2024年モデルの「 FX Cruiser HO 」には、ヤマハが誇る ニューエンジン『 HIGH OUTPUT 1.9 L エンジン 』が 搭載されている。
単なる マイナーチェンジではなく、設計から見直した という1.9リッターエンジンは、1800ccの 良い部分を 踏襲しながら、さらに 進化させたものである。
今回、パワーアップした エンジンの ポテンシャルを、思う存分 味わった。
最初に言うべきは、「 過去最強 の HO 」で あったということ。
試乗する前、「 FX Cruiser HO 」は、マッスル パワー というよりも、快適に ロングツーリングを 楽しむための モデルだと 思っていた。
しかし、この 新しいFX Cruiser HO は、明らかに違う。
新たに 搭載された「 1.9L HO ENGINE(1.9 Liter High Output Yamaha Marine Engine)」が、走りに 大いに関係している。
1,900ccエンジンは とてもパワフルで、一度でも 1,800ccに乗ったことがある人なら、この違いは すぐに分かる。
特に 中低速から 高速域に 達するまでの“ 怒涛の 加速感” は、特筆すべきものがある。
ヤマハの説明によると、2024年モデルの FX Cruiser HOの船体は、変更していないそうだ。
もともと FX シリーズの船体は、コーナリング性能、直進安定性など、あらゆるシーンで優れていると定評がある。
その船体に、「 1.9リッターの高性能エンジン 」が搭載されたことで、良い意味で 乗り味が激変した。
エンジン パワーが上がったことで、アクセル・レスポンスが 更に 良くなったように 感じられた。
特に、0km/hからの 加速、中低速から高速への 加速感は 格段に上がっていた。
それにより、俊敏さが際立ち 、体感的には マシン重量が" 軽くなった"ように 錯覚するのだ。
これらの改良の結果、初速から中間、高速にいたるまで、全域において加速性能が向上した。
現行の FX HO モデルが 100 メートル 進むころに、新型 HO なら 約12 メートル(約3艇身)先にいるくらい、加速の違い があるという。
何も聞かされずに 新しい FX Cruiser HOに 乗ったら、「 マッスル スポーツ・モデル 」としか 思えない。
この 高性能 エンジンが、これからの ヤマハ の スタンダードに なることは 間違いない と感じた。
「 ノイズ と 振動を 低減する 」改良も、今回 行われている。
具体的には ローター歯数を 増やし、回転 検出 精度を アップしたことで、回転変動 と 振動を 大幅に低減した。
「 ノイズと振動 」を 可能な限り 減らしている。
"オーバーレブ"とは、エンジン回転数が 許容範囲(回転限界、レブリミット)を 超過する ことである。
オーバーレブは、意図せずに ジャンプしたときや、キャビテーション時に アクセルを 戻さない場合に発生する。
ポンプ内に 水が 入っていない状態で インペラーが 空回りしていると、エンジンの 回転数が 許容範囲を 超える「 オーバーレブ 」になる。
オーバーレブにより、エンジンが 不回転になったところで "振動がなくなる"ような、「 制御系の システム 」を 盛り込んでいる。
クルマでも、オーバーレブになったら 点火カットや 燃料カットして、それ以上、エンジン回転数が 上がらないよう 対策している。
ジェットも同じで、オーバーレブの 状態が続くと、ピストン と シリンダー の "焼き付き"が 起こる 恐れがある。
従来までは、回転を「 検出できる 機能 」が 4 カ所しか なかったが、新しいシステムでは 検出機能が 大幅に増えた。
オーバーレブに対して、マシン側が 素早い対応を してくれるように なったのだ。
カムの形状にあわせて 形状を作り込むことで、強度をアップした。
さらに、ウォーターボックスを 新しく設計し直したことで、排気音を低減するなど、「ノイズ と振動 」を 可能な限り 減らし、快適な 乗り心地を 実現した。
現在の HO エンジンは、2008 年に登場し、14年間もの間、大きな改良は されていない。
そのため、そのころから使っている 電装部品も 多い。
自動車や 電化製品でも そうだが、古くなると 部品が なくなる 可能性がある。
「 今の ままの センサーでも 全く問題はありませんが、今後を考慮し、今回、センサー系を 一新しました 」と、メーカーは 語っている。
1.8リッターの ウィーク ポイントも 十分に 知ったうえで、1.9リッターに 性能を上げている。
従来のエンジンカバーから、デザインを一新。
素材に、植物由来の次世代素材・セルロースナノファイバー( CNF ) 強化樹脂を採用した。
CNF は、既存の樹脂材料と比較して、25%以上の軽量化が図れることに加え、マテリアルリサイクル性に優れるため、プラスチック使用量の削減と CO₂を 主とした温暖化ガス排出削減に繋がる。
『 ビギナーから ベテランまで、ロングクルージングを 楽しむために 生まれた クルーザーモデル 』。
これは、従来の「 FX Cruiser HO 」の キャッチコピーであるが、1.9リッターになった「 FX Cruiser HO 」に、このコピーでは 物足りない気がした。
何も 聞かされずに 乗ったら、優しい NAエンジンではなく、「 マッスル スポーツ・モデル 」としか 思えない。
この 高性能エンジンが、これからの「 ヤマハの スタンダード 」に なることは 間違いないだろう。
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