2024年9月15日(日)、滋賀県蒲生郡竜王町の三井アウトレットパーク滋賀竜王臨時駐車場において、「Can-Am On-Roadオーナーズミーティング2024」が開催された。
当日は天候に恵まれ、170台を超えるCan-amと、228名の参加者が集まった。
Can-amは、前2輪、後1輪の特徴的な形をしたトライクで、オープンエアの乗り物でありながら「普通自動車免許(AT限定含む)」での運転が可能となっている。
本イベントの主旨について、
『「Can-Amを購入したオーナーとなり、心から嬉しい」「仲間と一緒に走りを楽しみたい」など、共有のものを愛する仲間との交流を持つこと。
そして、全国のオーナー同士の繋がりの場を提供することを 目的としている』と、
主催のBRPジャパンは語っている。
イベント内容は、オーナー全員で走る合同ツーリング、ランチ&トークショーである。
合同ツーリングは、170台のCan-Amが一列で会場から出ていく様子は圧巻であった。
ツーリング後のランチ&トークショーでは、モデル、ライター、YouTuberとして活躍する木村亜美さんと、モータージャーナリストREIさんの2名が登壇。
Can-Amのインフルエンサーである木村さんのリードによる、当意即妙で軽快なトークに参加者も笑顔で聞き入っていた。
今回、一番遠くから来たのは福島県からのオーナーだという。
また、参加したCan-Amオーナーの最年少は20歳、最高齢は86歳と、幅広い年齢層に愛されている乗り物であることが再認識できた。
これだけ多くのCan-Amが一堂に会する機会は、このイベント以外にはない。228名の参加者は、爽やかな秋の一日を楽しんだことだろう。
今回、イベント会場でカナダ・ケベック州 の プロモーションのために来場されていた ケベック州大使の「マチュー・デュモン氏」と 話をする機会をいただいた。
デュモン氏は39歳と若いながら、日本との橋渡し的な重要な役割を担っている。
政治的にも安定しているカナダの考え方は、日本とは違って非常に面白かった。
WJS 今回、カナダからのお客様と言うことでBRPジャパンより紹介を受けました。最初に、あなたのお名前とどういったお仕事をされているのか伺ってもよろしいですか?
デュモン マチュー・デュモン(Mathieu Dumont)です。カナダのケベック州政府在日事務所の経済部・部長をしています。
WJS 日本の役職に当てはまるとしたら、どういったお仕事ですか?
デュモン ケベック州政府の公務員で、経済担当部長です。日本の経済産業省の対日輸出促進の部になります。
WJS 今回は、「ケベック州の産業を盛り上げる」ということで来られたのですか?
デュモン そうです。
WJS BRPジャパン主催のCan-Amイベントにいらしたということは、ケベック州とBRP社は 親密な関係にあるのですか?
デュモン はい。BRP(Bombardier Recreational Products)とケベックは、大変深い繋がりがあります。
BRPはJoseph-Armand Bombardier(ジョセフ・アルマン・ボンバルディア)という方が1937年に最初にスノーモービル(雪上車)を造ったのが始まりです。
1942年にケベック州イースタン・タウンシップに「Bombardier Snowmobile Limited」を設立しました。
WJS 私も、取材でケベック州にあるBRP本社に行ったことがあります。自然が豊かで、とてもきれいな場所でした。
デュモン ありがとうございます。ちなみに、どの季節に行きましたか?
WJS 夏です。そのときに多くの社員が、Can-Amに乗って 通勤しているのを見ました。
デュモン 夏なら、3輪は乗り心地もいいですからね。多くの人が、Can-Amで通勤しています。
WJS カナダで Can-Amに乗っている人は多いのですか?
デュモン はい。日本と比べると、カナダの夏の期間は短いです。その短い夏の間、多くの人々が Can-Amに乗って エンジョイしています。
ちょっとした買い物、例えばアイスクリームを食べに行くときに Can-Amを活用したりもします。
ケベックに限らず、短い季節をできるだけ楽しめるように、他の州でも Can-Amに乗っている人はいますよ。
WJS Can-Amは、カナダでは一般的に受け入れられているのですか?
デュモン ケベックでも今、Can-Amのような乗り物は注目されていますし、若い人にもだんだん受け入れられるようになっています。今後はもっと伸びていくと思います。
WJS 本誌は、ヤフーニュースでも 多くの記事を配信しますが、日本では、Can-Amに限らず、ジェットに乗っているというだけで ネガティブなイメージで 見られることがあります。
こういう リッチな乗り物を 紹介すると、決まって ネガティブなコメントが 書かれるのですが、カナダでは どうですか?
デュモン それは、ジェラシーということですね!
ケベックでいえば、例えばジェットにしても、Can-Amにしても、誰もが 好きなものに乗ります。
「ジェラシーを持つ」という風潮はありません。
WJS 確かに、海外でジェットに乗っても「ナイス!」と言われることはあっても、日本のように嫌悪されたことはないです。
確かにジェラシーという感情から、「悪意のある 書き込み」が 数多くされていると思います。
しかし、コメントを書いている本人自身が、その感情に 気づいていない、もしくは 自覚すら していないような気がします 。
デュモン 人は人。自分も欲しかったら、お金を貯めて 買えばいいのです。
WJS デュモンさんは とてもお若いです。失礼ですが、おいくつですか?
デュモン 3日後に40歳になります(インタビュー時・9月15日)
WJS 日本の場合、デュモンさんのように 地位のある人は、ほとんどが年配です。若い方が第一線で働いているのは 羨ましいです。
デュモン ケベック政府には、もちろん年配の方もいます。
最近は、若い世代が海外に赴任しており、これは政府が海外のパートナーと長期的な関係を築くことに取り組んでいることを示しています。
そのため、若い世代が いろいろな分野で活躍しています。私も そのうちの一人です。
WJS カナダから見たら、日本はすごく閉鎖的なマーケットではないですか?
デュモン 正直なところ、日本は一部 閉鎖的なところもあります。
でも、徐々に変わりつつありますし、革新的で グローバルなマーケットを見ることもありますので、今後は もっと窓口を広げていくんじゃないかなと思います。
日本は、海外のいいところを取り入れるだけでなく、日本からも海外に出て、海外との新しいビジネスの構築をするというのも ひとつの方法です。
今は 日本企業も海外に出て活躍していると思いますので、昔と違って閉鎖的ではなく、オープンマインドで ビジネスを拡張していると、私は思います。
WJS デュモンさんから見て「もっと日本がこうなったら、もっと海外と上手くいく」というアドバイスはありますか?
デュモン 一度、日本の企業の方もカナダに来ていただいて、向こうの企業と面談をして、いろいろな情報交換をする。それが、第一歩ではないかなと思います。
WJS 日本人がもっと 海外とコミュニケーションすれば、新しいビジネスができるということですか?
デュモン おっしゃる通りです。日本にいないで、カナダの現地に行ってください。
観光で来る人は多いですが、1週間くらいの滞在ではなく長期で滞在してもらって、腰を据えて見てほしいと思っています。
WJS ケベックは、とてもキレイな場所なので、長期滞在しても楽しいでしょうね。
デュモン 日本とケベックには共通点が多いんじゃないかなって思っています。
両方とも海もありますし、山もあります。
アウトドアも 日本で活発になってきていますけれど、カナダでも活発です。
自然が豊かというところが、一番の共通点じゃないでしょうか。
私たちはオープンマインドですし、海外から来た人にも優しいと思います。
ぜひとも、一度、カナダに来てください。
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