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初心者・必見!【ジェットの走り方】トッププロライダーの“走行ライン” 生駒流・“戦略”とその“考え方”とは  (水上バイク)ジェットスキー

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生駒 淳 選手

プロライダーの「走り方」、「曲がり方」の走行ライン

「生駒 淳選手」の「走行ラインとその考え方」

生駒選手の「ライディング理論」は独特です。古くからこのスポーツに関わっている人には、「刺激の強い、強烈な考え方」です。
ジェットが4ストロークエンジンを搭載し、レース艇がモンスターパワーになった今だからこそ、「生駒理論に基づくライディング」が「正解」と、生駒選手は考えて実践しています。

「ライディング理論なんて関係ない」と「考えている人」にこそ必要

この記事は、ジェットの初心者にこそ読んで欲しいものです。
アクセルを握ればジェットは走りますが、日本のトップレーサーが、「どのような“考え方”で、“アクセルを握っている”のか?」という思考が分かれば、「ジェット」という乗り物をよく理解できます。

生駒理論の根拠。「RXP-Xは、驚異のコーナリングを実現できるマシン」。

「走行ライン」は“単純明快”だが、その考え方は非常に“独特”

「ブイ間を直線的に目指して、最短時間で曲がる」生駒選手のコーナリング理論

生駒選手の走行ラインは「単純」かつ「独特」です。
彼の走行ラインだけなら、初心者でも真似ができます。しかし、彼のようなスピード領域で、この走行ラインを走りきることは、トッププロでも難しい技術です。

生駒選手の考え方は「ブイ間を直線的に目指して、最短時間で曲がる」。非常にシンプル極まりない考え方で、コース図の通り走れば良いのです。

生駒選手の言う「最短時間で曲がる」というのは、目的のブイに向かって真っ直ぐに最短距離で走り、「アクセル全開」で「ブイのギリギリまで減速せず」、「ブイに接触するぐらいの勢いで直角に曲がる」ことをいいます。要するに、真っ直ぐブイに飛び込むわけです。

初心者は、この「生駒ライン」と“同じように走ろう”とします。しかし、速度が”遅ければ”可能ですが、ある一定のスピード領域を超えると「この図のような走り方」は“絶対に”出来ません。

生駒理論・「走行ライン」と「考え方」

アクセルを“開け続けた”ライダーが、“一番”速い

生駒理論の要諦は「アクセルを開け続けたライダーが、一番速い」です。
「ブイを最短距離で走り、最短時間で曲がる」。生駒選手は、常にこの理論を実演しています。

生駒理論の考え方

① 他の誰よりも「アクセルを握り続ける」=当然、最速。
② 他の誰よりも「短時間でコーナを曲がる」=だから最速
③ 直線もコーナリングも、「最速で走り抜ける」=だから、自分が一番速い

普通の人が「生駒ライン」を通ろうとすれば、必ずこうなる!「走行ラインの軌跡」

「図1」通常、トップスピードでブイに向かうと、直角には曲がれません。自分が思っていたラインより膨らんで曲がることになります。アクセルを開け続ける限り、すべてのコーナーでオーバー気味のラインになり、常に修正しながら走ることになります。リズムも取れず、結果的に大きくタイムロスになるのです。

世界チャンピオンに聞く、“トップレーサー”のオーソドックスな「走行ライン」

現世界チャンピオン・砂盃 肇選手。

砂盃選手は上図のように、スラロームセクションでは仮想のブイを見立て、このような走行ラインを走ります。ただし、毎回このように走るのではなく、その時の水面コンディションやブイ間の距離を考えて、臨機応変にコース取りを変えます。あえて速度を落として、「生駒ライン」のように走ることもあれば、スピードに乗ったまま、仮想ブイを見立てたコースを走ることもあります。

砂盃選手の基本的な“走行ライン”と、その考え方

現世界チャンピオンで、国内でも圧倒的な勝率を誇る砂盃選手の走行ラインは、生駒選手のように、ブイに対して直線的なアプローチはしません。コーナリングも違います。
生駒選手は全てのコーナーで同じように走ろうとしますが、砂盃選手は全てのコーナーごとに、侵入速度から角度まで変えています。

ブイの手前でアウトに膨らみ、ブイの出口(コーナリングの終わり)でMAXのスピード領域に達するようなコース取りをします。

「コースによってベストな走行ラインを見つけ出し、そのラインを走る」。この砂盃選手の走り方は、F1をはじめ、モータースポーツ全般のオーソドックスな考え方です。
例えば、同じサーキットを周回していても、タイヤの摩耗具合や雨など、グリップ条件が変わるたびに、走行ラインや進入速度の全てが変化します。その時々の状況下で、「最速で曲がれる走行ライン」を“走る”ことが、ラップタイムや順位の違いに大きな影響を与えるという考え方です。

