

このヘルメットはナガイデザインの長井崇氏が手がけた作品である。長井氏曰く、「最も時間がかかった」という。このデザインにした理由を、「今、流行りのメッキで仕上げたかった」と語る。
単なるメッキだとつまらないので、全体に「刻印ペイント」を施している。この刻印ペイントは、一見、凹凸があるように見えるが、全て長井氏が描いたものである。ペイントなので、当然、表面はツルツルだ。
バイザーの裏で分かりにくいが、「ナガイデザイン」のロゴも、さりげなく刻印ペイントされている。
単なるメッキで終わらないのが、ナガイデザインのすごさである。
光の当たり方で、シルバーの色合いが変化する。このデザインを見た人は、決まって凹凸部分を触るという。そして、ツルツルなことに驚くそうだ。凹凸ひとつひとつ、丁寧にエアブラシを使ってペイントしているそうだ。後頭部にはナガイデザインのトレンドマークのひとつ、ドクロが描かれている。西洋の騎士の甲冑のようなデザインに驚かされる。
ヘルメットの前と後ろ。後部のドクロがたまらない。
後部と上面。
見れば見るほど、細かくていねいな手作業に驚かされる。
前部と上部。
ペイントを手掛けた長井崇氏(ナガイデザイン)。「誰も発注してこないようなデザインにしたかった」と、長井氏は言った。それはそうである。「世の中に、こんなペイントがある」ということを知らない人は、発注するわけがないのだから……。
iPadの裏に描かれた刻印ペイント(長井氏私物)。
バックパックにも刻印ペイント(長井氏私物)。
「自分は、仕事で塗っていないので、手間と暇と時間が存分にかけられます。弊害は、終わりが決められないこと」と長井氏。「手元にある=改良の余地がある」という判断で置いてある。逆に言えば、自分がOKならば即完成。しかし、なかなか完成しないと嘆く。確かに、気が遠くなるような細かさだ。【関連記事】
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