
石田仁彦さん(写真左)と芳賀 毅さん(右)。お揃いのJeepと、同じジャケットで登場! どんだけ“仲良し”ですか!!石田仁彦さんと芳賀 毅さんの出会いは1989年。
石田さんが24歳のとき、「オートベッカー」という輸入自動車販売ショップにジェットスキーJS550を買いに行った。そのときに、彼の3カ月くらい前にJS550を買っていた芳賀さんと知り合ったのだ。
芳賀さんは、その3年ぐらい前にCJ-7というJeepとキャンピングカーをオートベッカーで買い、そのクルマでジェットを引っ張っていたという。
妹の育美さん(写真右)と石田さん。ステンレスに改造する前の1958年製の「Willys(ウィリス) M606(CJ-3B)」。
2021年に新しく購入した「Jeep・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン・2リッターターボ」
キャンバストップの三菱・パジェロ、1987年撮影。現在、石田さんが現在所有しているJeepは2台。
1台目は以前、本誌で紹介したピカピカのJeepだ。
お父様の時代に購入した1958年(昭和33年)製の「Willys(ウィリス) M606(CJ-3B)」で、約20年前にオールステンレスボディにレストアしている。
2台目が、この日に乗って来てくれた「Jeep・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン・2リッターターボ」である。
石田さんと芳賀さんは、両名ともジェット乗り。1990年代からジェットに乗り、現在もJS550でレースに出場している生粋のスタンドアッパーである。
2人の共通点はジェットだけでなく、Jeepに乗っていることでもある。
ジェット乗りは「乗り物が好き」というのが、2人の話からも伝わってくる。
お父様の時代に購入した1958年(昭和33年)製の「Willys(ウィリス) M606(CJ-3B)」。(MODEL:青山メグ)。
宝物2台。写真左:2021 Jeep WRANGLER UNLIMITED RUBICON、右:1958 Jeep Willys M606(CJ-3B)。
WJS お2人は伝説ジェットスキーチーム「ASM」の看板ライダーでしたが、もともとはJeep繋がりなんですね。
芳賀 最初は4駆遊びから始まった。4駆の荷台にジェット積んで走らせていた最初だね。
僕らは西武が扱う5年ぐらい前からジェットに乗ってたよね。それまでは輸入自動車屋さんみたいな店が、並行輸入で販売していたんです。
そのときのJeep仲間のお嬢さんが「ジェットのレースをやりたい」って言いだした。
当時は西武がジェットスキーの販売を取り扱い始めたころで、「ディラーで買った客でないと、レースに出場できない」っていう。
困ってチューニングカーショップ・ASMの松井代表に相談したら、「それなら、ウチでチームを作ればいいじゃない」って。
それでジェットスキーチーム「ASM」が出来たの。
石田 ASMというチームを作って、初めてブイ回りを経験しました。芳賀さんも自分もブイなんて回ったことがなかったですからね。
芳賀 1980年代後半ごろって、みんなジェットに免許が必要なんて知らないから、無免許でジェットに乗ってる人が多かったよね。
だからみんな捕まってた。無免許は罰金30万。カップルで遊んでいるから2人で60万(笑)。
石田 あのころのお巡りさん、ゲレンデで「鍵出せ」って言うんだよ。
ジェットに鍵がないなんて知らないから、逃がさないように「鍵出せ」って。捕まる側も捕まえる側も、みんな何も知らなかった時代だよね。
34年間、仲良し! 芳賀さんを慕う石田氏。
WJS Jeepでどんな遊びをするのですか?
芳賀 オートベッカーさんっていうクルマ屋さんと知り合い、「JeepのCJ-7」で富士山に行ったり、川に行ったり、九十九里浜の砂浜を走り回っていました。1990年より前って、今と違ってどこでも走れたんです。
WJS 芳賀さんは、どうしてJeepを買ったのですか?
