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プラグの交換 トラブル防止バイブル ジェットスキー(水上バイク)

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協力・監修:コンストラクター 藤江功一氏。

今回はプラグの交換の話です。「裏技満載」とか「トラブル防止」は、多くの事例を経験することから生まれます。ジェットスキーも、トラブルに見舞われた回数が多い人ほど、解決策や未然に防止する方法を知っています。今回は、「SX-R」のトラブル防止バイブルです。知っているつもりのことでも、隠れた裏技があるから、細部までしっかり読んでね。

プラグの交換 最も懸念すべき点は「プラグの固着」

トラブルの原因は、「グリスの種類」と「グリスアップの頻度」!?

グリスを塗ったはずなのに、プラグキャップが抜けず、無理に抜こうと力を入れたら根元からちぎれた……。外そうとしたらプラグが折れた、なんて話は良く聞きます。その根本的な原因は、主に、グリスアップの頻度です。1年に1度、ジェットスキーショップでメンテナンスしてもらっていれば、外れないなんてことは、まずありません。自分でグリスアップやっていて外れない人は、グリスに原因があるのかも?

プラグまわりの防水対策は、万全にしておきたいものです。プラグキャップの隙間から水が浸入したら、プラグが錆びて外れなくなる場合があります。プラグのネジ部分にも、高品質のグリスを塗りましょう。至急、対処すべし事案です。 なぜなら、プラグの固着は、実は、結構大変なトラブルなのです。

もし、「プラグが外れない」と感じたら、シーズンが終わってから、折れるのを覚悟で緩めてみましょう。約80%は折れ、残りの20%は緩むそうです。なぜ、プラグが折れると大ごとになるかというと、「わざわざエンジンを降ろして、ヘッドを外しての作業」になるからです。さらに症状が酷い場合、ジェットショップでは治らず、内燃機を扱う店でネジ穴を製作してもらうことになります。

プラグキャップを外す。手では抜けないので、プラグレンチを使う。

折ったり、引きちぎらないように、慎重に外す。

前回、グリスアップしてから1年以内なので、簡単に外れる。4個ともプラグキャップを外す。

プラグキャップを外した後、プラグホールの内側部分を触ったら、古いグリスが残っていた。

古いグリスを放置すると、水分が入りやすくなる。ウエスなどで、ていねいに拭き取る。

プラグを外していく。「これは、外れない?」と感じたら、無理に外さず、シーズン中は取りあえず放置する。シーズン終了後、折れる覚悟でチャレンジする。なぜ、すぐにプラグを外してみないかというと、折れると大変な修理になるからだ。

プラグレンチを使い、ていねいに、慎重に回してプラグを外す。

現状のエンジンの状態を知るために、プラグを確認する。

電極まわりの燃焼状態をチェックすることで、エンジンの状態が分かるのだ。

プラグは消耗品。もったいないと思わず、まめに交換する。

新しく取り付ける、新品のプラグのネジ部にグリスを塗る。藤江氏は、二酸化モリブデングリース「コパスリップ」を推奨している。

「コパスリップ」は、銅の含有量が90%以上のグリス。耐水性があり、色はゴールド。電気が通るので、プラグのパワーを減らさない。「プラグの固着の原因は、粗悪なグリスによるものが多い」と藤江氏は言う。マリン専用グリスでも、使えないものもあるそうだ。

プラグが外れなかったり、折れてトラブルになる前に、グリスの塗布を絶対忘れずに。

プラグのネジ穴に、グリスを塗り込む。

こんな感じに塗り込めばOK。

4個のプラグ全部に、同じ作業を施す。その後、グリスを塗ったプラグを装着する。

締め付けトルクは10Nm。締め込むときの強さは規定値を守る。20Nmぐらいで締めこんでいる人もいるというが、そんなに締め付けたら、正常な状態でも外れない。ドキドキだ。

シリコングリスを用意する。藤江氏のオススメはThree Bond製「シリコーングリース」。

プラグキャップに、ぐるっとグリスを塗る。

ここで、絶対に手を抜かない。

プラグホールの内側にもグリスを塗る。これにより、水分が入るのを防ぐ。

しつこいようだが、手を抜かないでキチンと塗る。

全てのプラグキャップに、同じようにシリコングリスを塗る。

「グリス」こそ、こだわるべきポイントなのだ。粗悪品を塗布したら、効果がないどころか作業の邪魔になるだけ。「耐水性がない」「プラグが固着する」といった原因は、グリスの質が悪いことが多い。

4つのプラグ、全てにグリスを塗り終わったら、元通りに差し込む。

試しに、プラグキャップを手で引き抜いてみる。

スポッと簡単に外れた。防水性も上がって、外すのも楽。この状態でいることが重要なのだ。

【補足説明】絶縁ガラスを点検する

電極のまわりの絶縁ガラスを見ると燃焼状態が分かる。エンジンが正常なら、絶縁ガラスはキレイな薄褐色になっている。これが白くなりすぎたり、金属製の灰色の付着物がある場合は、燃焼室の温度が高すぎである。また、乾いたススのような黒い推積物があるときは、燃料と空気の混合が濃すぎることを示している。いずれにせよ、こういった症状がみられたら、ショップで点検を受けることをオススメする。

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