機種の選択が、明暗を分ける時代
「機種選びに失敗すると大変!」
という時代が“ジェット”にも来た
アメリカに行くと、30年くらい前のモデルでも、とてもキレイなジェットが多いことに驚かされる。
1990年代初頭~2000年代前半くらいまでの、もうとっくの昔に販売が終了しているモデルが、「つい最近、買ったばかり?」という状態で走っているのだ。
当時の非力なマシンに、ライジャケを着たビキニ姿の少女が、楽しそうに乗っている。
乾燥した気候が船体に優しいのか、チンと屋根が付いた風通しの良いガレージで保管されているのか、マシンは美しい状態のままだ。
これだけ長い間楽しんでいるのなら、モトは、とっくの昔に取れているだろう。
どの機種が「名機」なのか
それは時間が証明してくれる
現在、JS440、JS550をはじめ、TZやX-2などヴィンテージモデルが盛り上がりを見せている。
販売が終了して久しいこれらの機種も、アメリカで見ると保存状態が良すぎて「現行モデル」にしか見えないから不思議だ。
しかし、現行のランナバウトが、「ヴィンテージ」と呼ばれるくらい長期にわたって活躍できるのか? と聞かれたら不安だ。
こればかりは、時間が過ぎてみなければ分からない。歴史が証明してくれる。
証明された「アナログ」の価値
自動車のポルシェは、年代が古くても“空冷式”のほうが中古車の値段が高い。
水冷式は、手に入らない部品が多いからだ。
中途半端なコンピュータ制御の水冷式は、すぐに部品が世の中からなくなる。
それは、ジェットにも当てはまるかもしれない。
現行のフラッグシップモデルの良し悪しが、10年後に明確になる。
クルマやパソコンの歴史を振り返ると「不必要な機能が多いモデル」ほど、時代に取り残されていく気がする。
シンプルなモデルほど顧客満足度が高く、長く愛されている。
だからといって、ブレーキやグリップヒーターなどユーザーが喜ぶ、“便利な機能”はあったほうが良い。
あくまでも「1台のジェットに長く乗り続ける」という前提の話だ。
1~2年で手放す人には関係ない。
ジェット選びにも通じる「賢いクルマの買い方」
カーディーラーの友人に面白い話を聞いた。「損をしないクルマの買い方」だ。
クルマは車検が来る3年ごとに新車に乗り換えるか、「惚れたクルマ」を買って、そのクルマを乗り潰すつもりで、それこそ"動かなくなる"まで"長く"乗り続けることがベストだという。
3年ごとに乗り換えるなら、比較的高い金額で下取りしてもらえる。何より、最新の装備を堪能できたのだから、費用対効果も“良い”。
ただし、長く乗るのなら、メンテナンスや機能のブラッシュアップ、「数年ごとにイケてるアフターパーツを装着し直し……」など、最新トレンドを保持しながらではあるが。そうすると、廃車寸前のころには「全く違うクルマ」と見間違えるくらいの変貌を“遂げている”こともあるそうだ。
とにかく、買ったばかりのころのように、そのクルマを長く愛し続けられるよう、カスタムしながら乗り続けることだ。それが、経済的にも精神衛生上にも最良の方法だと言われた。
実は、「潰れるまで乗り続ける」のも、経済的に効率が良いのだそうだ。500万円のクルマを買って、そのクルマを「大好き」と思いながら、30年間“乗り続けて”いられれば、それは「安い買い物」だろう。
その場合、ベースになる車両の選択が難しい。
クルマ屋の友人が言うには、「"1990年製のセルシオ"を買った人が、2023年の今でも、乗り“続ける”ためには、相当、大事にメンテナンスをしていないと無理だ」。そして、周囲から「“珍しい人”と思われる」と言う。
しかし、同じ1990年製の「ベンツ・ゲレンデワーゲン」を毎日、キレイに乗っていれば、「普通に素敵だ」と言われる。ゲレンデワーゲンは、32年前から形がほとんど変わっていない。
なので“古いクルマ”と思われない。
これが「世界のメルセデスと、日本のトヨタの“差”だ」と、彼は熱く語った。
誤解のないように、これは“1990年の製品”を比べた話だ。2023年の「レクサス」と「ベンツ」を比べたわけではない。答えは30年後の2053年にならないと分からない。
クルマ選びはセンスである。「ダサいクルマ屋と付き合って、しょうもない車を買わされると“ツブシ”がきかないぞ」と脅された。
確かに、アメリカのセレブが古いマスタングに“お洒落”に乗っているのをみると、あながち間違いではないと思う。
日本でも昨年、女優の「伊藤かずえさん」が乗っている1990年式のシーマが、「日産による約半年のレストア作業」を経て“復元された”とニュースになった。
長くクルマを乗り続けると、メンテやレストアの費用だけでなく、自動車税も割高になる。それでも乗り続けたいと思う気持ちが、友人の言う「惚れたクルマ」ということなのだろう。
これこそ、「シーマ」でなければ起こりえなかったことだ。
CONTENTS・WORLD JET SPORTS MAGAZINE
ワールドジェットスポーツマガジン「2023年 5月号」まるごと1冊・無料公開中!
