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  3. LOWRIDER「 ローライダー」 ジェットスキー(水上バイク)

LOWRIDER

カスタムジェットの取材のため、知人の紹介で、あるジェット乗りの倉庫を訪ねた。倉庫には、カスタムされたRXP-Xとともに、この車が置いてあった。

初めて見たとき、車体がペタッと床についていた。だから、廃車寸前のパンクしたアメ車としか思わなかった。
オーナーの方に、「壊れていますか?」と聞いてしまった。
「いや、大会で賞を総なめにしている、由緒正しいローライダーです」
「動くのですか?」
「当り前です」と、少しムッとされてしまった。

エンジンをかけると、ロボットみたいに車高が上がった。そして、頼みもしないのに、突然、薄暗い倉庫の中でアメ車のダンスが始まった。
大慌てで外に出してもらい、頑張って撮影したのがこの写真だ。このタイヤが1つだけ浮いている状態のポーズを3ホイラーと呼ぶらしい。トランクには、大きなダンプカーのバッテリーが、8個も積まれていた。

「この車は、ジェットと何か関連があるのですか?」と聞くと、真顔で「アメリカ・西海岸」と言われてしまった。分かったようで、分からなかった。
皆さま、コレが「ローライダー」だそうです。

ローライダー(Lowrider)とは

ローライダーの発祥は定かではないが、1950年代のアメリカ西海岸・イーストロサンゼルスに住む、チカーノ(メキシコ系移民)が行っていたカスタムが源流といわれている。

当時、イーストロサンゼルスは、非合法で移住し、不法就労を行っていたチカーノが多かった。お金がないなかで、安い中古車(1930年代~1940年代のシボレーなど)を購入し、新車に負けない美しさと豪華さへとカスタムしたのが、ローライダーの始まりとされている。同年代に流行した、裕福な白人による「ホットロッド」に対抗するスタイルであったともいわれている。
カスタムに使用する車両やパーツは、アメリカ国内向けの製品を用いるのが鉄則。シボレー・インパラや、80年代のキャデラックなどが特に人気だ。

車高を低くすることが特徴で、場合によってはフレームが地面に接触するくらい落とすが、多くが油圧式の車高調整システムを搭載する。これにより「最低地上高=(イコール)ロードクリアランス」が確保できるため、走行に支障がない。標準のタイヤ、ホイールより径の小さい物を装着することで、車体をより大きく、車高をより低く見せることを演出する。
「車高の低い車を使う者」ということから「ローライダー」と呼ばれる。

また、ハイドロリクスシステムにより「ホッピング」と呼ばれる、車体が飛び跳ねる動作が可能となっている。リズムよく跳ねて美しさを競ったり、飛び跳ねた高さを競う。上下にポンポンと飛び跳ねているローライダーを、テレビなどで見たことがある人もいるだろう。

車体のカラーリングは、「キャンディペイント」と呼ばれるシルバーやゴールドなどをベースに、半透明色を何層も塗り重ねる。好みによっては、ミューラル(壁画)という、絵筆やエアブラシを用いた独特なメキシコ文化を表現したペイントを施すこともある。

日本にローライダーが入ってきた時期ははっきりしないが、1980年代には、すでにカスタムカルチャーとして認識されていた。1980年代末~1990年代初頭には、ブームも起きている。
日本のローライダーカスタム愛好家たちは、ライフスタイルなども、チカーノやアメリカ西海岸における黒人文化に倣っているものが多いのだ。

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