芳賀 俺は、自分でいじりたかった。タコ足変えたり、マフラー変えたりするのが好きだった。
石田 芳賀さんは、Jeepの前にカマロに乗っていたよね。アメ車が大好きだったよね。
芳賀 そうそう。最初はJeepなんて全く頭になかったね。ポルシェターボが欲しくてオートベッカーさんに買いに行ったら、嫁に反対された。彼女は丸みを帯びた形が好きだから、「シェビーバンとかJeepなら丸くて可愛い。これだったらキャンプも行けるし」って。
石田 僕と知り合ったときは、「アメリカ4WDクラブ」っていうのを作ってた。
芳賀 それでシェビーバンとJeepを買って遊んでたんだけど、そのうち、Jeepをイジる楽しさに嵌った。ポルシェカイエンも乗ったけど、ヨーロッパのクルマってイジルとこがないんだよ。
WJS 具体的にどんな改造をしたのですか?
芳賀 今は乗り入れ禁止だけど、富士山の須走の駆けあがりを上がるために、内張を剥がしたり。悪路を走れるように、最初は車高を上げるリフトアップ、次にタイヤだね。それをしないとオフロードは走れない。昔は、川でもなんでもガンガン走れたから。
WJS リフトアップしないと走れないところを走るのですか?
芳賀 しないと、腹を擦っちゃって壊れる。
WJS そんな改造をしたら、普通の舗装路では走りにくくないですか?
芳賀 確かに悪くなる。だけど、見た目も良くしたいじゃない。屋根を開けてオープンも楽しみたい。
石田 このJeepも、サイドも上も全部のパネルが外れるの。フルオープンに出来るけど、一度外したら雨漏りしたりする。日本人はあまりやらないよね。
芳賀 あのね、Jeepっていうモノは「雨漏り」して当たり前なの。それなのに、今のJeepは、雨漏りしたらクレームを言うんだよね。
WJS 芳賀さんにとって、Jeepとはどのようなクルマなのですか?
芳賀 何ていうのかな、Jeepって男の憧れ。俺の親父もJeepに乗ってたし、俺もだし、息子も乗って親子3代で乗っている。
オートベッカーっていうクルマ屋さんでたくさんの人と知り合い、4級船舶免許も取得しジェットも買った。結局、アメ車繋がりなんです。

光り輝くステンレスボディの車は、「Jeep WILLYS(ジープ ウィリス)」という。
このウィリスを語る前に、まずに「ジープ」について説明しよう。
「ジープ」の名称の由来には諸説あり、明確な起源ははっきりしていないが、1941年には、「ジープ」という通称が使われていた記録が残っている。
「ジープ」は、第二次世界大戦中の1940年、アメリカ陸軍の要請で開発された、小型四輪駆動車が元祖である。
軍用偵察や連絡を目的として、フォードおよびウィリス両社によって生産された。
連合国軍の軍用車両として広く運用され、高い耐久性と、悪路における優れた走行性能で、軍事戦略上でも多大な成果を挙げたことでも知られている。
その活躍により、小型四輪駆動車の有用性を、世界各国で広く認知させるものとなった。
2021 Jeep WRANGLER UNLIMITED RUBICON 2-liter gasoline turbo
「ジープ」は、第二次大戦後、ウィリス・オーバーランド社によって商標登録され、その後、メーカーの合併や買収などで商標権は転々とした。
2015年、フィアット・クライスラー・オートモービルズ「FCA」の保有するブランドとなっている。
2021年、FCAは旧社名 プジョーシトロエン、「グループPSA」と合併しステランティス N.V.が誕生。ジープは現在その「ステランティス N.V.」ブランドになっている。
原型は、「WILLYS(ウィリス) M606(CJ‐3B)」という。
あえて「原型」といったのは、約20年前にオールステンレスボディにレストアされているからだ。
このウィリスは、もともと、実際に自衛隊で使われていた車である。
普通、自衛隊所有の車は、民間に売られることはなく、原則、廃棄される。
自衛隊の車でありながら、今のオーナーが所有することになったのは、特別な理由がある。
車の持ち主が、アメリカ軍だったからだ。
もともと、1958年に、アメリカ軍が三菱自動車に作らせた試作車だった。
それを、自衛隊が使用していたというのだ。
当時、アメリカ軍の所有車だったことから、自衛隊が使っていたにも関わらず、民間のオーナーが購入できたのである。
1958年製なので、現在、製造されてから65年目となる。
このウィリスについて、オーナーの石田仁彦さんに話を聞いた。

WJS すごい車ですね。 ステンレスボディで、とてもキレイです。
石田 ありがとうございます。
WJS この車は、いつごろレストアされたのですか?
