7月23日(土)、24日(日)の2日間、千葉県木更津市金田海岸沖にて、「POWER BOAT RACE JAPAN GRAND PRIX(パワーボートレースジャパングランプリ)」と「aquabike(アクアバイク)」のレースが開催された。
土曜日、日曜日の両日ともに天候に恵まれた。
この記事では「POWER BOAT RACE JAPAN GRAND PRIX(パワーボートレースジャパングランプリ)」を報告する。優勝候補艇の出発にギャラリーの注目を集めていた。
優勝候補艇、ゼッケン1「KE RACING」のボートに乗り込むのは、世界最高のライディングテクニックを有するスロットルマン・William Moore選手。多くのギャラリーが詰めかけた。
会場には、素敵なピックアップトラックとパワーボートが並ぶ。
左:アメリカ&カタールのパワーボートチャンピオン・ William Moore、中央:日本パワーボート協会会長 小嶋松久氏、右:クエーキーセンス 紅矢俊栄氏。
パワーボートのレースでは、国内競技規則に基づき、エンジン排気量の違いで、船体の長さや大きさなどがカテゴリー別に分けられている。大排気量、ビッグパワーのエンジンを搭載するなら、ある一定以上の大きな船体でなければ危険だからである。
まず最初に紹介するのは、パワーボートのカテゴリーでは比較的小型クラス、F550の15周耐久レースだ。
記事の後半で、大会のメインである全てのカテゴリーが一緒に走る「Aコース 総合成績」を報告する。ここではカテゴリーは関係なく「1時間耐久レース」の純粋な勝者が表彰される。
今回のレースは「1時間耐久レース」なので、いくらボートが速くても最後まで走り切らなければ勝てない。
最速のモンスターマシンが壊れて、スモールマシンが栄誉に輝くケースもある。
レース結果の報告をする前に、パワーボートの最高峰クラス「OFF-OPEN」カテゴリーで実力ナンバーワンと言われる「KE RACING」のボートを紹介する。
今大会もレース終盤まで2位以下を大きく引き離し、圧倒的な速さでトップを独走し続けていた。惜しくもマシントラブルでリタイヤしたが、 他を圧倒する走りであった。
このマシンの概略を紹介することで「パワーボート」の概略を理解していただければ嬉しい。
エンジンは8,200ccを2基搭載した、1600馬力のモンスターパワー。 アメリカのゼネラル・エレクトリック(General Electric Company、略称: GE製)である。
8,200ccというのはインチに換算すると500キュービックインチ(立方インチ)。国際規格でいうところの「クラス1」というカテゴリーに属する。
アメリカは独特ルールで510キュービックインチで仕切っている。ヨーロッパやUIMのレギュレーションは500キュービックインチ 。 日本はUIMのレギュレーションと同じなので500キュービックインチ(8,200cc)と定められている。
今大会で設定されたレースカテゴリーは2つ。
1・小型の排気量(550cc)のボートで、「周回数15周」を競うレース。
2・850㏄以上のボート全てが1時間走り続ける「1時間耐久」レース。ここにクラス別の表彰も含まれる。
最初に「F550 15周耐久レース」の結果を報告する。今回、波が出たため周回数を「13周」に減らした。
このクラスはエンジン排気量・550cc以下(2ストロークエンジン)のパワーボートが13周走って順位を争うレースである。4ストークエンジンの場合、550×1.6のエンジン排気量まで出場できる。
4位の大澤と同じチームなので、マシンのカラーリングも同じ爽やかなブルーだ。
会場を歩いているとイキナリこんな光景に出くわす。トレーラーに積まれたパワーボート3艇。
走り出すと戦闘機みたい!
トレーラーに積まれていると、なんだか嘘みたい!
走るとやっぱり戦闘機だ!
