12月初旬、撮影のため兵庫県西宮市にある、「ツーリングの鉄人」こと、斉藤さんのショップ、パルアップに行ったときの話だ。
面白い人に会った。彼は、皆から「師匠」と呼ばれて、慕われている。お昼前の11時ごろ、1人でシードゥ GTX 300に乗って出掛けて行った。足元にはクーラーボックス、後部座席にはキャンパス地っぽい大きな紺色の袋を積んでいた。
午後2時ごろ、ジェットスキーで出かけたはずの師匠が、サップ(SUP)ボードでマリーナに戻ってきた。ちょうどこの日、パルアップでは、「鍋パーティ」が行われており、多くのお客さんが集まっていた。全員が水辺に来て、師匠をからかう。
「それ、何がオモロイねん?」とか、「お金を使うところを間違えている」など、海上でニコニコ笑っている師匠に容赦がない。当の師匠は、「時と場合によっては、ジェットよりサップのほうがモテんねんぞ」と、訳の分からない理屈で応戦していた。
師匠に、「どうして、ジェットスキーにサップボードを積んで行くのですか?」と聞いてみた。彼は、「ジェットとサップの楽しみ方は両極端。僕は、両方が大好きなんです」と言う。
そうはいっても、サップボードを楽しむ人にとって、ジェットスキーは引き波を立てるので嫌われている気がするのですが? と、尋ねてみた。 「嫌われています。でも、僕はあえてサップをやっている人の場所にジェットで行って、一緒にサップを楽しんでいます」という返事。ジェットスキーは嫌われていても、ジェットスキーに乗った師匠は嫌われていないのだ。
「ジェットもサップも子供たちからすれば、興味津々です。少しだけでも乗せてあげると、すごく喜んでくれます。でも、口の悪い人は、それを“ナンパ”って呼ぶんですよ」と言って、またサップボードに乗って、沖合へと消えていった。
午後4時半ごろ、パルアップに戻って、ジェットスキーとサップボードを洗う師匠の姿があった。
いろいろな楽しみ方があって良い。ジェットスキーでグッドポイントまで行ってサップボードを楽しむ。何か、とても感じの良い遊び方だと思った。
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