良いヘルメットといえば、一流ブランドの品物だと考えました。理由は、「日本人の私の頭にフィットするから」です。安全性に関しても、自動車レースの最高峰「F1ドライバー」が被っているようなブランドを選べば間違いありません。
過去に私は、金額的に安いので、海外ブランドの製品を購入したことがあります。しかし、私の頭部にジャストフィットするヘルメットがありませんでした。大きめのものを購入して不快な思いをしたり、小さなものを購入し、頬の部分のパッドを取り外して使用したことあります。だから、安全性には程遠く、「とりあえずヘルメットを被っています」的な使い方をしていました。
ある日、プロレーサーの撮影で、国内一流ブランドのヘルメットメーカーに取材に行く機会があり、愕然としました。頭にも顔にも、ジャストフィットし、軽くて、私がヘルメットに対して感じていたネガティブな要素が全くありませんでした。しかも、抜群の安全性が保証されており、「F1レーサーも使用している」という話でした。
今回、レーサーではなく、私自身が購入し、インプレッションしたいと思います。
国内のヘルメットメーカーといえば、「ARAI(アライ)」と「SHOEI(ショウエイ)」が2大勢力です。日本だけでなく、世界的なトップブランドであることは間違いありません。ヘルメットを買うとき、どちらのメーカーを買うか悩みました。
悩んだ理由は、「どちらのメーカーのものを選んでも間違いはない」からです。そこでまず、アライとショウエイの違いを調べました。
一般的な意見として、同じサイズ表記の場合、「アライのほうが小さい」といわれています。同じLサイズでも、アライがピッタリな人だと、ショウエイは少し大きく感じます。ショウエイのほうが、チークパットがきつめで、頬でしっかり押さえる印象に対して、アライは全体的にふんわり包み込む感じです。あくまで、編集部が調べた結果なので、製品差や個人差はありますが……。
「アライ」と「ショウエイ」の最も違う点は、「ヘルメットに対する考え方」です。
「アライ」は、1902年、東京の京橋で帽子店からスタートしました。最初にヘルメットを作った「日本を代表する超老舗メーカー」です。バイク以外にも、4輪用、警察用、競輪用、競馬用、作業用保護帽など、幅広く手がけており、国内のシェア率は50%以上といわれています。
「アライ」ヘルメットの担当者曰く「間違いなく、アライヘルメットは世界で一番、人間の頭を守れるヘルメットです」というほど、事故の際、ライダーの安全面が最優先された設計となっています。
「ショウエイ」は、1954年にポリエステル加工メーカーとして創業。1960年にヘルメットの生産を開始しました。世界的シェア率は50%以上ともいわれ、世界ではアライより多いようです。
「ショウエイ」は、「事故を起こさないように何ができるのか」を考えています。ベンチレーション性能が非常に高く、ヘルメット内部が蒸れにくかったり、軽い製品も多い。快適に使えることで、ライダーを疲労させずに事故を防ごうということなのでしょう。
考え方の違いを調べたうえで、「事故を起こさないように何ができるのか」を考えているショウエイではなく、事故が起きたときに「世界で一番、人間の頭を守れるヘルメット」というアライを購入することに決めました。「転びたくもないし、ケガもしたくない」と思って乗っているので、事故が起きた際の安全性が最優先と考えたからです。
「良いヘルメットを買おう」と心に決めた私は、「アライ」ヘルメットに電話をかけていました。そして、「金額が高くても、良いヘルメットを買いたい。それは、アライヘルメットだと思っている」と。そして、「今まで御社のヘルメットを被ったことがないのに、なぜか分からないが、私はアライヘルメットが最高だと思っている。その理由がどこにあるのかも教えてほしい」と、とても勝手なことを電話口で言ったのです。
後日、日を改めてアライヘルメットの本社へ行った私は、ヘルメットに関する全ての疑問が解決しました。今回、私がアライヘルメットで学んだ「良いヘルメットとは何か」を伝えたいと思います。
私が今まで買ったヘルメットは、S、M、Lといった、おおまかなサイズ表示のなかから選んでいました。しかし、アライヘルメットは、帽子と同じように「cm」単位でサイズが変わってきます。
アライヘルメット本社のショールールで、私の頭部で最も直径が大きな位置を測ってもらうと、56 cmでした。なので、単純に56 cmのヘルメットを選べばいいかと思っていたら、そうではありませんでした。
ヘルメットには、内側にインナー(内装)と呼ばれるパッドが入っています。簡単にいうと、ヘルメットと頭の間でクッションの役割をして、グラグラしないように頭をホールドしてくれるものです。このパッドが、頭の大きさや形に合わせて何種類も用意されています。同じように、サイドのインナーも何種類もあります。私の頭や顎の形に合わせて、最適なインナーを組み合わせてくれます。
センチ単位で頭の大きさに合わせるだけでも各段にフィット感が違うのに、さらに自分の頭や顔の形に合ったインナーを入れてくれるのです。既製品のヘルメットでありながら、「完全オーダーメイド」です。このとき、「ほんのちょっぴりタイト」と感じるくらいで合わせるのが最良だと教えてもらいました。
同社の直営店なら、私がやっていただいたのと同じフィッティングサービスが受けられます。しかも、新品購入時に限り、追加料金など一切かからずに、自分の頭にジャストフィットしたインナーを入れてもらえます。
アライの国内製品が「cm」表示をしている理由は、「S、M、L表記だと、洋服感覚で、“ちょっとダボっとしているほうが好き”とか、“ピチッとしているほうが好き”で買う人がいるから」だそうです。それでは安全面でよくないので、cm表示にしているのです。
ヘルメット選びは、どちらかといえば、靴のサイズに近いところがあるといいます。靴も、自分の足に合ったサイズを選ばないと、歩くときに支障が出ますし、長い時間使っていると痛みが出ます。
今まで私は、海外製のヘルメットを使っていました。しかし、欧米人と日本人では根本的に骨格が違います。欧米人の頭の骨は、「横が狭くて前後が長い」。だから、欧米向けに発売されているヘルメットを日本人が被ると、横が非常にタイトで、前後が余裕ができてしまいます。それを長い間被っていると、圧迫感があるのです。そういえば昔、被っているうちにアゴが痛くなり、両サイドのインナーを外して使っていたものもあります。今から考えれば、安全性も何もあったもんじゃないです……。
また、ヘルメットのモデルごとにサイズがちょっと違います。使用用途によっても、フィッティングが変わってきます。
レースを想定して使われる方が多いタイプのヘルメットは、通常のツーリング系のモデルよりちょっとしっかりしています。ツーリングや街中を走行するときのヘルメットは、部分的にちょっとゆったりめのフィッティングが合います。センチだけで合わせて買うのではなく、可能なら試着してみましょう。自分の頭にピッタリとフィットしたヘルメットを被るたび、ものすごく「守られている」という感覚が、快適さとともに感じられるのです。
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