決勝戦を制し、ガッツポーズの小原 聡将 選手。
ヴィンテージマシンのタイムアタック大会「 Out a Time Sports #6 」の 最高峰クラスは「 550 GP 」クラスである。
エントリーしたのは、世界チャンピオンホルダーや、全日本チャンピオン経験者、現役プロライダー、JS550全盛時代に活躍したレーサーなど、腕に覚えのある13選手だ。マシンも、レーシング550がズラリと並んだ。
もちろん このクラスも、「DEVILルール」が適用される。
MOTO 1は自分のマシンで走り、MOTO 2は「全員一緒のノーマル550」だ。
① 各選手は 午前と午後に 1回ずつ タイムアタックする。
② MOTO 1は、“自分のマシン” を 使って走る。
③ MOTO 2は、主催者が用意した、『 純正ド・ノーマルの 550 』で走る。
④ 勝敗は、MOTO 1 と MOTO 2 の 総合タイムで 決まる。
全員が、同一条件下で走るので 文句は言えない。
勝ちたければ、「 上手くなる 」しかない のだから、実は、本当に フェアな ルールなの かも しれない。
小原 聡将 選手が童顔なので、娘と並んでも兄妹みたいに見える!
彼は、子供のころから海外のレースに参戦しており、年は若くてもレーサー歴は長い。
小原選手のすごいところは、「どんなマシンでも、すぐに対応できる」ところだ。
今回の「DEVILルール」のように、『 初見で 他のマシンで走る 』場合、どんなマシンでも 乗りこなせる 小原選手が、圧倒的優位なのは 当然だ。
ライディングテクニックも 世界トップレベルなのに、どんなマシンにも すぐに対応できるのだから「鬼に金棒」である。
初見の「 純正 ド・ノーマルの 550 」を 完璧に乗りこなす 小原 選手。
このクラスは、全員が「 自分の ライディング テクニックに、自信のある 選手ばかり 」と 先ほど書いた。
その選手たちが MOTO 2で バランスを崩して、タイムロスを 繰り返す姿は、見ていて 少し 気の毒に なった。
しかし、それと同時に、波乱が起きるからこそ ハラハラ・ドキドキ させられ、イベントとしては、とても 見応えがある内容と なっていた。
MOTO 1では、颯爽と コースを走り抜けていた ライダーが、ド・ノーマルの 550に乗ると、“産まれたばかりの小鹿” のように、明らかに不安定で ヨロヨロした走り になる。
同一人物とは 思えない 変わりよう であった。
自分のマシンで練習を積み重ね、「 MOTO・1 」で 好タイムを出した選手ほど、「 MOTO・2 」の走りは悲惨となる傾向が強かった。
理由は 簡単だ。
MOTO 1で 好タイムを 出した選手は、MOTO 2で「 表彰台に 上がれるかも!」といった「欲」が出るからだ。
さらに、「 ノーマルの 550ごときで 遅れを とるわけには いかない 」といった プライドもある。
選手たちの思惑が 透けて見えるから、ギャラリーは 余計に楽しいのだ。
550全盛時代からレースに出場し、乗り方が体に染みついている芳賀 毅選手。さすがの走りだ。
荒れた水面をものともせずに走り抜ける小原 聡将選手。
現在は競艇選手として活躍する國分 将太郎選手だが、もともと生粋のスタンドアッパーだ。ド・ノーマルの550も器用に乗りこなす。
この「 純正 ド・ノーマルの 550 」というのが、とんでもない クセモノだった。
ライダーの 技量以上には、速く 走らせることが できない、ごまかしは 絶対に 許されない マシンなのである。
ライディングの基本が 出来ている 往年の名選手と、乗りやすさが 格段にアップした “現代の”レーシング550にだけ 乗っているとでは、あきらかに “越えられない壁”が 存在する。
染みこむほど 体に覚えさせた 550のライディングは、そう簡単には 忘れない ということだ。
「 乗れない 」のなら、自分の 技量の 範囲内で 走らせれば良いのだが、「 負けたくない 」という思いが、ついつい 無理な走りを させてしまう。
その結果、MOTO 2で 自爆するライダーが 続出した。
ミスをする 選手の気持ちが 分かるだけに、「 他人の不幸は 面白い 」。
自分の下世話さを 再認識させる、こんな“楽しい企画”を考えた 村尾 高明選手は、やっぱり「悪魔」である。
何しろ、「ド・ノーマルの「550」で 自爆したライダーの大半は、村尾選手から 高性能な レーシング 550を 購入して、猛練習してきた人ばかり なのだから。
「 かわいい × かわいい 」。 世界最強 の 組み合わせ!
