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  3. ジェットスキーで烏帽子岩へ行く

悠々と急げ

先日、スロープからジェットを降ろそうとしたときのことだ。入れ替わるように、2台のジェットが陸に上がろうとしていた。1人はシードゥRXT-X 300、もう1人はULTRA310に乗っていた。

戻ってきたばかりの2人は、興奮しながら「海はすごく荒れている。ULTRAのほうは初心者なので焦った」と、マリーナの人に話したあと、「それ(SPARK)で走ると、最高に楽しいですよ」と、私に声をかけてくれた。そのとき私は、撮影のためにSPARKを水に降ろそうとしていた。それを聞いて、「彼は、SPARKで荒れた水面を走る楽しさを知っているのだな」と感心した。


しかしこの日、私はSPARKではなく、もう1台の愛艇800SX-Rで海に出た。いつもの、烏帽子岩をまわって帰る20分くらいのコースだ。河口から出ると、RXT-Xの人に言われたように、海はすごく荒れていた。普段の半分のスピードも出せない。無理せず、自分のペースでゆったりと急ぐ。

デコボコでコブだらけの海面から、目的地の烏帽子岩を見つめると、いつもより、遙か遠くに感じた。そう思うと、無理してアクセルを握ってしまう。不安が募ると、なぜだか急ぎたくなる。

でも、立ち乗りは技量以上には走れない。すぐに波のくぼみに突き刺さって吹っ飛んだ。自分がコントロールできるペースで、ゆっくりと、かつ悠々と急ぐことが、私の場合は最速なのだ。

それにしても、荒れた海面を走るのは、いつもよりずっと冒険心を満たしてくれる。 波のうねりの高低差のすごいこと。高いところに上がると、相模湾が遥か遠くまで見渡せるのに、窪みの低いところでは、四方八方、波の壁しか見えない。

窪んだ部分を走っているときは、いつも怯えている。前も後ろも見えないので、自分がどこに向かっているのか分からなくなるからだ。ありがたいことに、窪みはずっと続くわけではない。気が付いたら、波の1番高いてっぺんにいたりする。

何か、人生みたいだ。山あり谷あり。大自然の中の荒れる大海原を、小さな小さなスタンドアップでヒヤヒヤしながら、ゆっくりと急ぐ大冒険のようなツーリング。私は大好きだ。

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