以前、本ウェブで、『ブランドごとに配合成分が違うはずの「ハイオクガソリン」。実は中身は一緒!?』という記事を掲載した。この問題は、一部の地方のことだけかと思っている人もいるだろうが、実はそうではなかった。
7月17日付の毎日新聞の記事で、石油連盟の会長が定例記者会見の場で、「各社のハイオクの品質はほぼ同じ」と認めたという。
各社のオリジナルブランドだと思われていたハイオクガソリンが、実はタンクを共同利用していた混合ガソリンだったと6月27日付の毎日新聞にリークされた。この記事による社会的な衝撃の大きさから、その後、各社ともにオリジナルブランドに是正されたのではないかと考えていた人は多いと思う。「これで、キチンとしたハイオクガソリンが買える」と。かくいう私もその1人だった。
しかし、その考えとは真逆の、さらに追い打ちをかけるような衝撃的な事実が明らかとなった。石油元売り各社が、自社の製油所やタンクのない地域では、何年も前から、他社製品を買い取って「自社ブランド」として販売していたという事実だ。この話からも理解できるように、オリジナルブランドなどはなかったのだ。会長の説明によると、元売り各社が、合併に合併を重ね、効率化を求められた結果よって、このような、ガソリンの流通体制が確立されたという理由であった。
これに対して、ガソリンブランドを信じて販売を続けてきたスタンド経営者や消費者から、当然だが「裏切り行為である」と批判の声が上がった。
その批判に対して会長は、「バーターであろうが、自社の商品規格に合ったものを管理・保証している。決して裏切りにはならない」「ハイオクに限らず、レギュラーなども含めて全ての製品でバーター取引をしている。それを消費者にお知らせしていなかった。必要があれば、ちゃんと開示していきたい」と話した。
消費者をバカにしているとしか思えないような話である。彼らが、必要がないと判断すれば、これからも「何も」説明してはもらえないというコトなのだ。「説明責任」などという問題ではない。新聞で報道された今でも、このような「認識」でいる、その考えこそが、一番の問題なのだと思う。
前回同様に、ビールで例える。今回の話は「スーパードライ」と「一番搾り」と「ヱビスビール」が同じ貯蔵タンクに保管されていた。その混ざり合ったビールを、各ブランドのラベルを貼って、それぞれのブランドとして販売しているのと同じ。それを、業界のトップがビールとしての成分基準を満たしているので「品質には問題がない」と言っているだ。
そして、貯蔵タンクがない地域では、バーター取引。他社製品を買い取って「自社ブランド」として販売していたという事実も判明した。
ビールでコレをやったら、もっと大騒ぎになるであろう。「スーパードライ」の中身を買ってきて、「一番搾り」と言って売っていたのだから。そしてその理由を、「合併に合併を重ね、効率化を求められた結果」と説明したのである。
アサヒとキリンとエビスが合併や統合を繰り返し行って、効率化を求められたとしても、「一番搾り」が好きな人が「スーパードライ」を飲まされたら怒るのは当たり前だ。
今回の「石油連盟会長」の会見を読んで確信した。
「ハイオクガソリンの品質は同じ」だから、我々消費者は「安い店で買う」のが正解である。商品が同じということが、確実になったので高いガソリンを買う理由がなくなったのだ。
※分かりやすい例えとして「ビール」を持ち出したが、「ビールの中身が同じ」という事実は一切ないので、誤解のないようにお願いします。
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