※MOTO 1、MOTO 2の総合タイムの上位5名で、「 決勝戦 」が行われた。ルールは、ローリング・スタートの1周勝負。誰が勝ってもおかしくない面々が、グリッドに並んだ。
スタートのフラッグを振るのは、加藤 豪選手。この日、自身もレースに出場する一方で、裏方としてイベントを支えてくれた。
スタートで飛び出したのは、小原 聡将選手(手前)と國分 将太郎選手(奥)。
小原 選手が優勝!
國分 選手が2位。競艇選手組がワンツーフィニッシュを飾った。
GPクラスの表彰式。写真左から、3位の芳賀 毅選手、1位の小原 聡将選手、2位の國分 将太郎選手。
参加者全員が、熱いレースを見守っていた。
小久保晴代さんがMCとして参加し、イベントを盛り上げてくれた。
「DEVILルール」考案者・村尾 “DEVIL”高明選手。イベントが盛り上がるルールを作らせたら、彼の右に出る者はいない。
下馬評どおり、小原選手がブッチギリの速さで優勝。
過去に、ワールドファイナルのGPスキークラスでタイトルを獲得した実力派ライダー・國分 将太郎選手が2位。
ヴィンテージマシンなら、何に乗らせても速い芳賀 毅選手。
「みんなの目標・石田先輩」が第4位。
イベント主催者であり、選手でもある村尾 高明選手。
華麗なレッグターンを決めてくれた蔭割 孝幸選手。
ウィメンクラスの世界タイトルホルダー・久米 由紀子選手。
この日限定で、藤沢市のカフェ「 Brunches 辻堂 」さんが、美味しいランチを 用意してくれた!
ジューシーで美味しいハンバーガー。目の前で焼いてくれるので、「音」と「匂い」でノックアウト!!
ハンバーガーにはコーラが良く似合う。
この日のお品書き。ハンバーガー、チリドッグ、タコライス、どれも美味しそうで迷う。
パーツ・サプライヤーのホットプロダクツ・ジャパン斉藤社長が、イベントの応援に駆けつけた。
ベテランの蔭割 孝幸選手。
会場となったジェットフィールド湘南の福島さん(写真左)と杉山さん(右)。いつもありがとうございます。
強者たちの戦いには、目の肥えたギャラリーが集まってくる! X-2で優勝した 谷合選手のアドバイザーの方々。彼の勝利に、大いに貢献している!
ブースを出展していたジェットパイロットの小笠原社長。表彰式では、協賛品をたくさん提供してくれた。
X-2乗りの岩森さんは、今大会は優雅に鑑賞モード。
「悔しい~!」。実力者・大畑 雄一選手は 「DEVILルール」の餌食となった!
負けず嫌いのレジェンド・芳賀 毅選手。今回負けたことで、来年に向けて火がついた!?
勝利した女性選抜チーム。
去年は「ヤングチーム vs アダルトチーム」だったリレー競技が、今年は「 男性 vs 女性 」の 選抜チームによる リレーとなった。
朝の受付時に、男性チームが勝つか、女性チームが勝つか を予想して、スタッフに 申告する。
勝ったチームに 賭けてたら、自分のタイムから「 2秒 」引いて もらえるのだ。
ちなみに、出場選手は 自分のチームにしか 賭けられない。
1周 40~50秒 そこそこのコースにおいて、「 マイナス2秒 」というのは、想像以上に“重い”。
1チーム10名で 構成され、各人 1周ずつ 走る。
リレー方式で バトンタッチ時に タスキを受け渡し、トータルで 速いチームが 勝ちとなる。
男性チームは、ハンディとして 使用マシンは「 純正 ド・ノーマルの 550 」。
女性チームは、自分のマシンで走れる。
普通に考えたら 男性チームが 勝つと思うが、乗るマシンが「 ド・ノーマル艇 」。
スピードも遅いし、乗りにくい。
それを考えると、女性チームに賭けたほうがいいのか……。 ここが、思案の しどころだ。
自分の投票したチームが 勝って欲しいので、全員が 自分のこと のように 応援する。
ちなみに、バトン代わりの タスキは、男性チームが走ったときに 切れてしまったので、女性チームは タスキの代わりに ハイタッチで 選手交代となった。
第1走者は 陣川 道子選手。スタートはル・マン式。ジェットパイロットのテント前から、全力疾走してジェットに飛び乗る! 転ばないように気を付けて!!
水上では、“家来ども”が、エンジンのかかった 550を ホールドして準備万全。
ロケットスタートで走り出す陣川選手。
第2走者にタッチしなければ交代にならないが、手前でジェットから降りてしまって、第2走者の大畑 梨菜選手に微妙に届かない。
素早くタッチをしなければいけないけれど、ジェットが突っ込んでくるのも怖い。ビビりながら焦って待つ鎌田 六花選手。
女性チームの完全勝利で終わった選抜リレー。おめでとう!
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