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インボイスで漫画家の2割が廃業? 大切なことは “悪法”「消費税・インボイス制度」を知ること。“社会を分断! ”弱い者が、もっと“弱い者”を攻撃する哀しい現実! 水上バイク誌・ライターの嘆き

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「インボイス制度」の問題は、みんなが知らない“税金の制度”だ!

来年(2023年)10月から、「インボイス制度」が開始されると、このところよく耳にする。そして、それに対する反対の運動も各業種から起こっている。
筆者は水上バイク専門誌の外注ライターをしているが、この「インボイス制度」が開始されるので、発注会社から「税務署に行って“登録番号”をもらってきておいてね」と言われた。

来年10月から、請求書に “登録番号”を記載するように指示されたのである。当然ながら私は、年収1000万円には到底届かない「弱小個人事業主」である。何が“どうなる”のか理解できずに不安だった。
今、インボイス制度を反対する運動も各業界で起こっているので、この問題を知っている人も多いだろう。

それで税金のプロフェッショナル、税理士の湖東京至先生に「インボイス制度」とは何かを教えていただいた。

日本全国から、“心ある税理士たち”と、党派を超えた国会議員が集結

今月2日、「インボイス制度の中止を求める税理士の会」が、衆議院第1議員会館大会議室で行われた。この会は、税理士41人が発起人となり、「インボイス制度の中止」を求めて立ち上がった有志グループである。日本全国に“賛同する税理士が500名以上”おり、現在も賛同者を募っている。

この日、会場には200人以上の税理士が集まった。基調講演では、日本大学法学部教授で税理士の阿部徳幸先生が「インボイス制度」の問題点や、この制度を始めることで、どれだけの中小企業や個人事業主が不利益を被るかの具体的な数字を交えた説明が行われた。

阿部先生の講演中に、各党国会議員が挨拶に立ち、「インボイス制度反対」の意を表明してくれた。

今、世間で話題となっている「インボイス制度」とは?

『「インボイス制度」をひと言でいえば「免税事業者を、事実上、“この世の中から無くす”」ための制度である』と、湖東先生は言う。
11月14日、インボイス制度反対を訴える記者会見を、俳優・声優・漫画・アニメ・演劇業界が連携して実施した。
インボイス制度が始まると、エンタメ業界のフリーランスのうち“2割が廃業”するかもしれないといわれている。収入が低い若い人ほど廃業のリスクがあるので、これからの日本の文化の担い手を潰してしまう危機感もあるのだそうだ。

インボイス制度は、年収1000万円以下の個人事業主とその発注者に、新たな税負担や事務負担を求めている。
現在、売上高が「1000万円以下」の事業者は、非課税業者である。国や財務省は、非課税業者に対して現在の税制では課税できない。
その非課税の業者に対し、自主的に「課税業者になれ」と巧妙に仕向ける制度なのだ。『インボイス制度が始まったら、年収1000万円以下の事業主の年収が「1割」減る』という試算も、税理士の間では出ているそうだ。

エンタメ業界のフリーランスの“2割が廃業する”理由は、年収1000万円以下の個人事業主が多いから

日本の社会を構成する最も多い層はサラリーマンである。サラリーマンには、免税制度など存在しない。だから「自営業者はズルをして、消費税を払っていない。それを擁護する法律自体が“おかしい”」「インボイス制度に賛成」という声をよく聞く。

しかし、その捉え方は間違っている。
多くの人から「ズルをしている」と思われている“免税制度”は、なぜ存在しているのだろうか?

国が必死でなくしたい。免税制度「1000万円以下は免税」は、“なぜ”できたのか?

なぜ、「1000万円以下の売上の零細事業者」に免税制度が出来たのかといえば、33年前の1989年に初めて消費税を導入したときまで話は遡る。 33年前の消費税導入時、零細事業者や中小企業が猛反対をした。最もメディアに取り上げられた反対勢力が、町の“商店街のオーナーたち”である。

そのころダイエーグループやイトーヨーカドーなどの“大規模なショッピングセンター”が次々と建ち、経営の立ちいかなくなった“小規模小売商店”が閉店に追い込まれていった。この問題は「シャッター商店街」とも呼ばれ、社会現象としてマスコミにも大きく取りあげられていた。
“商店街のオーナーたち”は「こんな状況で消費税を導入されたら、我々は“立ち行かなくなる”」と、訴えていたのだ。

そこで国がやったことは、「売上“3000万円以下”の事業者を免税事業者とする」というものだった。
『「免税した分、大規模なショッピングセンターより売値を下げられる。それで、十分に戦えるでしょう」というのが国の言い分である』と、湖東先生は言う。そう言って、消費税導入を説得したのだ。

それが平成16年4月1日から「1000万円以下」にまで免税額を引き下げてしまったのだ。

自営業者の年収1,000万円と、会社員(サラリーマン)の年収1,000万円では、手取り額が大きく違う

自営業者と会社員では、同じ「年収1,000万円」といっても、実際に手にする金額は違う。年収から“仕入れや必要経費”を差し引いたら、いくらも手元に残らない。 さらに「年金」や「退職金」を自前で用意しなければならない自営業者は、サラリーマンと比べて手取り額が非常に少なくなる。

一説には、自営業の年収1,000万円の手取り額は約540万円といわれている。
会社員の年収1,000万円の手取り額は約740万円といわれ、同じ「年収1000万円」といいながら、実際には会社員のほうが200万円も多く貰っている計算になる。

売上1000万円から、原価や経費を差し引いたら“いくら”も残らない

当然、年収1000万円に満たない小規模事業主も数多くいる。そんな人から税金を徴収しようとすれば、滞納ばかり増えてくる。今がまさにその状態だ。
従業員が自分1人だけなら良いが、2人以上いれば「売上1000万円以下」では経営が“しんどい”。