砂盃理論・まとめ「マシンを速く走らせたライダーが、一番速い」

生駒理論の「アクセルを開け続けたライダーが一番速い」に対して、砂盃理論では、「マシンを速く走らせたライダーが一番速い」です。アクセルは「握るべきときに握ればいい」というのです。
水面が荒れていたり、他人の引き波の上でアクセルを握っても、キャビテーションを起こすだけで、前に進みません。砂盃理論では、その瞬間の状況判断こそが、勝敗を決めます。

「ブイを最短距離で走り、最短時間で曲がる」生駒理論に対し、「状況に応じて最適な曲がり方」をするのが砂盃理論。
ダントツで先頭を走っているときには、スピードよりも「マシンを壊さず勝ち切る」ことが大切であると砂盃選手は言います。「気分の良い走りは、自分のわがまま」であり、優先すべきことは「誰にも負けない走り」であり、マシントラブルまでも、「ライダーである自分が責任を負う」と考えています。

目の前のコーナーごとに、「どのラインを通るか」、「どのスピード領域で走る」かを、現在の水面コンディションや環境に合わせて瞬時に決めるのが「砂盃理論」。

「生駒理論」と「砂盃理論」、走行ラインはどちらが正解?

独創的な生駒理論と、オーソドックスな砂盃理論。双方の話を紹介しました。
2人の「どちらが正解?」と聞かれたら、残念ながら「これを読んだ“アナタが決めて下さい”」というのが答えです。
我々編集部が言えることは、「日本を代表するライダーは、このような考えを持っています。そして今は、“砂盃理論”が大きく結果を残しています」としか言えません。

考え方は人それぞれ。自分の考えの正しさを証明するために戦っている部分もあります。今現在は、砂盃理論の圧倒的勝利ですが、生駒理論が間違っているかといえば、それも分かりません。

生駒選手が自己分析する「生駒理論」が成功していない“3つ”の理由

理由その1 「アクセル全開」だと、マシンが壊れる可能性が高い

誰よりもアクセルを握り続けるライダーのマシンは、誰よりも壊れる可能性が高いです。
「アクセルを握る」ということは、「エンジン回転数をMAXで走る時間が長い」ということ。当然、エンジンに掛かる負担は大きくなります。
レース中に、生駒選手がトップ争いを繰り広げていると、エンジンが壊れることが多々あります。デットヒートの最中に、不意の波で飛んで着水した瞬間、エンジンが破損というレースを何度も見ました。

生駒プロと真逆の考え方が、現世界チャンピオンの砂盃選手です。彼は「最もアクセルを握らない」ライダーです。
「勝てるレースをする」「勝つための走りをする」という砂盃選手は、彼が言うところの「握らなければならないときに、アクセルを握る」走り方をします。常にアクセルを全開せず、むしろ余力を残して、抵抗になる波と接触する瞬間、最大限にアクセルを握り、マシンが減速しないようにしているそうです。

正反対の考え方をする生駒選手と砂盃選手ですが、現在、レースでの勝率は圧倒的に砂盃選手のほうが高いのも事実です。水面が荒れた場合、生駒選手の「世界戦略マシン」よりも、砂盃選手の「遅いマシン」が勝つシーンを何度も見ました。

なぜ、「速いマシンで、誰よりもアクセルを握り続ける生駒選手」よりも、「遅いマシンで、アクセルを握らない砂盃選手」のほうが速いのでしょうか?

マシンポテンシャルが違う(生駒選手が速いマシン vs 砂盃選手が遅いマシン)場合、平水面では生駒選手が圧倒的に砂盃選手を引き離して勝つことが多々あります。
問題は「荒れた水面」のときです。アクセルを全開にして良い結果が出るのは、「エンジン回転が、無駄なく推進力に変わる」ときです。空中で飛び上がってしまったときにアクセル全開にしても、インペラーが空回りするだけで推進力にはなりません。
まして、プロライダーの乗るモンスターターボエンジンを空回りさせたら、ノーマルエンジンの何倍も壊れるのも頷けます。

生駒選手 vs 砂盃選手の象徴的なレースだった今年のJJSF開幕戦。4ヒート走り、平水面だった2ヒートは、生駒選手の圧勝。荒れた水面の2ヒートは砂盃選手が勝ちました。

最高速だけでは測れないのがレース

今季のJJSF開幕戦、砂盃選手は自身のレースマシンがなく、プライベートなストックマシンで参戦しました。生駒選手と砂盃選手のマシンの最高速の差は20km/h以上あるといいます。
その証拠に、平水面となったRound 2の第2ヒートは、1位の生駒選手と2位の砂盃選手では、コース半周分もの差が開いて、生駒選手が余裕の勝利を飾りました。

