私の友人は、「マニュアル車」という事実に胸を張ります。彼の1993年製フェラーリ348 スパイダーの「屋根の幌」は、手動で開け閉めするタイプですが、翌1994年からは電動オープンになりました。
今から約25年前の車なので、電動オープンが壊れやすいのは理解できます。かといって、必要なモーターをフェラーリの本社に発注しても、当然のように「現在は、販売も製造も中止しております」と言われます。友人は、「俺のはモーターがないから、いつまでも安心だ」と、汗をかきかき、自慢を垂れ流しながら屋根の開け閉めをしています。
友人が、いつも私に話してくれる車の説明が面白い。ポルシェを例に、彼は「車の進化」を疑問視しているのです。
911ポルシェがデビューしたのは1963年。当時は「空冷式」でした。それが、1994年以降のポルシェから、全て「水冷式」に変更されたのです。しかし、今でも1994年以前の「空冷ポルシェ」のほうが、高い人気を誇っています。
年式も走行性能も、当然「水冷ポルシェ」のほうが優れています。なのに、中古相場では「空冷ポルシェ」のほうが、取引価格が高いことが多々あります。1964年~1997年までに生産された「空冷911」といわれる車種のなかには、新車当時と同じか、それ以上の価格で取引されているものもあります。
一方で、現在も生産されている「水冷ポルシェ」の場合、2000年モデルだと、250万円以下で探すことも可能だといいます。ちなみに、同じ年の水冷モデルでも、マニュアル・トランスミッションだと、そこから100万円ほど高くなります。
「空冷ポルシェ」のほうが中古価格が高いのには、いろいろな理由があると思います。しかし、私の友人の答えは簡潔です。「パーツが、あるかないかの違い!」。
空冷ポルシェが販売されていたのは1993年以前で、コンピュータ部品はそれほど組み込まれていません。だから現在も部品の入手が可能で、この先もずっと走らせられるからだと彼は言いました。
こんな話を聞くと、「エコ」や、「技術革新」、「イノベーション」という流行り文句に、もうひとつ確認事項を付け加えたくなります。「そんなことより、そのパーツはずっと買えるのか?」。困った時代がやってきました。
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