6月16日(金)~18日(日)の3日間、猪苗代湖・崎川浜海水浴場(福島県・会津若松市)において、「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2023 3st STAGE」と「AQUA BIKE 全日本選手権シリーズ(国土交通大臣杯)」の2カテゴリーのレースが開催された。
梅雨の6月でありながら、天気は両日ともに晴天。夏の爽やかな気候の中、レースが開催された
ここでは、「B SKI STK」「B SKI-X STK」「SKI SuperJet」「M Ski GP」「M Ski GP」「M Ski」「M SKI-X」と、VINTAGEクラス「550(A)」「550(B)」「X-2 650SX」「SKI(800) X-2(800)」クラスを紹介する。
B SKI STKクラス、スタートシーン
片山 龍星選手は、2ヒートともトップフィニッシュの完全勝利。
片山 龍星選手(写真左)の兄は、プロスキークラスの片山 司選手(右)、父は名マシンコンストラクターの片山 強司氏(中央)。ジェットレース界のサラブレッドである。
三世川 裕洋選手は、MOTO 1、MOTO 2ともに2位。
齋藤 孝選手は、MOTO 1で5位、MOTO 2で3位の総合3位。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 片山 龍星(ZERO) |
2位 | 三世川 裕洋(マリンメカニック) |
3位 | 齋藤 孝(Team EAST JAPAN) |
4位 | 西川 修(SNF Racing Team) |
5位 | 三宅 翔也(超Ponkan Racing) |
6位 | 勝村 正生 |
7位 | 柴原 俊(F51) |
8位 | 三上 定裕(Ace Japan) |
9位 | 熊谷 孝義(team EAST JAPAN) |
10位 | 高橋 伸裕(TKRレーシング) |
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 西川 修(SNF Racing Team) |
SuperJetだけのクラスが今シーズンから作られている。
梅原 雄一選手は、MOTO 1で3位、MOTO 2で1位。2位の紺田 茂生選手と同ポイントだったが、規定により総合優勝を手にした。
梅原選手ファミリー。お嬢さんは本誌、初登場。
MOTO 1でトップフィニッシュした紺田 茂生選手。梅原選手と同ポイントながら、直近の成績で順位が決まる規定により総合2位となった。
2ヒートとも2位と、安定した成績の佐野 信一選手。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 梅原 雄一(USKN-RACING) |
2位 | 紺田 茂生(フォート マイヤース F.R) |
3位 | 佐野 信一 |
MOTO 1、MOTO 2ともに1位を獲得し、文句なしの優勝を飾った上坂 和成選手。
MOTO 1、MOTO 2ともに2位の山地 達也選手。
増田 健二選手が総合3位。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 上坂 和成(TEAM seaZracing) |
2位 | 山地 達也(JETS HAVAS) |
3位 | 増田 健二 |
M Ski クラスは、ベテランライダーがしのぎを削る。
緊迫のスタートシーン。
木村 友治選手は、MOTO 1で2位、MOTO 2で1位で総合優勝。
山本 茂晴選手は、MOTO 1で1位、MOTO 2で2位と、木村選手と同ポイントながら規定により優勝を逃した。
中島 優選手は、MOTO 1、MOTO 2ともに3位の総合3位。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 木村 友治 |
2位 | 山本 茂晴(ZERO) |
3位 | 中島 優(USKN-RACING) |
竹内 武年選手は、2ヒートともトップフィニッシュ。前回に引き続いての完全勝利。
北田 吉弘選手は、MOTO 1、MOTO 2ともに2位。
宮本 稔選手は、MOTO 1、MOTO 2ともに3位の総合3位。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 竹内 武年(Team EAST JAPAN) |
2位 | 北田 吉弘(Sea遊sports) |
3位 | 宮本 稔(Very Fast Racing) |
550クラスはエントリー数が多いので(A)と(B)に分かれている。総エントリー数は20名。昭和生まれの名機「550」が、令和5年に輝いている。
仲がいいが、ライバル心を燃やす550(A)クラスの面々。写真左から加藤 豪選手、芳賀 毅選手、村尾 高明選手。
令和の今とは思えない「550」が並ぶスタートシーン。550クラスの出場マシンは、DEVIL村尾プロデュースが大多数を占める。
550は、どのマシンもキレイなカラーリングだよ!
2ヒートともトップフィニッシュで、第1戦の雪辱を果たした芳賀 毅選手。
今大会の走りはギャラリーを魅了した。ベテランでテクニシャンの本領発揮。
村尾 高明選手は、MOTO 1で2位、MOTO 2が3位で総合2位。
家中 克弥選手は、MOTO 1で3位、MOTO 2で4位の総合3位。
「まず石田先輩を倒したい」と、目標になっている石田 仁彦選手は総合4位。
山岸 孝善選手の走り。
第1戦で優勝した加藤 豪選手は、今回は不本意な結果に終わった。
スタート直前。緊張が見える加藤選手。
安達 俊一選手の走り。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 芳賀 毅(55HEAVEN) |
2位 | 村尾 高明 |
3位 | 家中 克弥(KHKレーシング) |
4位 | 石田 仁彦(55HEAVEN) |
5位 | 山岸 孝善(マキタレーシング) |
6位 | 加藤 豪(55HEAVEN) |
7位 | 安達 俊一(マキタレーシング) |
「550」にエントリーしているレーサーは、みんな楽しそう。
550(B)クラスも混戦模様。誰が勝ってもおかしくない。
第1戦に続いて、2連勝の田﨑 由之選手。
2連勝した田﨑選手は、今後、他の選手からのマークがキツなるはず。DEVIL村尾マシンが多い中、田﨑選手は自家製マシンで勝っている。
陣川 道子選手が総合2位。
第1戦同様に総合3位となった紺田 茂生選手。
大中原 育美選手は、レース中盤まではトップを独走していたが、途中でバランスを崩し、惜しくも4位。次戦の大本命!?
