今回、ジェット一流ブランド「クエーキーセンス」がデザインした『RXT-X 300』の撮影を行った。
感想は、「さすが!」である。絵柄は左右非対称で、片側にはニューヨークの高層ビル群や自由の女神が描かれている。もう片側は、同社のロゴがデザインされている。ジェットのグラフィックとして、過去にこのようなものを見たことがない。ハイセンスなプロの仕事だった。
実は、ジェットに描かれる前に、図面によるサンプルデザイン画を見せてもらっていた。そのときは、あまりの奇抜さに「???」という感想を抱いていた。
今まで見たことがある「ジェットのデザイン」から、あまりにもかけ離れていたため、それが「いいのか、悪いのか」判断がつかなかったのだ。
しかし、完成したジェットは、見れば見るほど格好いい。見る回数が増えるほど、”カッコ良さ”が増すのが不思議だった。25年以上、ジェットの撮影をしてきたが、こんな感想は初めてだ。
「強烈なデザイン」ほど、すぐ見飽きるものだが、これほど斬新なのに、なぜか見飽きることがない。
写真を撮るほど、素敵さは増す。
さすが「プロフェッショナルなデザイン集団」だと、感心させられた。
ウェットスーツやアパレル商品を取っても、クエーキーセンスのデザインは、他のどのブランドとも似ていない。
そして、このオリジナルデカールを施したジェットも、「こんなデザイン、他にない」。
このクエーキーセンスデザインのジェットを撮影しながら、本気で驚き、「プロの仕事」に恐怖すら覚えた出来事がある。それは、ジェットの撮影中に、たまたま同ブランドの新作アパレルが届いたときのことだ。
「せっかくなので、一緒に撮影しましょう」と、新しいウェットスーツを着用してもらい、ジェットの横に立ってもらったのだ。
過去に、これほどジェットとウェットスーツが「互いに引き立て合う」のを、見たことがなかった。
今までいろいろと撮影してきたが、基本的にジェットはメーカーが作ったノーマルデカールで、ウェットスーツは各アパレルメーカーが、それぞれのコンセプトでデザインしたものである。だから、どちらかが格好良くなるというものでもなかった。
それが今回、アパレルメーカーがジェットのデザインをしたことで、「トータルコーディネート」されたのだ。それが、ここまで新鮮で、格好よくなるとは思わなかった。
これが「プロのデザインなのだ」であり、「プロフェッショナルな仕事」だと感じたのだ。
今年の夏、社会問題化した「悪質水上バイク問題」。その本質は、ジェットに乗る人すべてが「軽薄な人間」というレッテルを貼られたことだ。
侵入禁止の海水浴場にやって来ては、ヘラヘラと物欲しげな顔をして入っていく。注意されたら、オラオラとすごむ。こんな輩が実在するせいだ。
そのせいで、数多くの“善良な”水上バイク愛好家が、そのイメージで見られることになってしまった。とても迷惑な話だ。
例えば、何千万円もするスーパーカーが走っていたら、それだけで「格好いい」と思うだろう。問題は「クルマが停止して、人が降りてきたとき」だ。
“なるほど”と思う人が降りてきたら、感想は“まあ、そうだろうな”と思う。
それが、降りてきたのが「なんじゃこりゃ」という人だったら、「幻滅」される。さらに、その恐ろしく「残念な格好の人」が、「オレの隣の席に座りなよ」とナンパをし始めたら、ナンパされた方も、それを見ていたまわりの人の両方から“うんざり”される。
この夏の「ジェット乗りのイメージ」は、まさしく「後者」。「裸で威嚇」には、皆 “うんざり”だ。
普通にしていれば、「ジェットはカッコ良い」乗り物だ。よほど、「ありゃりゃ……」という姿でなければ、「好意」を持たれる存在のはずである。
まあ、それなりの雰囲気の人は、最初から、超目立つスーパーカーでナンパなどしないものだけど……。ジェット乗りも同じだ。わざわざナンパなんてしなくても、十分に存在が格好いいのだから。
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