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「片野丈一郎・21歳の挑戦」2年連続でトリプル・クラウンを狙ったが、コロナ禍で断念 ジェットスキー(水上バイク)

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中央でカップを手にしているのが、2019年、日本人初の「初代トリプル・クラウン」ホルダーとなった片野丈一郎選手。

世界中のレーサーが欲したタイトル「トリプル・クラウン」を獲得した片野丈一郎

昨年(2019年)、初めて創設されたタイトルが「トリプル・クラウン」である。
7月のベルギー大会、10月のアメリカ大会、そして12月のタイで行われた3つの大会を「ジェットスキー・ワールドカップ2019」と呼び、総合チャンピオンには「トリプル・クラウン」の名誉と、高額の賞金が与えられた。

このタイトルに日本人の片野丈一郎選手が挑戦。見事、「SPORTS GPクラス」の初代「トリプル・クラウン」チャンピオンに輝いたのである。

2連覇を目指す今回、「今年の抱負と実情」を、片野丈一郎選手とチーム監督であり片野選手の父・宣之氏、そしてコンストラクターの藤江功一氏に3人に話を聞いた。

満身創痍でつかみ取った、大きくて「重い」優勝カップ。

写真左:片野選手の父親でチーム監督の片野宣之氏。
右:マシンコンストラクター・藤江功一氏(K1 Racing Service代表)。彼らも「初代トリプル・クラウン」ホルダーだ。

今年の目標は、「2年連続でトリプル・クラウンの獲得」だったが……

連覇するため、タイのフリーダムより、ドライカーボンハルを購入し、臨んだ2020年

WJS 昨年は、トリプル・クラウン獲得おめでとうございます。今年も、タイトル獲得に挑戦する予定だと聞いていましたが、新型コロナウイルスの影響で、第1戦のフランス大会と、第2戦のアメリカ大会が中止になってしまいましたね。
片野丈一郎[以下、片野(丈)] 練習は一生懸命やっていますが、正直、モチベーションは下がりました。
片野宣之[以下、片野(宣)] 昨年、ジェットスキー・ワールドカップ終了後にフリーダムに行き、オールカーボンのハルを買いました。2年連続でタイトルを獲得するのに必要だと考えたからです。しかし、今回のコロナ騒動で、レース自体が開催されていません。今年もタイトルが獲れると感じていましたから非常に残念です。

WJS お父さんの宣之さんは、生粋の「シードゥ HX」ライダーですが、昨年、藤江功一氏が造った、純正のHXハルにカワサキ1,500ccが搭載されたマシンで、今年戦うことは考えなかったのですか?
片野(宣) 去年のマシンも、乗りやすくて非常に良いのですが、ハルの形状的に中高速でのスピードが延びないんです。優勝争いをしたライバルのタイチームと同じハルが必要でした。昨年のジョー(片野選手)のマシンは、フロント部分が水に噛み過ぎて、水の抵抗が大きく体への負担も大きい。タイチームのハルのように「フロント部分をもっと上げて、負担を減らしたい」と考えました。だから、マシンそのものではなくハルだけを購入して、藤江さんに全て作り上げてもらうことにしたのです。

WJS 新しいマシンは完成したのですか?
片野(宣) 国内もコロナでレースの開幕時期が遅れたので、当初の予定より、ゆっくりと仕上がりました。7月11日に行われたセレクションレースがデビュー戦でした。フリーダムのハルは、完成初日にジョーが乗ったら、FRP製のライドプレートが外れてライダーが吹っ飛ばされました。レースに投入するには準備不足なので、当初は使う予定はなかったのですが、今までのHXの調子が悪く、急遽、実戦投入となったのです。
片野(丈) NEWマシンは、今までのHXと全く違う乗り味です。形状はXPと同じです。今回、本番のレースコースを走れたのは良かったですね。最初はどうやって乗れば良いのか全く分からなかったのですが、今ではこちらのマシンのほうが好きです。

WJS 藤江さんの持論は、「世界で勝てるレーシングマシンとは、市販艇の何倍も乗りやすくて、壊れる心配のないものだ」と常に言われています。このマシンも乗りやすいのでしょうか?
片野(宣) 慣れれば、乗りやすいと思います。でも、最初は戸惑うと思いますよ。良い機会なので、ぜひ乗ってみてください。

WJS 新しいマシンは、時速何kmくらい出るのですか?
片野(丈) 最高速117kmです。僕も最初、直線で変な波を拾って吹っ飛んで、結構な距離を転がりました。だから当分は最初のマシンで戦うつもりだったんです。でも、実戦で乗って感覚を掴んでからは、このカーボンハルが好きになりました。

WJS それは、なぜですか?
片野(丈) あきらかに戦闘能力が高いからです。加速も中高速の伸びも、以前のマシンを上回ります。コーナリング性能も、あきらかにコチラのマシンのほうが上です。ただ、「曲がるきっかけ」は自分が作り出さなければなりません。前のマシンよりも、ライディング技術を求められます。難しさはありますが、乗るのにはとても楽しいマシンです。

―次回へ続く。

タイのフリーダム製カーボンハル(写真左)。純正ノーマルのHXハル(写真右)。写真で見ても、下ハルの厚さが全く違う。

HXライダー片野宣之氏からマシンの説明を受ける。

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