ぬくぬくキット取り付け方法 ジェットスキー(水上バイク)
SX-Rにぬくぬく温水キットを取り付ける
冬場のライディングを劇的に変えてくれる「ぬくぬくキット」。今回は、手だけでなく足にも温水を引いてみた。教えてくれるのは「30年前から、ぬくぬくキットを付けていた」と言う、本誌でおなじみのコンストラクター・藤江功一氏。これで、冬でも楽しいジェットライフが過ごせます。手足が温かいと、それだけで幸せになれる。
ぬくぬくキットで用意するもの

今回使った材料。太さ6mmのホース(ポリウレタンチューブ)3m、T字パイプ2個(写真左上)。このほかに、タイラップと太さ調整用の8mmホース(30cm程度)があればOK。材料費はおよそ2,000円。
エンジンのどこにホースを繋ぐの?

温水は、シリンダーヘッドから出る排気系の冷却水を利用する。
エンジン側の作業手順
1 最初から付いているホースを外す。このホースは、右前方の検水口に繋がっている。
2 もともと付いていたホースは、検水口から水が入って逆流しないように、ホースを折ってタイラップで塞ぐ。ちなみに、夏になったらこのホースと、ぬくぬくキットのホースを繋ぎ替えればお湯は出なくなる。
3 外したホースがブラブラしないように、水洗用ホースにタイラップ留めして固定する。
4 今回は、足にもお湯を分岐させるため、T字パイプを取り付ける。
5 シリンダーヘッドの出口が8mmなので、6mmのホースの上から調整用に太さ8mmのホースを差し込む。
6 エンジンルーム内で邪魔にならない長さにする。今回は5cmくらいにした。
7 シリンダーヘッド側とT字パイプ側の2カ所をタイラップ留めする。
8 ホースをハンドルポールの中に通す。ハンドルポールの根元まできたら、ブーツの中を通してエンジンルーム内に引き込む。
9 エンジンルーム内にホースの先端が出たら、取り付けたT字パイプに届く長さまで引っ張る。
10 T字パイプに接続する。これでエンジンルーム側の作業は終了。
ハンドル側の作業手順
11 次はハンドル側。水をハンドルの左右に分けるため、T字パイプを取り付ける。
12 ハンドルの動きを阻害しない位置に、タイラップで固定する。
13 必要な長さにホースをカットする。
14 ちゃんと手にお湯が当たるようにホースの中にワイヤーを入れ、自在に形を変えられるようにした。
15 シャワーのようにお湯がかかるように、熱した千枚通しで必要な数の穴を開ける。
16 お湯が抜けないように、ホースの端は熱したペンチなどで圧着しておく。
17 アクセルワークは特に重要なので、お湯がかかるけれど、邪魔にならない場所を決める。
18 左側は、スタート&ストップボタンを避けて取り付ける。
19 ハンドル側は完成!
足もぬくぬく作戦
20 足もとにお湯を出すために使った材料。純正の検水口をお湯の出口として使うことにした。
21 穴を開ける位置に印を付ける。場所は、自分がお湯を出したいところ。
22 ドリルでていねいに穴を開ける。大きすぎると修正できないので、検水口の大きさを見ながら少しずつ開けていく。
23 内側のバリは、カッターナイフなどで削っておく。
24 検水口とL字パイプをタイラップで繋げる。
25 エンジン側のT字パイプにホースを繋いで、開けた穴から出す。
26 6mmのホースの上から太さ調整用の8mmのホースを差し込む。
27 検水口とホースをタイラップで留めて、開けた穴に差し込んで完成。
28 まるで最初から付いていたような雰囲気に仕上がった。手で左右に動かせる。私は左足を前に出して乗るので、左側にお湯が出るように向けた。
3つのワンポイントアドバイス
ポイント1 抜いたホースの処理方法

水が逆流しなければいい。ただし、ぬくぬくキットが不要な時期になったら、元に戻せるようにしておくこと。例:8mmのボルトで栓をする(写真左)。ホースを縛る(右)など。
ポイント2 手を傷つけないタイラップの断面の作り方

両刃のニッパーで切ると、断面が斜めになり、タイラップの切り口が尖ってしまう。エンジンルームに手を入れたとき、引っかけてケガをする可能性がある。写真左:両刃のニッパーを使うと切った断面が鋭利になるので、手をケガしやすくなる、右:片刃のニッパーを使うと、平らな断面になるから安全。
ポイント3 穴をあけずに「ぬくぬくキット」を装着する方法