毎年、夏になると、海や川での事故のニュースが連日のように報道されます。警察庁のデータによると、海難事故の発生件数は、毎年1,300~1,500件前後で推移しています。昨年(2019年)の水難事故は、発生件数 1,298件、水難者 1,538人となっています。
発生場所別に見てみると、海が56.6%、河川が25.6%で、海での事故が半分以上を占めています。
クルマやバイクなど、陸上でのトラブルなら、ロードサービスの「JAF」を呼べばいいでしょう。では、海で事故に遭った場合、誰に救助を求めればよいのでしょうか?
基本的に、海で遭難した場合は海上保安庁へ連絡をします。同庁では、24時間救助体制で海難の発生に備えています。ちなみに海上保安庁では、下記のような場合に連絡をしてほしいと明記されています。
次のような場合に通報してください。
・ 海難人身事故に遭遇した、または目撃した。
・ 油の排出等を発見した。
・ 不審船を発見した。
・ 密航・密輸事犯等の情報を得た。
・ 漂流・漂着木造船を発見した。
※海上保安庁HPより
さすがに、単なるガス欠で連絡するには少々気が引ける内容です。
基本的に、海上保安庁や日本水難救済会に救助や捜索をされた場合、費用はかかりません。ただし、日本水難救済会の「洋上救急制度(医師や看護師を現場へ派遣したり、治療を行う医師とケガ人を一緒に陸上の病院へ搬送したりする制度)」を利用した場合、費用負担が発生します。
一例として、医師と看護師の2人を派遣してもらった場合、費用は1日あたり22万円かかった人もいるそうです。
そんなときに心強い味方になってくれるのが、「海のJAF」とも呼ばれているボートサービスレスキュー「BAN(Boat Assistance Network)」です。プレジャーボートオーナーを対象に「自分の安全は自分で守ろう」をコンセプトに、日本海洋レジャー安全・振興協会が運営する官民一体となって設立された会員制プレジャーボート救助事業です。
入会対象者は、モーターボートやクルーザーヨットなどの小型プレジャーボートを所有する個人または法人です。
現在、東は房総半島の南端から、西は九州北部海域。豊後水道側は鶴御埼と高茂埼を結ぶ線まで広がりました。会員はこれらの全ての海域でサービスを受けることができます。
会員になると、24時間・365日の曳航無料サービスや、乗員が行方不明になったときの捜索、救助活動も無料で行ってくれます。
■24時間356日の曳航無料サービス
・愛艇が航行不能又は航行困難になった場合の曳航(トーイング)または伴走
・乗員が行方不明になった場合の捜索
・Uコール『緊急時位置通報システム』の利用(有料)
このサービスは、会員なら無料、非会員なら自己負担となりますが、陸上のJAFと同じように、誰でも利用することができます。
船の大きさによって異なりますが、プレジャーボートのオーナーなら、「入会金10,000円、年会費18,000円」です。つまり、月々1,500円で「海上の安心」が手に入るということです。途中退会も可能です(その場合の会費については要問合せ)。
これからの季節、海に出る機会も多くなることでしょう。入会を検討してもいいのではないでしょうか。
※現在、水上バイクの入会はできませんが、将来的にはレスキュー対象となるように、現在、協議中とのことです(2020年8月4日追記)
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