美しく綺麗に飾られた表彰台。
中島貴応、谷雅史
レース前日の練習走行時に、上写真の「パワーボート」に同乗させていただいた。ヘルメットを被った中島貴応さんと谷雅史さんの後ろに、望遠レンズを装着したカメラを抱えて乗り込んだのだ。
「パワーボートのレースを撮影するなら、パワーボートの上からだろう」という理由からであった。
結論は、「あんなスピード領域で、空を飛ぶように走るパワーボートから、撮影なんて出来ません!」である。
生まれて初めての感想は「このマシンはタダモノではない」だ。最高時速200km以上と聞いてもピンと来なかったが、乗ったら理解できた。
「船」というのは名ばかりで、ただひたすら“速く”走るため“だけ”に設計されたロケットのようだった。
大きな船体の中身は空洞で、超軽量なのが良く分かる。ドッカーンと加速するし、どこまでもトップが伸びる。泣きそうになる加速力だ。
前に座る2人はバケットシートにヘルメット。私はカメラを抱えてFRP船体の上に直接座っている。波があるとミサイルのように空中を飛び上がる。スピードがハンパないので着水時の衝撃がまたスゴイ。
カメラを庇いながら、ドライバーズ・シートの後ろに必死でしがみついていた。
しかし、怖いけれど不思議なことに何とも言えない魅力があった。男だったら「1度乗ると欲しくなる」何かがあるのだ。胸がすくようなドカーンというパワーにワクワクした。高額なマシンを買ってレースに出場する選手の気持ちが少しだけ理解できた。
コースの中ほどで、速度がドンドン遅くなる。最終的には徐行程度にまでスピードを落とすと、ドライバーの谷さんと中島さんが振り返って、私の顔を見ながら笑って言った。
「パワーボートの魅力を伝えるために、良い写真を“たくさん”撮って!」。そう言われた私は、思う存分、最高のポジションで撮影させていただいたのだ。
中島貴応さん、谷雅史さん、ありがとうございました。
このパワー、本当にヤバかった。
大会受付ブース。
クエーキーセンスのテントが並び、華やかなレース会場。
この大会の主催者である日本パワーボート協会の小嶋松久会長は、日本で初めてプライベーターチームで国産F1「KE007」を走らせたレジェンド。貴重なクルマが勢ぞろい。
かつて少年たちが夢見た往年のレーシングカー。
スーパースター登場! 「テレビで見たことがある!!」と注目の外国人が小嶋会長に挨拶!
ワオ! スゲー! 伝説の暴君、K1チャンピオンの「ピーター・アーツ選手」が来場した。「上半身“ハダカ”じゃないから分からなかった…」と、舞い上がってトンチンカンな挨拶をしてスミマセンでした。
炎天下の中、働く皆さま!
ヘリが空を舞う!
働く裏方!
ブガッティ! レース会場には、普段見られないクルマが集まっていた。
どこを見ても美味しそう! 飯テロの会場内。
彼はBIG BOSS! 最速の日本人ボートレーサーという噂を聞いた。
会場は超広い! 移動にはカートが便利!
働く裏方! 縁の下の力持ち! 炎天下のレース会場! タフな笑顔の男たち!
表彰式のプレゼンテーターは、アスリート系レースクイーンのREIKAさん。大会に花を添えてくれた。
今大会、かなり波が高かったため、安全に配慮して1時間耐久ではなく、「43分間」に時間が短縮された。
周回数19周(タイム/0:43:03)。「OFF-2」カテゴリーでも1位。
1位の須賀博政、千葉啓登。」
今大会のために来日したロッキー青木のご子息より、特別賞を授与される。
周回数18周(タイム/0:43:10)。「OFF-2」カテゴリーでも2位。
上堂園直樹、北野弘祐。
周回数18周(タイム/0:43:47)。「 OFF-2」カテゴリーで3位。
洗練された素敵なデザイン!
アニメのスーパージェッターみたいで格好いい!
走行中は大迫力!
