「新型コロナウイルス」という言葉が世の中に広がり、沈みがちの毎日。そのなかで、重い気持ちを払しょくできるような出来事が、先日ありました。
休日も外出できず、することがないので、何年も艇庫に置きっぱなしのジェットスキー「800SX-R」を洗ったのです。3年前にSX-Rを購入してから、ずっと乗ることがなくジェットカバーを外してみると、案の定、見事に3年分の汚れがこびりついていました。
この日は天気が良く、暖かい春の日差しと青空のなか、一生懸命に洗剤を付けてはスポンジで擦るのを繰り返し、仕上げにガラスコーティング剤を吹き付けると、鮮やかに昔の輝きがよみがえりました。
キレイになった愛艇を見た瞬間、このジェットを所有している自分自身に対して、非常に深い満足感を覚え、ものすごく幸せな気分に満たされたのです。
ここ数年、最新モデルのSX-Rしか乗っていなかったので、この800SX-Rのことは、ほとんど忘れていました。でもピカピカになった800SX-Rを見て、このジェットスキーとともに楽しんださまざまな出来事や、思い出がよみがえってきました。心の奥底で眠っていた宝物のような記憶が、800SX-Rとともに、急に目の前に現れたのです。
私の友人がこんなことを言っていました。「ジェットスキーは、人生を生きるためのモチベーションだ」と。
昔は、「大げさ」だとしか思わなかったのに、今は、「全くその通りだ!」と感じています。値段、機種なんか関係なく、ジェットスキーを所有するということは、かけがいのない、多くの思い出を所有するということなのだと気が付いたのです。
もちろんいいことばかりではありませんでしたが、自分の人生の大切な思い出です。
「そんなの、クルマやバイクだって同じじゃないの?」と言われるでしょうが、少し違うのです。
ジェットスキーに乗ることは、日常生活において「普通」ではありません。我々は、陸上で生活する生き物です。それが水の上で過ごす時間は、非日常そのもの。ずっと、記憶の中に刻まれる稀有な出来事なのです。
自分のジェットスキーを大切にする。それは、自分を大切にすることと同じことかもしれません。
体を動かせば、何かが変わる。
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