私が生まれたのは1963年である。最も“America”に憧れた「団塊の世代Jr.」だ。
子供のころから、アメリカはずっと憧れの対象だった。サーフィン、スケートボード、モトクロス・バイシクル……。みんな、アメリカ映画で知ったものばかりだ。
ジェットスキーの歴史は、アメリカの歴史でもある。1990年代の始めごろ、私なんかよりも、強烈にアメリカに憧れたジェットスキーヤーたちがいた。
彼らは「強いアメリカ」に憧れ、チャレンジするため、単身、海を渡った。そのフロンティアスピリッツが、日本のジェットレースの歴史かも知れない。
例えるなら、誰も行ったことがないメジャーリーグに、初めて挑戦した野茂英雄選手のような心境だったに違いない。
故・飛野照正氏が日本人で初めてアメリカツアーをまわり、金森稔氏は、1995年、1996年と、2年連続でワールドタイトルを獲得した。
彼らがアメリカへの扉を開いた数年後、2003年にプロフリースタイルクラスで藤澤正雄選手ワールドチャンピオンに輝いている。
そこに山があるから登る。必ず手に入れたい“何か”があるから、何度でもチャレンジする。
それにしても「アメリカ」という国は“チャレンジ”という言葉がよく似合う。
野茂英雄選手の言葉を思い出す。
「大リーグといっても、ペドロ・マルチネスはドミニカ人で、バーニー・ウイリアムスはプエルトリコ人。俺は日本人だけど、国とか、何人とかは関係ない。人種で野球をするわけではない。みんな野球人だ」と。
我々、ジェットスポーツの世界も、先人たちが切り開いてくれたおかげで、アメリカ以外の国が勝っても、誰が勝っても驚かなくなった。メジャーリーグが近くなったように、ジェットの世界大会も近くなった気がする。
世界ナンバーワンはもちろんすごいことだ。だが、困難な状況に打ち勝って、自分の夢を叶えたプロセスこそが、賞賛と尊敬に値する事実だと思うのだ。
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