今、人気の「愛犬とSUPボード」正しい遊び方を覚えて安全にドッグサップを楽しんで欲しいものです。今回は日本ドッグサップ協会の代表理事の君島つぎみ氏に、「犬と一緒にSUPボードを楽しむ」際の注意点を教えて頂きました。
WJS 犬とSUPボードに乗る場合、気を付けることはありますか?
君島 水辺に来てワンちゃんの反応は二通りに分かれます。大型犬に多いですが「大はしゃぎ」の興奮状態になるか、怖がって「萎縮」し、飼い主の側から離れないタイプです。
WJS 恐がる犬は、SUPボードに向いていない、「大はしゃぎ」の犬は向いているということですか?
君島 違います。怖がって「萎縮」している犬には、常に体に触れている状態で、安心させながら徐々に水に慣れさせていくという配慮が必要です。ワンちゃんは生き物ですから、相手の心境に寄り添いながら進めていくことが重要なのです。
逆に、水を怖がらずに興奮状態のワンちゃんには、最初に泳がせたりしてある程度体力を使わせ、「自由に動き回りたい」という欲望を発散させてから、SUPボードに乗せて上げるようにしましょう。
泳げない犬だけでなく、泳げる犬にもライフジャケットは必要です。
犬は“泳げる”と思っている飼い主さんもいると思いますが、人間と同じく、泳ぎが苦手な犬もいます。また、泳ぐことが大好きで得意な犬ほど、ついつい長時間泳いでしまいます。しかし人と同じで、ずっと泳いでいると疲れてきて、足の動きは悪くなってきます。
最近のアウトドアブームで増えているのが、愛犬と一緒にSUPボード乗る「ドッグサップ」。水辺で遊ばせる程度なら良いですが、脚が届かない場所で泳がせるときは、犬が疲労しても安心なようにライフジャケットを着用しましょう。
「ドッグサップ」の場合、ライフジャケットに最も要求される機能は、水中から安全に「引っ張り上げやすい」ことです。水に落ちた犬をSUPボードに乗せるためには「ライフジャケット着用」が必須条件になります。
SUPボードに乗った状態で、ライフジャケット無着用の犬を、水から“引き上げる”ことは不可能です。だから、丈夫で安全に引き上げられるタイプの「ライフジャケット着用」が、犬の命に係わる最重要アイテムとも言えるのです。
例えばライフジャケットを着用しないで、首輪とリードだけを装着した犬が落水した場合、引っ張ると首吊り状態になってしまいます。犬の安全を考えると、リードも首ではなく「ライフジャケット本体」に装着する必要があります。
人向けに作られたライフジャケットには、「水中で浮き上がる力が7.5kg以上ある」「水面に顔を出すことができそれを維持することが出来る」など、厳格な浮力基準が決められています。
しかし、犬用のライフジャケットには全くと言っていいほど浮力が表記されていません。それは、犬用のライフジャケットは「犬の泳ぎを補助すること」が主な目的だからです。そのため、「犬に意識がある状態で使用する」ことを前提に作られています。
愛犬のライフジャケット選びで最も重要なのは、犬の特性を理解して作られた商品かどうかという部分に尽きます。犬の安全という部分よりも、ファッション的な要素が強く、飼い主の満足感のために作られている製品も多いので注意が必要です。
その重要な要素にサイズがあります。
大きめのサイズで「首まわり」に余裕がある場合が最も危険です。首まわりがゆるいと、泳いでいる最中に「前脚がライフジャケットと体の間に挟まって」しまい、溺れて危険な状態になることが多い。
だから、首まわりの部分は、前脚が通らないほどピッタリしたサイズのモノを選ぶ必要があるのです。「楽そうだから」と、大きめのライフジャケットを選んでしまうと、大事故につながるのでサイズ選びは最重要課題の一つです。
だから、犬の特性を理解して作っているメーカーの商品は「サイズ」が豊富です。
これからのシーズン、海や川、湖に行く機会が増えます。犬用ライフジャケットはいろいろな種類のものが市販されていますが、水辺で一緒に遊ぶなら、アクティビティに対応できるように開発されたライフジャケットを選びましょう。
選ぶポイントは「飼い主が水から掴み上げやすい」こと。「これに尽きます」。犬には自然に備わった浮力があります。基本的に水に沈みません。ですので浮力を要求することよりも、飼い主が犬を扱う場合の利便性が最重要なポイントです。
SUPボードに、犬はひとりで上がって来られません。水深がある場所だと、ボードに前脚をかけることはできても人間のように体を持ち上げて上がれないです。そのため、飼い主が背中の持ち手を持ってボードに引き上げることになりますが、このとき、いかに愛犬に負担をかけないかが問題です。
“飼い主”も“犬”も、水辺は非日常です。緊急時に「どの部分を持ち上げる」とか「優しく抱き上げる」などと言ってる場合ではありません。不本意でも、多少強引に愛犬を「引っ張り上げたり」「リードを引いたり」しなければならないケースは起きるのです。
そんなときに「犬用ライフジャケットの性能」の違いで、愛犬の安全性が全く変わります。
リードを首に付けていると危険。
ライフジャケット本体にDリングがある製品だと「引っ張り上げて」も安心。
犬は基本的に犬用ライフジャケットを嫌がります。ただでさえ全身が毛で覆われているうえに、暑い夏。ライフジャケットを装着すると、熱中症になりやすいのです。 背中の一部だけに浮力部分があるタイプや、ファッション優先のモノなど、「腹部を保護していないタイプ」は犬が「涼しいからと選びがち」ですが、実は要注意です。
ワンちゃんがライフジャケットで熱中症になりかけたら、人間と同じく、水に入れてあげれば大丈夫です。
腹部にあて布があるタイプは、あて布がある分、引っ張り上げたときに圧力が分散され、犬の体に負担がかかりにくくなっています。ベルトタイプだと一部に力が集中してしまうので、選ぶなら力を分散できる「あて布」があるものです。
背中に浮力部分があって、腹部を紐だけで留めているライフジャケットなどは、暑さ対策としては良いかもしれませんが、持ち上げるという行為に関しては危険ですし、あまり意味がありません。
リードを付ける場合も、首ではなく背中の持ち手の近くにDリングがあるほうが、引っ張ったときの負担が少ないです。
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