中古の“水上バイク” を購入した場合、必ずやらなければならないのが「名義変更」です。もし、船舶検査証書の有効期間が過ぎていたら(船検切れ)、新たに検査を受ける必要がありますが、ここでは名義変更についてだけ説明します。
ジェットショップで中古艇を購入した場合は、事務手続きは全てショップでしてくれるので安心です。
しかし、個人売買や、インターネットオークションでジェットを購入したら、名義変更などの各種手続きは自分でやらなければなりません。
個人売買では、購入者が必要な書類を把握しておかなければトラブルになりやすい。「必要書類は何か?」をしっかりと把握していないと、あとあと、名義変更ができないというケースになりかねない。「ノークレームノーリターン」の闇は深いです。購入する前に、しっかりと確認しておきましょう。
中古艇を購入した場合、各種変更は買った人がやらないといけません。
購入後、絶対にやらなければいけない届け出は、次の2つです。
1 「変更・移転登録(所有者名義変更)」
2 「検査証書の所有者書き換え」
これを怠ると、30万円以下の罰金刑が科せられることもあります。
参考資料:小型船舶の登録等に関する法律
第十条 登録小型船舶について所有者の変更があった場合には、新所有者は、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、移転登録の申請をしなければならない。
同法第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。(略)
二 第九条第一項、第十条第一項又は第十二条第一項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者(以下、略)
1 売り主から、必要な書類を揃えてもらう
↓
2 名義変更に必要な書類を揃える
↓
3 変更のための手数料を、銀行もしくは郵便局で支払う
↓
4 書類が全て揃ったら、小型船舶検査機構(JCI)に申請に行く
※必要な書類については、下記を参考にしてください。
1 譲渡証明書(旧所有者の実印が押されたもの)
2 譲渡人(売り主)の印鑑証明書(3カ月以内に発行されたもの)
3 船舶検査証書
4 船舶検査手帳
※前の所有者の住民票(譲渡証明書の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合のみ)
売り主が良識のある人なら問題なく書類を貰えるでしょうが、詐欺まがいの売り主の場合、必要書類を貰えないというトラブルも実際に起きています。
準備する書類は、JCIのホームページからダウンロードできます。
1 変更・移転登録申請書(ご自身の実印の押印が必要)
2 ご自身の印鑑証明書(申請日から3か月以内の発行)
3 船舶検査申請書
4 書換申請書(中間検査の場合のみ)
5 手数料払込証明書(金融機関で手数料を振り込んだ際の証明書)
変更登録および移転登録を同時に申請した場合(船舶の確認または測度を要しない場合に限る):2,950円。
移転登録のみでも2,950円。船検が切れていたら、船検費用が11,600円かかります。
海事代理士などの代行業者に依頼することも可能です。その際は、代行費用が別途かかります(依頼した業者や依頼内容によって代金は異なります)。
売り主から貰った書類と自分が用意した書類を持って、管轄の小型船舶検査機構(JCI)の窓口で申請を行います。
中古艇の譲渡は、登録の要否や船舶検査の要否、検査の種別(定期または中間の別)、所有者および船籍港以外の変更事項の状態により、とても複雑な手続きが必要です。特にインターネットオークションでは、「ノークレームノーリターン」が基本となるので、信頼できる人から購入しないと、あなたが大変です。
わりと聞くトラブルが、「所有者が誰か分からない」というものです。クルマと違って、“水上バイク” には税金がかかりません。そのため、名義変更をしないまま、人から人へ“水上バイク” が渡っていくことが良くあります。ネットオークションで買った“水上バイク” には、書類はおろか、所有者が誰かすら分からないものを押し付けられていたなんてこともあります。
ようやく所有者を探し当てたら、その方がすでに亡くなっていたというケースもあります。その場合、相続人調査など、もう個人では解決できないほど膨大な書類と時間が必要となります。
結論としては、中古艇を購入するときは、「信頼できるジェットショップで購入しましょう」。これに尽きます。ジェットショップで買えば、その後のアフターケアも安心です。
ネットオークションで“水上バイク” を購入してもいい人は、名義変更、船舶検査、修理、メンテナンスも含めて「全ての責任を自分で持てる人」だけです。
*個人間で売買する盲点 法律で定められている「名義変更」が出来ない!?
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