俳優・声優・漫画・アニメ・演劇業界などがインボイス制度反対を訴える記者会見を開いたが、『このまま制度が始まれば、一生懸命自分の職業を「生業」だと信じて取り組んでいる人に対する攻撃としか言いようがない』と、今回、取材した税理士の会でも話題となっていた。

「インボイス制度」の導入で、「免税事業者のままでは商売ができない」仕組みとなる。これは「国の詐欺」である

「インボイス制度」というのは、免税事業者が「自ら課税事業者へと“変わる手続き”を行う」制度なのだ。「経済的弱者」からも税金を徴収するための制度である。許しがたいのは免税事業者が「インボイス制度」という仕組みを理解していない状況で手続き行わせているということだ。

「消費税」という法律も、導入から既に33年間も経過しているにもかかわらず、ほとんどの日本人が正しい理解をしていない。為政者は国民が正しい知識を持っていない方が何かと都合が良いのだ。

『財源が足りないというのなら、まずは「消費税」という不公平な悪税をなくし、消費税の導入以前の「法人税や所得税」のみの税制に戻す必要がある』と、湖東先生は何度も語ってくれた。

国の嘘! 「消費税」は、「消費者とは無関係」の税金。消費税は、「消費者からの“預かり金”」ではない

消費税やインボイス制度を語るとき、決まって言われることがある。『我々が払った消費税を、納めるのは当たり前だ』である。

「ジュースを買うときも消費税を払っている。免税事業者であろうが“ネコババするな!”」と言われる。しかし、この考え方が間違いだ。
購入したジュースの代金は、「消費税が含まれた金額」ではなく、純然たる「ジュースの代金」なのである。税金分が含まれたので「値上げされた」と思わされている、国から騙された商品代金なのである。

『それを裁判所に訴えた人がいますが、その判決に「消費者が払っていると思っているのは錯覚ですよ。あれは“消費税”という税金ではありません。あれは“物価の一部”です」と言う内容が書いてあります。つまり、値引き販売ならぬ「値増し販売」です』と、湖東先生。

商品代金に消費税は含まれていない、消費税とは事業者が支払う税金

「消費税」は、あえて“分かりにくく”している税金なのである。 「消費税」は事業者に対して「売上から10%納めろ」というルールである。商品価格に含まれていて、事業者が「消費税」を預かっているイメージだが、これが大きな間違い。「預り金」ではないのだ。

財務省のホームページの中にも、『事業者に課せられる消費税相当額は、“コストとして販売価格に織り込まれ”最終的には消費者が負担することが予定されています』と、分かりにくく、しかし、ハッキリと書かれている。

「消費税」という税金は、小売りの“1個1個にかける”税金ではない。我々が「消費税」だと思って払っている金額は、あくまで「商品代金」である。事業主は、消費税を「預かっている」のではなく、「自ら税額を計算して申告し、納税する」ものだということを分かってほしい。

このことを、導入されてから33年経った今でも“知らない人”が多すぎる。
再度言うが、「消費税」は、「消費者とは無関係」の税金である。「消費者からの“預かり金”」ではない。挙句の果てに、自分たちの支払った「消費税」を免税業者がネコババしていると非難する。これはある種の貧しき者同士の悲しい分断だ。

「消費税」は大企業の税負担を軽減するための不公平な税制なのだ。非難する相手は免税事業者ではないはずだ。
これは、頭の良い財務省の「巧妙な詐欺」といってもいいだろう。

「消費税」を巡る、弱い者同士の「分断」

「商品価格であって、消費税は関係ない」と判例でもハッキリと出ている。それなのに、国は「税抜き価格」「税込み価格」と言ってみたりする。

昨年(令和3年)4月1日から、税込価格の表示(総額表示)が必要となった。従来までは「商品代金+消費税」表記でよかったものが、「税込み価格」を表示しなければならなくなった。
国は「商品価格と消費税は別」と自ら言っておきながら、日常では「税込み価格表示」と言う。商品に「消費税」が含まれていると誤解させているのだ。

そのため、“ごく普通の人たち”が、「我々が支払った消費税をネコババするな」と、間違った見識を掲げる。これこそ、普通の国民の「悲しい分断」の原因なのである。

税や国の仕組みが作り出す「格差社会」。消費税を導入した結果、「金持ちと貧乏の格差」が広がった

国は、国民の味方をせず、法人税を下げて大企業に尻尾を振った。「輸出企業のための超優遇政策」。それが「消費税」という税制の本質なのだ。
それを正すには、「輸出大企業だけを優遇する消費税を廃止して、下げた法人税や所得税を、消費税導入前の税率に戻すだけで十分だ」と、湖東先生は言う。

現在のような、高額所得者や大企業の負担が減って、所得の低い者や、赤字の企業まで満遍なく税金を徴収する「消費税」という制度が続けは、持てる人は“より富み”、中間層以下は“より苦しむ”ようになる。

本来、文句を言うべき相手は、「自分たちに比べて優遇された税制を享受している大企業や資本家たちに」であるべきだ。文句を言わなければいけない相手を間違えて、より弱い者を攻撃することはあってはならないことである。

「インボイス制度」とは? 国と税務署が一体となった詐欺だ! 消費税と同じ、お金のない人から税金を徴収するための制度! 消費税の権威、湖東先生に聞く

 法律で認められた国民の権利「納税義務の免除」を“国が”なくす!その“姑息な手段”が来年10月から採用する「インボイス制度」だ⁉ 消費税の権威、湖東先生に聞く


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