若林 利雄選手の走り。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 田﨑 由之(KHKレーシング) |
2位 | 陣川 道子(55HEAVEN) |
3位 | 紺田 茂生(フォート マイヤース F.R) |
4位 | 大中原 育美(55HEAVEN) |
5位 | 若林 利雄 |
6位 | 長松 アレックス一博 |
7位 | 洲澤 啓司(フォート マイヤース F.R) |
8位 | 七海 勇一(マキタレーシング) |
最高齢レーサー・中地 淳一選手が前回から続いての2連勝。
MOTO 1でトップフィニッシュの井上 良和選手が総合2位。
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 中地 淳一(KHKレーシング) |
2位 | 井上 良和(AG-Racing) |
順位 | ライダー名(チーム名) |
---|---|
1位 | 洲澤 啓司(フォート マイヤース F.R) |
今大会、JET PILOTのブースが出展されていた。
Jettribeのブース。国内では、まだ新しいメーカーである。
レース会場を盛り上げてくれるMCサコちゃん
応援に駆け付けた、ベテランレーサー。
村尾選手(写真左)は、「550」マシンのコンストラクターでもある。
JJSAの事務局長/総合窓口となっている柚木 誠氏。ミーティングの際、「騒音問題が取り上げられています。近隣住民のため、音には十分に注意してください」と、注意喚起を行う。
レース前に行われたライダースミーティングの際、選手たちを前にしてJJSAスタッフの柚木氏が、「騒音に関する問題は、緊迫している」と話した。
現在、ジェットを取り巻く環境は厳しい。レースを主催するための許可も含めて、「近隣住民の理解が得られない」事例が増えているのだ。
パワーボートや、他のマリン系モータースポーツでは、多少音がうるさくても、それほど住民からの苦情もない。ではなぜ、ジェットだけがそこまで忌避されているか。それは、近年特にひどくなっている「ジェットに対するイメージの悪さ」としか言いようがないだろう。
定められた音量を守り、近隣に配慮してレースを行っていても、「ジェット」というだけで目の敵にされてしまう。
良くも悪くも、「レース」というのは注目されやすい。野球やサッカーを始めとするどんなスポーツでも、素人は「プロの真似をする」。「プロがやっていることなら間違いないだろう」と思うからである。水辺でのレーサーの立ち居振る舞いを見て、一般のユーザーが学んでいくのだ。
この会場に来ているレーサーたちは、地元のゲレンデに戻ったら、間違いなく「エースで4番」だ。「見ていない」と思っていても、じっとレーサーの振る舞いを見ている。
今回、柚木氏が「問題の共有」を行うのは、非常に良いことだと思った。
「水上バイク=悪」であり“うるさい輩”と一般の人に思われていることを、レーサーが変えるチャンスでもある。レーサーの振る舞いひとつで、「輩」から「ステキなスポーツマン」に変わる。
ジェットのイメージが最悪な現在、各地のゲレンデに戻ったら、一般の人の「模範」となる行動をとって欲しい。
ひいてはそれが、このスポーツの未来へと繋がるのだ。ジェットスポーツ界にとって「レース」は、なくなってはいけない存在だ。
「レース」があることで、唯一、「ジェット」が単なる夏の水遊びではなく、「スポーツ」であり続けられる証でもある。
レーサーは「ジェット界のエースで4番」。
【RACE】国内レース 「VINTAGE CLASS 特集」 【山口県・周防大島大会】「2023 JJSA・開幕戦 1st STAGE リザルト」
【関連記事】
”チョット立ち読み” ワールドジェットスポーツマガジン「 2023年 5 月号 」 ただ今、まるごと1冊”無料公開中” 「時間がナイと読めません!」シーズン到来 200ページ超えの大増量!
日本パワーボート協会物語 Ver.1「パワーボート」という競技を知っていますか?「パワーボートの今」を作った「小嶋松久」氏
国産初のF1「KE007」が富士スピードウェイを走った日 コジマエンジニアリング・小嶋松久氏が語る Vol.1
2023年 BRP SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル国内全モデルラインナップ
2023年 ヤマハ Wave Runner(マリンジェット) ニューモデル国内全モデルラインナップ
「ホンモノの男物語」今から59年前の21歳でレースデビュー。鈴鹿サーキットで開催された「第1回全日本選手権ロードレース大会」に初出場! 80歳の現役最高齢レーサー「中地淳一さん」インタビュー
良いジェットショップの選び方