ジェットランチャーを一言でいえば、ジェットを載せて運ぶ台車である。ジェットランチャーがあれば、トレーラーが入れない砂浜やビーチなどでもジェットの上下架が可能になるのだ。
以前、カワサキの2ストロークスタンドアップ「800SX-R」を購入したときも、同時にジェットランチャーを入手している。これがないと、スタンドアップの運搬が非常に困難だということを知っているからだ。
そして今回、カワサキの4ストロークスタンドアップ「SX-R」を購入した。このモデルは、他の2ストロークスタンドアップ800SX-Rやスーパージェットよりも大きくて重い。幅も全長も長いので、今まで使っていた800SX-R用を流用するのではなく、SX-R専用のジェットランチャーを新調することにした。どんなものでもそうだが、「専用」に作られたモデルは、使用時の快適さが全く違う。
今回、SX-R専用のジェットランチャーを購入するにあたり、開発したファクトリーゼロ社の今泉祐輔氏にジェットランチャーについて疑問に思っていることを聞いてみた。
今泉 最初、カワサキSX-Rを見たときに、その大きさと重さに驚きました。「これは、1人では運べる重さではない。複数人だな」って思ったんですよ。ジェットスキー(以下、ジェット)は1人乗りだけど、2人でも運べるようにしておいたほうが良いと思ったからです。
今泉 従来のランチャーの持ち手は、U字形で1人で引っ張るようになっているのですが、取っ手部分をバーグリップ形状にしました。そのほうが、2人~複数で運びやすいですからです。
今泉 4輪は2輪に比べてハンドルを持ち上げてバランスをとることなく押す力だけで直進走行します。特に砂浜等 不整地のところでは4輪の良さを感じることができます。方向転換のときは、2輪と同じ要領でハンドル側のタイヤを浮かして運びます。
今泉 載せることはできますが、フレーム強度が弱いため各部の早期劣化が起こります。また積載位置を注意しないと、持ち上げた際にジェットのフロントが地面に付いてしまいます。
800 SX-R用は船体の長さに合わせているので、レールの長さが短いから、SX-Rを載せると前後のバランスがとれない。もちろん運べないことはないけど、SX-R専用のように軽くは感じません。
今泉 4輪あるうちの、後ろ側の大きなタイヤの上に重心が来るのが一番良いです。そこが一番、安定して軽く動かせます。
今泉 このロープは、ヨットとか登山で使っているものと同じなのでとても丈夫です。破断の計算上でも、強度的に全く問題ありません。でも、ロープがほつれていたり、ほどけているのをそのまま使っていたら、ダメですよ。ロープが少しで破損していたら、ちゃんと交換しないとダメです。
今泉 アルミ素材で、必要最小限の肉厚で作っているからです。頑丈に作るのって実は簡単で、アメリカ製でぜいたくにアルミを使っている製品がありますが、丈夫だけどものすごく重い。だから、やみくもに頑丈に作れば良いってものでもないんです。使い勝手や素材を煮詰めて、「楽に、楽に」って考えるのは、日本人やドイツ人なんかが得意ですよね。
今泉 ファクトリーゼロの製品は、タイヤ1個からでも、小さいビス1本でも購入することができます。それがウリでもあります。全て自社で製作、調達しているので、それが可能です。
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