ワールドジェットスポーツマガジン「2023年 5月号・CONTENTS」
最新号の目次&内容
特集1 One Mile Wear Clothes!
―この春、無敵のワンマイルキャップ―
特集2 PWC RESCUE for Students Lesson
―部活動でPWCレスキューを学ぶ大島商船―
特集3 Iron Man Dies Twice 鉄人は二度死ぬ
―台風災害と大病を超えた斎藤鉄人の今―
特集4 HYPERION GP HULL Test Ride
―J-linesの挑戦「HYPERION GP HULL」―
特集5 Helmets for Mr.Dustin Motzuris
―「ヒロキックスデザイン」の新しいペイント―
特集6 Mr. and Mrs. Adachi fascinated by 550
―伝説の名機「JS550」に魅せられた夫婦―
特集7 JAPAN INTERNATIONAL BOAT SHOW 2023
―日本最大級のボートショー、横浜で開催―
I Love One Mile Wear こんな帽子が欲しかった!
特集1 QUAKYSENSE One Mile Wear Clothes!
―この春、無敵のワンマイルキャップ―
この春、無敵のワンマイルキャップ!
「ワンマイルウエア・最強論」 One Mile Wear 「現代ファッション・珠玉の逸品」
現代のファッションで、最もセンスが要求され、重要視されるのが普段着(ワンマイルウエア)である。
スーツや礼服のような“決められた様式”がないので、"個人のセンス"が勝負となる。
ワンマイルウエアの特徴は、部屋でも快適に過ごせて、外に出ても"お洒落"に見えること。だけどルームウエアとは全く違う。
コロナ禍により、リモートワークが定着した現代社会ではワンマイルウエアに“何を着るか”で、センスが判断されるのだ。
ホテルから水辺まで、全てのシーンで活躍できる、そんなハイセンスなウエアを選びたい。
何気ない普段着にナニを着る? そのセンスが最重要視されているのが「"現代"の"お洒落"」なのだろう!
「部活動」でジェットレスキューを学ぶ大島商船・2023年のマリン賞を受賞!
「大島商船高等専門学校 PWC レスキュー隊」は2011年に発足し、2014年に同校の正式な「部活動」として認められた、全国で唯一の「学生による水上バイクレスキュー隊」である。
ジャパン インターナショナル ボートショーで行われた表彰式後、レスキュー隊の発起人である幸田三広教授と、同校・水上バイクレスキュー隊の井上健太郎さんに時間を取っていただき、「水上バイクレスキュー隊」についていろいろと話を伺った。
幸田教授曰く、学校では、人命救助の「心肺蘇生法」にすごく力を入れています。でもそれは、レスキューしたあとの心肺蘇生法。
だけど、ジェットがあったら、その前の「レスキューするぞ」っていうところから始められる。「助けた"後"」でなく、「助ける"前"」にも教育が必要なんです!「水上バイクのレスキュー」なら"それ"が教えられる。
教育を通じて、「何かあったときに「傍観者」には“ならない”」という“気持ち”を育てたい!
水上バイクで社会貢献をする、いつの日にか「マイクロプラスチックゴミ」を 水上バイクで回収できるようにしたい。
水上バイクに特別な装置を取り付けて回収した、マイクロプラスチック ゴミ!
