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なぜ”今”報道!? 明石の水上バイク暴走「殺人未遂報道」 新聞記事に違和感! (ジェットスキー)

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明石市で起きた「危険な水上バイクの危険走行による殺人未遂」報道

昨年の問題が、なぜ、今、また蒸し返されるのか?

昨年7月31日、兵庫県明石市の海岸で水上バイクが暴走する様子が撮影された事件があった。このとき、容疑者不詳のまま、「殺人未遂」と「県水難事故防止条例違反」の罪で、明石市は「告発状」を神戸海上保安部に提出している。

そして昨日、容疑者とみられている男性が「出頭した」という記事が読売新聞で報道された。男性が『「自分が運転していた」と名乗り出た』ことで、『海保が事情を聞き、映像を分析したところ、この男が運転していたと特定した』という。

このなかで、『今年2月にこの男性が取材に応じ、「殺人未遂だと言われて驚いた。もう水上バイクに乗らない」と話した』とも書かれていた。(出典:読売新聞オンライン『海水浴場で水上バイク暴走「殺人未遂と言われて驚いた」「もう乗らない」…男が出頭』、2022年3月20日付)

この記事だけを読むと、この容疑者の男性が、『つい最近』名乗り出てきたようにも思える。 しかし実際は、昨年の報道が出てすぐに海上保安庁に出向いていたのだった。

今回の読売新聞の記事を読んだ人は、殺人未遂で起訴された犯人が出頭して、「もう水上バイクに乗らない」と嘆いているように感じるだろう。しかし、それは“事実”とは異なる。この記事は、あえて「世間一般の水上バイクに対する悪いイメージ」に沿うように書かれている気がしてならない。



「容疑者」は、「昨年8月5日」に海上保安庁に出向いていた?

なぜ、今になってこの話題が出てくるのかは少し謎だが、WJS編集部の独自調査で、この「犯人」とされる人物が出港したマリーナオーナーから聞いた出来事を、時系列で書いていく。

時系列、「7月31日」に撮影され、「8月4日」にテレビ放映、「8月5日」に保安庁へ

・2021年7月31日、「危険走行」といわれたシーンが、第三者により撮影される。

・同年8月4日、このときに撮影された「危険走行シーン」が、朝のワイドショーで放映される。

・同日の夕方、その映像を見た水上バイクドライバーの男性が驚いて、出航したマリーナに迷惑がかかったら申し訳ないと、「あれは自分だと思うが、どうしたらいいのか?」と相談に行った。そのとき、海上保安庁に行ける時間ではなかったため、翌日、行くことにする。

・翌8月5日、午前10時にマリーナオーナーとドライバーの男性の2人で、管轄の神戸海上保安庁に出向き、「あの映像に映っているのは、自分です。殺人未遂と言われて驚いた」と事情説明に行った。

海上保安庁では、映像を撮影した撮影者から提出されていた『オリジナル』を見ながら、「自分としては、危険だと思うほど海水浴客の近くを走行していない」と海上保安庁担当者に説明をした。

「とりあえず、何かあれば連絡します」と、なんのお咎めもなく、40分ほどの聴取で「帰って良い」と言われ、海上保安庁を出てきたというのだ。


海上保安庁で見たオリジナル映像は、「テレビで放映されたシーンとは異なっていた」

海上保安庁で見せられた映像は、テレビで放映されたシーンよりも、あきらかに危険度が低いモノであったという。

テレビでは、「シュノーケリングの人が潜った瞬間、頭上を通り過ぎる水上バイク」がであったが、海上保安庁で見た映像では「人が潜ってから少し時間が経って、その上を水上バイクが通過した」ものだったという。

一緒に見ていたマリーナオーナー曰く、「人が完全に潜った“後”に水上バイクが通過しているので、危険かどうかの判断など出来ないはず」という。
むしろ、「水上バイクが危険な走行をしているシーンを撮影したい」という意思を持って撮影していると感じたという。

だからといって「全く危険ではなかったのか?」と聞かれれば、「この映像だけでは非常に判断しにくい」「当日その場所にはいなかったので、撮影者と危険走行を問われている本人しか、本当の事実は判断できない」という。

しかし確実に言えることは、海上保安庁に届けられたオリジナルの証拠映像と、テレビで繰り返し放映されていた、危険走行の映像は“違う”のである。映像が都合よく編集され、事実が歪められていた。

世の中の皆が見て”怒っていた映像”は誰かは不明だが、捏造された可能性が高いのだ。問題のシーンの映像がリアルでないのであれば、危険走行であったのか否かという判断は、出来るわけがない。




危険な水上バイクは、「厳罰に処すべき」という意見には大賛成だが、えん罪で不幸になる人は見たくない

今回の水上バイクの危険走行について、「断固たる厳罰にする」という意思を示したのが明石市の泉房穂市長である。
泉市長は、この映像が放映されたとき、実際に件のマリーナにも足を運んで、オーナーの話も聞いている。

後日、編集部のインタビューに対しても、オリジナルの映像と実際にテレビ放映された映像では違いがあることは認識していたが、「明石市民を守るため、危険走行の水上バイクには毅然とした態度で臨む」という意思を明確にする必要があったと語っている。

「水上バイク全体が悪いのではなくて、危険行為が悪いんです」と、泉市長が一貫してメディアに語っているように、海の街として、「水上バイク」との共存を考えているのだという。


明石市の泉 房穂市長。

メディアによる事実の湾曲

あまりにも世間から叩かれたこの男性は、「もう水上バイクをやめる」と、昨年のうちにマリーナの艇庫も解約している。この新聞記事とは関係なく自らの意思で昨年の秋には完全にやめていたのだ。

明石市はとても良い街だが、決して都会ではない。小さな街だ。この映像が放映されてから、この男性の人生には、かなりの変化があったことに間違いはない。

社会問題化にもなっている「水上バイクの悪いイメージが拡散してしまった」「関係者に申し訳ない」と悔やんでいたと、マリーナオーナーは語ってくれた。

それが、今になってその話題が蒸し返されたことについても疑問に思うし、今年2月に、何と言って、読売新聞の記者は、その男性に取材に応じさせたかも聞いてみたいところでもある。

今回の報道記事を読んだ人は、危険走行をした犯人が「今さらながら出頭して」「もう水上バイクに乗らない」と話しているようにも読み取れる内容だ。事実は違う。テレビで殺人未遂と放送されたことに驚き、戸惑い、昨年の秋には水上バイクをやめていたのだ。

「ニュース記事に対する国民の信用度が下がっている」と、ヤフーニュースの調査報告でも明らかになっている。

今回の読売新聞の記事を読んで感じることは、『悪い犯人が世間の批判に曝され、嘆き苦しんで「もう水上バイクに乗らない」と語っている』ようにも受け取れる内容だ。しかし、彼が危険走行をしたかどうかすら、未だに判明していない。その容疑で書類送検されてはいるが、これから司法によって判断される。

世の中の多くの人が見た「危険走行の映像」が事実なら厳しく罰せられるべきだと思うが、真実でないのであれば、善悪の判断は難しい。

悪質水上バイクを庇う気はさらさらないし、むしろそういったユーザーはどんどん取り締まってほしい。しかし、罰せられるべき人かどうか分からない人まで「叩く」べきではない。


ジェットは爽やかなスポーツだ。

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