自動車の「車検」と同じように、水上バイクを走らせるときには、必ず定期的に船舶検査(※「定期検査」と「中間検査」の2種類があります)を受けなければなりません。(下記記載)
今回、編集部が所有する水上バイクが「中間検査」を行う時期になりました。普段は購入したジェットショップに丸投げでお願いしていましたが、個人でも簡単に手続きができるというのでやってみることにしたのです。
結論から言ってしまえば、「自分でやるのは“かなり面倒”だった」でした。理由は、手間暇がかかるからです。
やっていくうちに分からないことがいろいろ出てきて、「何度もJCIに電話をして、確認をしながら手続きしないといけないから」です。
初めて自分でイチからやったので、「勝手が分からない」というものありますが、最初の「申請書類の記入」で、「さて、困ったぞ」ということが起こりました。
準備する書類は、JCIのホームページからダウンロードできます。記入例に従って、船舶検査証書に書かれている内容をそのまま書き写していくだけので、さほど大変ではありません。
問題は、記入欄の最後のほうにある「検査を受けようとする期日」と「検査を受けようとする場所」です。定期検査・中間検査は平日に実施され、本人の立会いが必要です。
「記入例」を見ると、「検査希望日を記入して下さい。地区により検査日程が決まっていますので、最寄りの支部にお尋ね下さい」とあります。
「これは、自分の勝手で書いてはダメなのだろうな……」と思い、管轄のJCI(私の場合は横浜支部)に電話をしました。とてもていねいに説明をしてくれるのですが、「検査のできる場所が決まっていて、ご自宅などでは検査はできません。どこの場所で受検しますか?」と聞かれます。(※地域によっては、自宅のガレージにも来てくれる場所もあるようです。事前に聞いてください)
「●×マリーナさんに水上バイクを置いているので、そこで検査ができますか?」と聞くと、幸い、私が水上バイクを預けているマリーナは、JCIの検査会場にもなっていました。「そのマリーナさんなら、水曜日が検査日になります」ということで、無事に検査日と場所が決まりました。
ちなみに、水上バイクなら、JCIに直接持ち込んで検査をしてもらえますが、その際は、事前に予約が必要です。
申請書類の用意と同時に、手数料の振込みも行います。水上バイクの場合、スタンドアップ、ランナバウト問わず、3メートル未満なら中間検査が5,100円、定期検査が11,600円、3メートル以上5メートル未満なら中間検査が8,200円、定期検査が16,700円です。
払込証明書(振込金受取書)を申請書類に添付し、JCIに送ります。書類一式は、検査日の1週間前までにJCIに届いていないといけないので、余裕をもって検査日を決めましょう。
書類を送ると、検査日の前々日か前日にJCIの担当の検査員から「何時から検査を行います」と、時間、場所の確認の電話があります。
その時間に間に合うように、水上バイクを持って検査会場に向かいます。検査会場によっては、遠くまで水上バイクを運ばなければならないこともあります。
検査を受ける水上バイク以外にも、当日、会場に持って行くものがあります。
・定員分のライフジャケット(3人乗りランナバウトなら3着必要)
・ロープ
・信号紅炎(スマホでも可。その場合は防水ケースも必要)
・船舶検査証書
・船舶検査手帳
検査員の方が、船体に破損はないか、エンジンがかかるか、改造はしていないかなど、チェック項目に従って船体を確認していきます。ライフジャケットやロープなど、法定備品の確認もありますので、慌てないように事前に準備しておきましょう。問題がなければ検査は終了となります。
今回は中間検査だったため、30分弱で終わりました。
後日、新しい「次回検査時期指定票」が郵送されてくるので、それを自分の水上バイクに貼ります。
せっかく検査を受けても「船舶検査済票ステッカー」を貼っていない、あるいは脱落した場合は、20万円以下の罰金になりますので必ず貼ってください!
今回は、マイゲレンデが検査会場だったため、わざわざ別の場所に水上バイクを運ぶ必要はありませんでした。しかし、正直なところ、たかが30分弱の検査のために、何度もJCIと電話でやりとりをしながら書類を揃えて、会社を休んで検査場所まで行って検査を受けるのは、少々面倒だと思いました。検査会場が遠ければ、運ぶためのガソリン代もかかります。
時間がある人なら別ですが、「代行手数料を払っても、ジェットショップにお願いすればよかった」というのが個人的な感想です。
中間検査の場合、改造していなければ下記の確認だけでOK。
しかし、エンジン出力を上げた場合や、船体の加工している場合、ハンドルポールを変更したときは、「改造申請」として、別に耐久テストや浮沈テストを行う場合もあります。
「軽微な改造」とは、吸気系のドレスアップ的な要素が強い「フレームアレスター」などの変更も含めます。
しかし、そこに排気系の。チャンバーやマフラーの改造などが加わると、「出力アップ」と判断されるので、別途、耐久テストなどが必要となる場合があります。
ものすごくざっくり説明すると、「パワーが上がった場合」は、改造申請が必要となるのです。
1 申請書、必要書類の用意
2 手数料の振込み
3 申請書、必要書類の担当支部への提出
4 JCIと検査の打合せ
5 検査の実施
6 検査終了
7 送られてきたステッカーを自分の水上バイクに貼る
1 船舶検査申請書
2 手数料払込証明書
3 船舶検査証書(提出は検査時でも可)
4 船舶検査手帳(提出は検査時でも可)
自動車と同じく、水上バイクを走らせるときには、必ず定期的に船舶検査(※「定期検査」と「中間検査」の2種類があります)を受けなければなりません。
船舶検査証書(以下、船検)の有効期間が切れた水上バイクに乗ると、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。
「定期検査」は6年ごとに行われ、その中間(3年)で「中間検査」を受ける必要があります。
したがって、検査を受ける頻度は「3年ごと」です。船舶検査証書の有効期限内であっても、中間検査を受けずに航行すると罰則対象になりますので、ご注意を!
過去に水上バイク乗っていて、現在、船検の有効期間が過ぎている場合でも、乗る前に再度、日本小型船舶検査機構(以下、JCI)で船検を受けて、合格すれば航行できます。
自動車と違って、水上バイク(船舶)は所持しているだけなら税金はかかりません。今現在は乗らなくても、将来的に乗りたいと思っていたら、「売らずに持っている」ことができるのも船舶の強みです。
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