トレーラーにエンジンは付いていませんが、公道を走るため「車」としての扱いとなります。当然、ナンバープレートも必要となります。自動車事故に備えた自動車損害賠償任意保険(自賠責保険)の加入も義務付けられています。
自動車はエンジン排気量によって軽自動車や普通自動車などの種類に分かれますが、エンジンのないトレーラーの場合、どのように区分されるのでしょうか? 答えは、「積載する荷物の総重量」「牽引時の全長、幅、高さ」で決まります。登録区分は下記の通りです。
普通自動車登録 (白ナンバー) |
小型自動車登録 (白ナンバー) |
軽自動車登録 (黄色ナンバー) |
|
---|---|---|---|
牽引全長 | 12.0m以下 | 4.7m以下 | 3.4m以下 |
全幅 | 2.5m以下 | 1.7m以下 | 1.48m以下 |
全高 | 3.8m以下 | 2.0m以下 | 2.0m以下 |
最大積載量 | トレーラー本体の規定最大積載量 | トレーラー本体の規定最大積載量 | 350kg |
車検期間 | 初年度2年、以降は1年ごと | 初年度2年、以降は1年ごと | 2年ごと |
管轄 | 地方陸運局 | 地方陸運局 | 軽自動車検査協会 |
車庫証明 | 必要 | 必要 | 人口30万人以上の自治体のみ必要 |
普通ナンバー 小型ナンバー |
・印鑑証明書(発行日より3ヶ月以内のもの) ・車庫証明書 ・実印(登録を代行してもらう場合は委任状) |
---|---|
軽ナンバー | ・住民票 ・認印 |
普通ナンバー 小型ナンバー |
・初回登録時は2年。それ以降は1年ごと |
---|---|
軽ナンバー | ・2年ごと |
車検費用は基本的には、軽トレーラーのほうが安いです。これは自賠責保険や重量税など、法定費用が安いからであり、トレーラーが大きいほど、車検費用は高くなります。
ナンバーの区分によって違います。
軽ナンバートレーラーは「軽自動車検査協会」、小型ナンバーと普通トレーラーは「陸運支局」で検査を受けます。
車検を受ける方法は大きく2つに分けられます。
「業者に依頼する」方法と、「ユーザー車検を受ける」方法です。
[1] 業者に依頼する場合:車検に行く時間がなかったり、やり方が分からない場合は、車検を代行している業者に頼む方法があります。業者によって費用は異なりますが、費用は5万円~はかかります。この費用には、代行手数料だけではなく、点検や整備の代金も含まれますし、どれだけメンテナンスが必要かによって金額が変わってきます。
[2] ユーザー車検を受ける場合:小型ナンバーと普通ナンバーは、陸運局までトレーラーを持っていき、車検を受けます。軽ナンバートレーラーは、「軽自動車協会」へ行きます。
検査の立ち合いや、各種書類手続きなどやることは多いですが、その分、費用は安くすみます。トレーラーの大きさによって若干変わりますが、おおむね13,000円くらいです。
トレーラーには、「軽ナンバー」「小型ナンバー」「普通ナンバー」の3種類があることは説明したとおりです。では、そのなかでどれを選べばいいのでしょうか? ものすごく大雑把に分けると、トレーラーに積む積載物が「350kg以下」なら軽ナンバー、「350kg以上」なら普通ナンバーか小型ナンバーになります。本当は、もっと細かく分かれるのですが、最初の取っ掛りは「自分のジェットスキーが350kg」を超えているかどうかです。
ジェットスキー本体
ガソリン
オイル
バッテリーなど
例えば、ヤマハのフラッグシップMJ-FX Cruiser SVHOは、本体の乾燥重量は372kgです。この時点で、軽ナンバートレーラーの選択肢は消え、小型ナンバーか普通ナンバーのどちらかになります。
ヤマハMJ-EXRの場合、本体の乾燥重量は245kgです。ここにガソリン50リットル(約35kg)、オイル3.7リットル(約3kg)にバッテリー(仮に7kgとする)を含めると合計290kgなので、軽ナンバートレーラーでOKです。
「最大積載量」は、安全に車を運転するために決められています。ジェットスキーのトレーラーの場合、軽ナンバートレーラーに大型ランナバウトを積むと、レール幅と船底の形が合わないことが多い。そのため、どうしても重心が高くなってしまい、横転の可能性が高くなります。
メーカーが想定する以上の負荷が常にかかっているので、ボルド留めしてあるネジが緩んだり、ヒッチメンバーやシャーシといった牽引車側にトラブルが出ることがあります。
もし、軽ナンバートレーラーで最大積載重量を超えるジェットスキーを積んで事故を起こした場合は、保険が下りないことあるので注意しましょう。
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