水面が荒れた土曜日の第2ヒートは、レース中盤で砂盃選手が生駒選手を抜きました。というよりも、波をものともせず追い上げてくる砂盃選手に対して、両腕に波の衝撃を受け続けていた生駒選手が、“抜かせていた”ようにも見受けられたのです。
このレースは、砂盃選手の粘りのある走りと、ラフウォーターでの卓越したライディングスキルが見事でした。

荒れた水面で、「アクセル全開」で走り続けるのは難しい

水面が荒れた場合、砂盃選手は芸術的な速さを見せてくれます。そのとき、彼は「今、目の前の荒れた水面を、いかに速く走らせるか?」「目の前に現れた“うねり”をどう対処すべきなのか?」だけを考え、最速の結果を残してきました。

それに対して、生駒選手の考え方は真逆です。
生駒選手のスゴさは、「どんな水面状況でも、恐れずに自分の走りを実現しようとすること」です。「ラフウォーターでは、どうやって走りますか?」と聞いても、「ブイを最短距離で走り、最短時間で曲がる」と、揺るぎない答えが返ってきます。そして、実際のレースでもそれを実践しています。

しかしその走りだと、波で空中に飛び上がるし、最短時間で曲がろうとするのでノーズから波に突き刺さり、フードが大破したこともあります。あのスピード領域で、波に突き刺さったらマシンだけでなく、体も無事ではいられません。そうなることが分かっているのに、「突き刺さる」生駒選手はスゴイと思います。

彼の理論を実戦で実現できたら、世界タイトルは獲れるでしょう。毎回ブレない「鋼のメンタル」を持ち、「生駒理論」で走り続ける彼を見ていると、「やれるかも!」という意識にさせられます。

どんな水面状況でも、常にアクセルを緩めず、ギリギリで曲がろうとする生駒選手。

理由その2 「最短時間・コーナリング」で、マシンが壊れる

「最短時間でコーナーを曲がる」という行為も、マシンが壊れる要因のひとつです。アクセル全開でスパッと曲がれば、速いのに間違いありません。しかし、マシンに対する負担は大きくなります。

エンジンにも大きなGがかかる要因になります。エンジンルーム内のパーツが、瞬間的にかかる大きな横Gで、外れやすくなるのは容易に想像できます。細かなコーナリングが要求されるスラロームセクションでも、毎回最速ターンを行う生駒マシンには、負担が大きくかかります。

一番の難題が、「レース後半のガス欠」です。コーナリング時に大きなGがかかると、遠心力により、ガソリンはどちらかの壁面に張り付きます。ガソリン満タン時には問題ありませんが、ガソリン量が減った段階での横Gでは、インジェクターがガソリンを吸い上げられなくなり、瞬間的なガソリン欠乏状態を作り出します。

アクセル全開時にガソリンの供給が止まれば、600馬力のヤマハターボエンジンが焼き付くことは、素人でも理解できます。
しばらくするとガソリンが元に戻り、ガス欠状態は解消されますが、コーナリングのたびにこの現象を繰り返し続けたら、マシンが壊れない方が不思議です。

ブイに対して、常に真っ直ぐに向かっていき、最短時間で曲がることを実践してる生駒選手。

理由その3 「自分に合わせる」ことで、マシンが壊れる

生駒選手は、水面が荒れていようがいまいが、「自分の走りに合っていない水面」でも「自分の走り方」で走り切ろうとします。結果的に、マシンが壊れたり、自身の体が壊れたりします。
砂盃選手のような「オーソドックスな走り」をすれば、マシンも自分も壊れない確率は高まるかもしれませんが、「勝てる保証」はありません。
そう考えると「生駒理論」は、一概に否定できるものではないのかもしれません。

普通の人と同じに曲がっていては、世界では勝てないと考えています。

生駒理論の真髄

速く走るための究極は「無人のジェットが走る」という考え方

ジェットスポーツの歴史は、スタンドアップの歴史です。ジェットが、ポンプから吸い込んだ水を推進力に換える「ジェット推進システム」である以上、船底が水に付いていなければ、速く走らせることは出来ません。
コーナー時に船体が傾いても、空中高く飛び上がっても、ライダー自身が体重移動や体勢を変え、いかにスコープゲートに水を吸い込ませるかが勝負の分かれ目です。特に、小さく不安定なスタンドアップに乗っていたライダーは、この技術に長けています。

今でも、「スタンドアップライダーしか、最速の称号は得られない」という考え方は根強くあります。もし仮に、立ち乗り出身者でないライダーが世界タイトルを獲得しても、業界関係者は「強者が不在の年だった」としか考えない傾向にあります。