Iron Man Dies Twice・鉄人は二度死ぬ
1度目、2018年9月4日
関西に甚大な被害をもたらした台風21号によりパルアップのショップは壊滅状態に、全て高潮に流されてしまった。
2度目、2022年1月下旬
指定難病の宣告を受け大腸を全部摘出する大手術を受けた。
1度目は、ショップの死、2度目は、自身の肉体の死、それぞれを体験した「今の気持ち」を語って頂いた。
斉藤鉄人の考え
「10年どころか、明日死んでもおかしくないぞって考えています。
うっかり忘れ物をしてダッシュしたら呼吸困難で死にかけた。
そんな思いをすると、「人生」は長くないなって思いますよ。
だからこそ、「今を大事に生きていかないと」って考えます。
*鉄人のインタビューより抜粋
J-lines の挑戦 -THE CHALLENGE-
「J-lines」は、三重県四日市市に店を構え、ヤマハ、カワサキ、シードゥを取り扱う正規ディーラーである。さらにUNLIMITED(アンリミテッド)というレーシングパーツ類や船体、ウェットスーツなど、オリジナル製品を展開するブランドを持つメーカーでもある。PWC関連の総合商社なのだ。
このマシンは「AQUA X(アクアクロス)GP HULL」といい、UNLIMITEDが「VK COMPOSITES」という船体製造メーカーに造らせたものである。同メーカーに作らせた「HYPERION(ハイペリオン)GP HULL」というハルを使用した「RIVAL」というレースマシンを服部和生選手にスポンサードして、国内最高峰クラスに参戦することを公表している。
この「RIVAL」というレースマシンの試乗・インプレッションも掲載している。このマシンが世界で初めて公開されたのだ。
今月号では、「J-linesの挑戦」と銘打って、彼らが"ナニを考え"て"ドコに向かって"いるのかを聞いた。
Helmet Paint ストーリー/佐々木宏樹
ダスティン・モツリスのヘルメットをペイントしたんです! 今日中にアメリカへ発送しなければ間に合わない!撮影“可能な日”は、「今日しか」ないんです!!
「ヒロキックスデザイン」の新しいヘルメットペイント…! 編集部にNOとは言わせない、超強引でチャーミングな取材依頼に根負けした日。
このカッコいい男が、超強引な「佐々木 宏樹氏」です。 この素敵なヘルメットは「超ワケアリ」なんだそうです。 詳細は本誌で…。
JETが大好き・安達さん夫妻
今回、話を聞いた安達俊一さん、珠栄さんご夫妻が現在、所有するジェットは11台。
インスタで村尾さんを見つけて440を買いました。2021年のJJSAの銚子大会の併催で、ヴィンテージレースの「Out a Time」がありましたよね。
そのときに村尾さんから「安達さん、440でレースに出なさい!」って言われたんですよ、突然(笑)。出たら楽しくなっちゃって55を買ったんです。
村尾さんのチームに所属して3年目になりますが、550を“9台”も買ってます。でも、ウチは「夫婦2人で9台」だけど、チーム員の中には「1人で7台」も買っている猛者がいますからね。
安達さん夫妻は本当に仲良し!
2023 PWC ALL DOMESTIC MODEL・国内全モデルラインナップ
JAPAN INTERNATIONAL BOAT SHOW ジャパンインターナショナルボートショー2023、開催
日本国内では最大級となるマリンイベント『ジャパン・インターナショナルボートショー』は2023年で62回目を迎えた。
「あふれる笑顔 この海でずっと・・・・」をテーマに、リアル会場(パシフィコ横浜&横浜ベイサイドマリーナ&八景島マリーナ)とオンライン会場を組み合わせた「ハイブリッド・ボートショー」である。リアル会場では216社が、オンラインでは234社が出展した。
”チョット立ち読み” POWER BOAT MAGAGIN 「パワー ボート マガジン」 ただ今、まるごと1冊”無料公開中”!
海のF1 パワーボートの記事も、お楽しみ下さい。
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イメージUPに最高!「水上バイクで人命救助」を部活動として行っている山口県の「大島商船高等専門学校・ PWCレスキュー隊」が「MJCマリン賞」を受賞した。
2023年 ヤマハ Wave Runner(マリンジェット) ニューモデル国内全モデルラインナップ
2023年 BRP SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル国内全モデルラインナップ
2023年 カワサキ ジェットスキー ニューモデル国内全モデルラインナップ
危険走行で刑務所へ! 明石市長、水上バイク危険運転に「懲役刑」の方針! 全ては市民の命を守るために
「悪質で危険・愚かで悲しい!」「水上バイク問題」究極の「解決方法」とは?