3 位に入賞した、神田知輝、浅原数敏。
周回数17周(タイム/0:45:12)「OFF-2」カテゴリーで4位。
何ともいえないオーラがあるマシン。
4 位に入賞した飯野晃之、尼野太。
周回数16周(タイム/0:43:45)。「 V3000」カテゴリーで1位。 6 36
インパクトのある形状の船体。両サイドにバットマンのマーク! 水上の白いコウモリだ!
5 位の石井康隆 。「 V3000」カテゴリーでも1位を獲得。
周回数16周(タイム/0:43:48 )。「OFF-OPEN」クラスで1位。
人間と対比すると、ボートの大きさがよく分かる。
6 位の、佐藤浩実、佐藤敏広。
パワーボートは撮影する角度で大きさが違って見える。
周回数14周(タイム/0:43:11)。「OFF-4」クラスで1位。
黒くて速いマシンだった。
7 位の徳山貴彌日登、出口恵介。
周回数13周(タイム/0:43:21)。「V3000」クラスで2位。
「波が出たらVボートの方が速い」と小嶋会長は教えてくれたように、荒れた海面をものすごい勢いで駆け抜けていった。
8 位、奥村浩一。
停止中はカワイイ小船に見える。羊の皮を被った狼だ。
周回数13周(タイム/0:43:49)。「V3000」クラスで3位。
9 位、松村洋平。
周回数13周(タイム/0:44:10)。「V850」クラスで1位。
10 位、末永 毅。「V850」クラスでも1位を獲得!
土曜日に撮影で同乗させていただいたマシン。不運にもマシントラブルに見舞われた。残念!
中島貴応、紅矢俊栄氏、谷雅史。
レース序盤から中盤にかけて快走していた。
レースの中盤で突然ストップ、救助を要請した。
よく見ると船外機の片方がもげていた。エンジンは海の底に……。
レース前、笑顔の2人。「松葉和孝、藤田哲也」。マシントラブルであったが、2人に怪我がなくて良かった。
練習走行でコースを確認しながら進むが、海面が荒れると低い船体で前方が見にくい。
トラッツクに積まれているだけで大迫力。
今大会、参加艇の中で、最大のマシンスペックを誇るレースマシン。
出航前の緊迫感!
左右にスーパーチャージャー付の 8200 CC エンジン が搭載されている。
エンジンカバーが閉じられた状態。アイドリングだけでもマフラーから凄まじい重低音サウンドが。
走行時のサウンドも半端なじゃない。
右側のエンジンルーム。スーパーチャージャーが装着されている。
エンジンとマフラーの距離が!
小嶋会長に最高速を聞いたら、「約270kmくらいやろ!」と言われた!
本宮 賢。
青井欣也、末利雅憲。
今回のパワーボートレースは、荒れる水面での戦いであった。 荒れた海面では「V型」のハルが有利だという。
しかし、カタマラン艇は大型化することで、ラフウォーターを克服できるという。
大きな船体が水面を“ぶっ飛ぶ”シーンを何度も見た。その迫力に驚いた!パワーボートのレースが、ますます発展しますように!
日本アクアバイク代表・中地淳一氏。スタッフとして活躍中。
写真左:この大会のためにアメリカから来日したロッキー青木氏のご子息、右・小嶋会長。
特別賞「ロッキー賞」を授与された最強スロットルマン・William Moore選手(写真・中央)、彼が駆った「ゼッケン1・KE RACING艇」は、他を圧倒する快走で、世界レベルの運転技術で魅了させてくれた! 写真左は、挨拶をした三原じゅん子衆議院議員の秘書。
世界最強スロットルマン・William Moore選手が駆った「KE RACING艇」。
荒れた東京湾で、大きな船体がカッ飛んでいた!
東京湾の熱い2日間が終わった。
選手、スタッフ、関係者、ギャラリー。全ての皆さま、お疲れさまでした。
同日行われた「水上バイクのレース」の模様はこちらから。
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