今まで編集部が見てきた世界のトップライダー、例えばスタンドアップチャンピオンのジェフ・ジェイコブス選手、クリス・マックルゲージ選手、ジャン・バチスト・ボッティ選手、クエンティン・ボッシュ選手、そして日本の竹野下正治選手といったスーパースターたちは、いずれもジェットの上で踊るように、前後左右に体を動かして体重移動をし、華麗にマシンを操っていました。
波で船体が飛び上がってしまうときには、マシンのフロント部分に覆いかぶさるようにして、「高く」ではなく「前に飛ぼう」とします。コーナーではGに対処するため、体を思いっ切り内側に入れて曲がります。「人間がマシンをコントロール」し、最速のスピード領域で見せる「危ないダンス」のようなアクロバティックな走りに魅了されてきました。

しかし生駒理論の究極は、「ジェットは、無人で走るのが最速」といいます。
5年ほど前、生駒理論と同じ考え方と思われる戦法で世界チャンピオンを獲得したのが、ハンガリーの「ジョージ・カズサ」選手です。彼は、2年連続でタイトルを獲得しました。

生駒理論の究極は、「ジェットは、無人で走るのが最速」という考え方です。今までに誰も言わなかった新しい考え方です。

「ラジコンカー」のスゴさとは

このときのワールドファイナルの会場で見たカズサ選手のマシンは、今まで見たことがないシートが取り付けられていました。カズサ選手も生駒選手も、マシンに体が完全に固定されているような走りをします。悪い言い方をすれば「ラジコンカーの運転手」のようでした。

歴代のチャンピオンたちの考え方は、『人間が「主」で、マシンが「従」』です。
しかし、生駒理論では「ラジコンカーの運転手」になることを嫌がりません。なぜなら、「最も速いジェットは、無人で走ること」という理念があるからです。 こう書くと、生駒選手が「マシン頼み」と感じるかもしれませんが、実はそうではないのです。

マシンが進化すると、「最速の走り方の定義も変わる」と生駒選手は言います。
これだけマシンパワーが上がったら、無人のジェットが「一番速い」。その考えなら、ライダーとマシンが「一体化」している方が、「無人の状態」に近いのだといいます。

事実、ブイ間を直線的に向かい、最速でターンを繰り返すカズサ選手は速かった。バケットシートのようにジェットのシートに固定されたカズサ選手の姿は。「F1レーサー」のようです。体は全く動かず、首だけが左右に動いていました。

数年前、カズサ選手のチャンピオンマシンのシートに座らせてもらったことがありますが、おヘソの上くらいまでガッチリ固定され、ジェットに乗っている感覚は皆無。この状態で「走れ」と言われたら、無理ですと言ったと思います。それほどセンセーショナルなシートでした。
現代のモータースポーツで世界タイトルを獲得するには、それだけエポックメーキングなシートが必要だったのです。レース後、しきりに首筋を揉んでいたカズサ選手の姿を良く見かけました。

現在はレギュレーションの変更により、シートの深さが制限されたので、以前ほど体を固定することは出来なくなりました。

まだレギュレーションが改正される前、生駒選手が海外のレースに出場するとき、現地でレンタルジェットを借りることになっていても、日本からわざわざ自分専用のシートを持って行きました。
空港で、スーツケースより大きなカーボン製のシートを持っている生駒選手の姿に、「勝つ」ための執念を感じたものです。

2012年10月初旬、ロサンゼルス国際空港にて、大きな特注のレーシングシートを手荷物にて持ち込もうとする生駒選手。


現在の「異端」は、未来のスタンダードになれるのか!?

生駒選手と話していて感じることがあります。それは、彼には「昔からの価値観」など、一切、関係ないことです。「勝てば良い」、「勝つためにはどうすれば良いか」を考え、それを実行しています。
乗り方が格好いいとか、格好悪いは眼中にありません。「どうしたら、速く走れるのか?」を、常に追求しているのです。

「海が荒れていようが、この走りができれば勝てる。負けるのは『生駒理論』を実現できていないか、マシンが壊れたときである」。今年のレースは、とりわけマシンが壊れたり、海が荒れたことで、「生駒理論」を実践するのが難しい状況でした。
逆に言えば「生駒理論」通りに走れなかったから負けたのであって、自分が劣っていたわけではない。その証拠にマシンが壊れず「生駒理論」が実現できたら、誰にも負けないと考えています。

現在、生駒選手のような乗り方をしているライダーは、国内には他にいません。「いないのか、自分にしか出来ないのか分りませんが、キチンと走り切ることができれば勝てる」と言う生駒選手のライディングは、「唯一」のものです。この「理論」が正しいか証明できるのは、未来の生駒選手だけです。

今年の生駒選手は、砂盃選手と田村選手に次いでの3位。けれども、負けたのはマシンが壊れたりして「自分の”理論”通りの走り」が出来なかった”せい”だと考えている。自分の走りが出来れば”勝てる”と話す。それが証明できるのは来年の生駒選手だけだ。


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