生プロジェクト」です。

昨年の3月に、愛艇「SX-R」をコンクリートに落としてハルを割ったあと、ペイントのスペシャリスト集団・ヒロキックスデザインで新品以上の美しさに仕上げてもらいました。いよいよそこにエンジンやハンドルポールなどを戻し、走行できるように組み上げていきます。作業は世界的コンストラクター・藤江功一氏にお願いしました。一体、どのような作業を行ったのか、その全工程を紹介します。

1番最初にすることは、ドライブシャフトの取り付け

ドライブシャフトを差し込む。

スポンソンの取り付け

修復のために外したスポンソンを装着する。

エアダクトの取り付け

エアダクトを仮置きする。位置を決めたら、あとでリベット留めする。

エンジンルーム内の作業・まずはフロントの一番奥にあるガソリンタンクを取り付ける

ガソリンタンクを固定するゴムバンドを、ハルの先端部分のフックに引っ掛ける。このゴムバンドは、押すとすぐにフックから外れてしまう。ちょっと作業しにくいが、頑張ってタイラップ(結束)で固定する。

浮力体の発泡スチロールを差し込む。

上下に置いた2個の浮力体の隙間から、ガソリンタンクを固定するゴムバンドを出す。

ガソリンタンクを浮力体の間に差し込む。

ガソリンキャップを、ホースごとガソリンタンクに差し込む。

こんな感じで、ガソリンタンクにホースが刺さる。

ガソリンキャップをネジ留めする。

ガソリンタンクの前にバッテリーの台座を取り付ける。

順番を間違えると大変! ウォーターボックスはエンジンを積む前に

手に持っているのがウォータボックス。これを先に設置する。

ウォーターボックスを入れたところ。場所は、ドライブシャフトの横の空間。

ウォーターボックスにゴムホースを取り付ける。

純正のビルジを固定する。

エンジンマウントの取り付け

4カ所あるエンジンマウントのプレート。これで、エンジンマウントの高さを調節している。場所によってプレートの枚数が違うこともある。間違えたら大変なことになる。プレートに書いてある文字は、それぞれのプレートを取り付ける場所(例えば「FR」なら「フロント・右側」を指す)。これは、エンジンを外した際に藤江氏がペンで記入したもので、戻す位置が分かるようになっている。

右下の黒い台座がエンジンマウント。プレートの上に、エンジンマウントを重ねてビス留めする。

ビス留めされたエンジンマウント。さらに、ガソリンタンクの横(写真の左上側)に付属の工具セットを入れる。

エンジンマウント取り付け後、所定の位置にホースを取り付ける。

フードラッチの取り付け

フードラッチを取り付ける。

裏側から、フードラッチをビス留めする。エンジンルームに余裕があるときにやっておかないと、後から取り付けるのは面倒。

ハンドルポールの装着・小さな穴にステアリングケーブルやワイヤー類を通すのが大変

あらかじめステアリングケーブルを通しておく。

ハンドルポールを取り付ける。

ワイヤー類が多いので、ハンドルポールの根元の穴にステアリングケーブルを通すのに苦労する。ちなみに、アフターパーツメーカーのハンドルポールは、この穴が大きいので楽に通るらしい。

ハンドルポールを固定するシャフトを左から差し込んで右側でネジ止めする。

ハンドルポールを固定した。

ピロボールをステアリングプレートに固定する。

ハンドルポールまわりにある水洗キットを取り付ける。

水洗キットを取り付けたところ。

バッテリースイッチの取り付け

バッテリーのON/OFFスイッチを取り付ける。

ウォーターポンププライヤーで締める。なければ、モンキーレンチを使ってもいい。

いよいよエンジンの搭載・順番を間違えると、再びエンジンを降ろさなければならない

赤いコードが出ているが「スターターリレー」。最初にスターターリレーを取り付けておく。

エンジンを降ろすときは人力で作業したが、今回はチェーンブロックを使ってエンジンを積む。

プロのウラ技:レース艇の場合、エンジンの下に厚さ9mmのスポンジシートを敷く。理由は、8mmのボルトが外れてエンジンの下に落ちるとエンジンの重みがボルトにかかり、そこからハルが割れてしまうから。スポンジを敷くことで異物がエンジンの下に入らないようになっている。
しかし、シートを敷くのはデメリットもある。水分が抜けないので、常にエンジンルーム内が湿気た状態になるのだ。レーサーは、常に整備をしているので乾かせるが、レジャーで乗るなら湿気をこもらせたくないのでスポンジマットは不要だ。

スポンジシートを敷く場合、この位置に、このくらいの大きさにカットして置く。ちなみに、我が愛艇はレジャー仕様なので、シートは敷かなかった。

エンジンをエンジンルームに入れる。

ドライブシャフトとエンジン側のカップリングが噛み合う場所で嵌める。

ハルが歪んでいたら、キレイに噛み合わない。

エンジンマウントにエンジンを固定する。

オイルフィルターの装着・ポイントは、エンジンを装着してからオイルフィルターを付けること

新品のオイルフィルターを装着する。このとき、耐水グリスを塗ってから取り付ける。
プロのウラ技:エンジンを載せてからオイルフィルターを装着する。最初に付けてしまうとスペース的に邪魔になるので、エンジンを載せるまで外しておいたほうが作業しやすい。

オイルフィルターを取り付けたところ。

エキゾーストマニホールドの取り付け・エンジンとの接合部に隙間があると、本来の性能が出せない。ここはキッチリと作業しよう

エキゾーストマニホールド。

ウォーターボックスとエキゾーストマニホールドが接続する場所。付いている塩をワイヤーブラシで丁寧に取り除く。

塩を取り除いたら、マスキングテープを巻く。これを巻いておくと、ウォーターボックスに楽に嵌められる。マスキングテープは燃えてしまうので、付けたままでも問題ない。

ここに、マスキングテープを巻いたエキゾーストマニホールドを嵌め込む。

断面にこびりついている塩をスクレーパーで取り除く。隙間ができないように、キレイな面を出さないといけない。

ステンレス製エキゾーストマニホールドガスケットの塩を取る。

エキゾーストマニホールドガスケットに、「液体ガスケット」を塗布する。

液体ガスケット。藤江氏が使っているのは、「ULTRA COOPER」という銅入りの製品。

エキゾーストマニホールドガスケットをエンジン本体に装着する。

エンジンと、エキゾーストマニホールドを装着する。この部分は、冷却水と排気が通る部分なので、きちんと密着させる必要がある。この接合はシビアに行う。

ウォーターボックスからマフラーに繋がるホースを取り付ける。

インテークマニホールドの取り付け

インテークマニホールド。Oリングをなくさないように気を付ける。

エンジン側。インテークマニホールドと接合する部分。

エンジンルーム内の各パーツ取り付け

スロットルケーブルを取り付ける。

エアクリーナーを取り付ける。

取り付けたところ。

オイルキャッチタンクを取り付ける。

電装系パーツの取り付け。左の黒いプラスチックが「リレー」、真ん中が「レギュレーターレクチュファイヤー」、右が「ECU」が装着されているプレートを取り付ける。

このような感じで装着する。

点火コイル。

点火コイルを装着したところ(写真フロント側の奥)。

オイルを入れる・ここまできたら、もう終わったも同然!

新品のオイルを入れる。

このSX-Rは、4リットル分のオイルが入った。

プラグを装着

プラグを装着したら、作業は完了。

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