「フリースタイルの楽しさは何ですか?」。「フリースタイルに人生を懸けている」ような、フリースタイラーたちに問いかけた。正直な答えの中に、それぞれの考え方が明確に表れていた。
ジェットスキーには、これほどまでに人生を変える力があります。魅力に満ち溢れた、フリースタイラーの「生の考え」をお楽しみください。
WJS 大前選手にとって、「フリースタイルの楽しさ」とは何ですか?
大前 ギャラリーを沸かせたときです。
WJS フリースタイルは楽しいですか?
大前 若いときからフリースタイルに興味をもって始めて、今、とても楽しいです。
WJS 現在、おいくつですか?
大前 21歳です。フリースタイルは、16歳から始めました。
WJS 同じチームに、良き先輩であり、大きな壁でもある、濱中直也選手がいます。予定としては、いつごろ濱中選手を追い越す予定ですか?
大前 近いうちに、やっつけたいです!
WJS 大前選手は、見るたびに演技が上手くなっています。今、1番の目標は何でしょうか?
大前 大会での目標なら、「濱中選手に勝つこと」。あとは、一般的にジェットスキーのイメージがあまり良くないので、それを変えていきたいですね。イメージが良くなって、ジェットスキー全体が盛り上がるように貢献したいです。
WJS 濱中直也選手、大前真樹選手を擁する「 Team Lore(チーム・ロアー)」の皆さんに、「フリースタイルの楽しさ」とは何かを、お伺いしたいのですが? 最初に、水杉さん、お願いします。
水杉 この体でも、「飛べる」ことです。
WJS 失礼ですが、今、体重は何kgですか?
水杉 約100㎏です。
WJS 確かに、迫力は他の選手を圧倒しています。演技をしたときの着水時の音と、はじけ飛ぶ波しぶきは見事だと思います。大前さんはいかがですか?
大前 フリースタイルの楽しさは「目立つこと」ですね。
WJS ご子息の真樹選手に、フリースタイルを勧めたのは、お父様である真一さんですか?
大前 そうです。でも、そういう環境を整えたのは僕ですが、最終的に「やりたい」って本人の口から言われました。こうやって、皆でアットホームにやれることも、フリースタイルの大きな魅力だと思っています。
WJS 井出さんはいかがですか?
井手 正直、マシンを造るのは苦しい。負けたときの(濱中)直也の顔を見るのは、正直、辛いですね。エンジンは、セッティングによってまだまだ進化できる。1,200ccという排気量のパワーは、もっとすごいはずですから。
WJS それは、バイクなどと比べてですか?
井手 はい。フリースタイルの歴史は「排気量の大きいエンジンに積み換える」ことで、進化してきました。「完成」という意味においては、まだまだできると思っています。でも、大排気量のエンジンが走るのは当たり前。だから、小さな750ccエンジンでマシンを造ることから始めたいと考えています。それで完成すれば、排気量の大きなエンジンも改良できると思っています。
WJS 2ストロークエンジンは、もう改良し尽くされたと思っていたのですが、違うのですね?
井手 フリースタイルにおいては、全然です。ボアとストーロークを上げるだけでドンドンきた。250ccのバイクでも、すごく速いじゃないですか。だから、フリースタイル艇も、もっとできると思います。
WJS フリースタイル艇は、まだまだ変わりますね。
井手 そうですね。排気量が小さくなればマシンの金額は安くなる。金額が下がれば、もっと人口は増えるはずです。昔のフリースタイル大会は、エントリー数が20~30台いるのは当たり前でした。マシン代が安くなれば、もう1度、あの頃のような光景が見られるかもしれませんし、そうなれるように努力したいです。特に、下のクラスの人が乗れるマシンを安く造ることができれば、底辺が広がると思います。
WJS 極論になりますが、それは排気量の小さなエンジンで、今のビッグパワーのエンジン搭載マシンのようなトリックができるということですか?
井手 僕はできると思っているし、それを目指しています。ご質問の「フリースタイルの楽しさ」は、僕は「マシンの進化が見込めること」だと思います。
WJS またエントリー数が増えたら、とてもいいですよね。最後に、喜多さんにとって「フリースタイルの楽しさ」とは何ですか?
喜多 フリースタイルの楽しさは、「仲間との絆」です。
WJS 「Team Lore(ロアー)」の皆さんは、チームワークがとてもいいですよね。
喜多 はい。だけど、その分、苦労は倍増です。それと、他のチームとは違うマシンで、違う内容で勝ちたいです。
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