石田 今から20年くらい前ですね。製造されてから40年くらい経っていて、ボディが腐ってきたので、フィリピンで部品を買ってきて交換しました。
WJS どうして、オールステンレスにしたのですか?
石田 防錆性能の高さです。 ステンレスは錆びませんから。
WJS とても格好いいです。でも、61年前の車ですから、走らせると壊れるのではないですか?
石田 今は、壊れませんよ。 もともとのエンジンから、三菱ウィリスの最終型ガソリンエンジンに交換していますから。
WJS 少しずつ、細かな改良を加えながら、大事に乗られているのですね。公道は、普通に走れるのですか?
石田 全然、平気です。エンジンは、ガソリン使用の排気量2600ccエンジン。もとは3速ミッションだったけれど、今は4速ミッションのオーバードライブ付きなので、とても快適です。
もともとのエンジンから、三菱ウィリスの最終型ガソリンエンジンに交換。ガソリン使用の排気量2600ccエンジン。もとは3速ミッションだったけれど、今は4速ミッションのオーバードライブ付きに変更済み。
内装は「質実剛健」、男の世界!
WJS 撮影していたとき驚いたのは、太陽の当たり方によって、ボディの色が全然違って見えることです。
石田 それは、私もすごく気に入っている部分です。だから、余計に「オールステンレス」にこだわりました。
後部のガソリンタンクも、ステンレス製品がなかったので、仕方なくオーダーメイドで作ったんです。さすがに1個だけ作るのは高すぎるので、200個まとめて作って販売しました。
湘南のジェット仲間にも買ってもらったので、今でも使ってくれている人は多いと思いますよ。
タンクを乗せるステーも、ワンオフです。
WJS こういう車に乗っていて、一番、「良いな」と思うことは何ですか?
石田 ……気分、かな。
屋根からサイドまで帆ですから、夏は取り外して乗っても、気持ち良いですよ。
WJS 確かにすごく気持ち良さそうですね。
ジープなのに、「湘南でイヤミのないオープンカー」そのものです。
石田 帆も、サイドだけ外したり、屋根だけ全部外したりっていうのができるので、表情が全部違うんですよ。
WJS 光の当たり方で、ボディカラーが変わる。帆の外し方で、全体の印象が変わる。この車、奥が深いですね。
石田 でも、ステンレスは板金できないので、ぶつけられると困る。そこは、少し気を使います。
WJS 確かに、そうですね。
本日は、ありがとうございました。
後部のガソリンタンクも、ステンレス製のワンオフ・モデル、1個だけ作るのは高すぎるので、200個まとめて作って販売しました。

1958年製 WILLYS M606(CJ‐3B)
心躍るスタイル
強烈なオーバーフェンダー
FOXのサスペンション
細部までコダワリがある。
オーバーフェンダー、フロント部分
このイラストのように全部パネルが外れて、フル・オープンに出来る。
オールレザーのハンドル。
高級感に包まれた内装。リッチでエレガントな室内空間。
RUBICONと刺繍されたレザーシート。
4輪駆動のスイッチ。
天井、パネルが外れる。
石田氏の550
芳賀氏の550
ワイルドライフ! “危険な2人”だぜ。
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海のF1 パワーボートの記事も、お楽しみ下さい。
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