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  3. 地球を感じろ!!  ジェットスキーコラム(水上バイク)

地球の鼓動に耳を傾けろ!!

今は新型コロナウイルスのために外出自粛となっているが、数年前、サーファーが多く集まるビーチでウェーブライドを楽しんだことがある。その海岸は大きな波が入るので、サーファーも強者揃いである。
そのとき、ベテランサーファーの1人に、「サーフライドの魅力は何ですか?」と聞いてみた。すると彼は、「ウェーブ(波)に乗ると地球を感じる」と答えたのだ。

彼は言う。「ただ荒れた海や、波を漠然と眺めているだけでは何も感じない。しかし、『あの波に挑もう!』と決めた瞬間、ただの風景が全然違って見えるようになる。征服すべき対象に変わる」というのだ。
同時に恐怖心も呼び起こされる。華麗に波に乗る自分の姿だけでなく、荒れ狂う波に巻かれて命の危険にさらされている姿も想像できる。だから彼は、やみくもに波に挑まない。ウェーブを観察し、入念に攻略プランを立て、悪いイメージをひとつひとつ払拭していく。

この時、彼はすでに“地球”を感じ始めているのだという。波の周期を読むことは、地球の鼓動に耳を傾けること。そのリズムを掴めたら、より具体的に、良いイメージだけを頭に描き、完成させる。そして、ようやく波と向き合うのだ。

そこまでシミュレーションしても、実際に挑む波は、いつも彼の想像を超えてくる。迫り来る波の迫力、ウェーブに触れた瞬間の音と力。自然が全力で襲いかかってくるのだ。地球の持つ、底知れぬパワーを思い知らされる。
だが、波の力が強ければ強いほど、征服したときの達成感と、サーフライドというスポーツの魅力を改めて感じるという。

彼の話を聞いた後、世界最高齢でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏を思い出した。80歳を超えた今も、未だに自分の知らない「地球の驚異」を感じるためにエベレストに挑んだのだと私は思う。「記録」や「年齢」は、彼にとって取るに足らないものに違いない。

冒険とは「自分の知らない地球を知る」こと。そして、「それを知った時に自分がどう感じるか」を体感することだ。
私は、心からジェットスキーという乗り物と出会って本当に良かったと思う。これほど「地球」を感じさせてくれるスポーツは他にないからだ。

私は冒険家ではないので、身の毛もよだつ大波や、世界最高峰の山に挑んで、命の危険にさらされた経験はない。
しかし、普通にジェットスキーに乗っているだけで、海の上にかかる大きな虹を見たり、イルカやトビウオと並んで走れることがある。そうかと思えば、急な大雨に見舞われたり、雷に脅かされたりもする。その全てが、普段の生活では覗けない、ジェットでしか体験できない「地球」のひとつの表情である。

フカフカのソファーに座って、超豪華客船で世界1周するよりも、自分でジェットスキーを操って大阪湾を走る方が、何百倍も地球を感じることができるのだ。

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