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ジェットスキー取扱説明書(新艇時) Part.3「ケミカル剤」(3/7)

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3 自分でやる、ケミカル剤の塗布

WJS Part.1では、船体にガラスコーディングを施したほうがいいというお話でした。ほかにも、やっておいたほうがいいことはありますか?
鈴木 「錆止め」です。生のアルミニウムは、全く油っ気がありません。錆止めを塗っておけば、水を弾くので、錆が発生しない。それが、一番最初にやることです。あとは、エンジンの冷却水が、ちゃんと流れているか確認する。ウチは、納品前に全部ショップでチェックしていますが、もしやっていないようだったら、水まわしと同じような感じで、家で1回エンジンを回してみる。そうすれば、水がちゃんとまわっているか分かりますからね。

WJS 水洗いと同じ要領で確認すれば良いんですね?
鈴木 そうです。

WJS スズキマリンでは、錆止めはどこの製品を使っているのですか?
鈴木 ウチがお勧めしているのは、WAKOS(ワコーズ)の「ラスペネ」です。あれをエンジンの下のほうに吹いておけば、塩水がかかっても、底はほとんど錆びません。あとは、ちょっと妥協してKURE「6-66」。この2つです。なぜかと言うと、ターゲットが塩水だから。ウチでは、塩に強いケミカル商品ばかりをラインナップしてます。あと、「ソルトアウェイ」なんかも良いと思いますよ。

写真左:スズキマリンで使用している防錆剤。小さいほうがKURE「6-66(KURE 5-56のマリン版)」。大きいほうがWAKOS(ワコーズ)「ラスペネ」。写真右:ソルトアウェイ。

WJS ソルトアウェイは、乗った後の洗浄用だと思っていたのですが、乗る前に使うのですか?
鈴木 乗る前に「ソルトアウェイで、1回、エンジンを洗うのはどうですか?」って聞かれたら、「やらないより、絶対にやったほうが良い」って答えます。なぜかというと、ソルトアウェイはエンジン内部をコーティングしてくれる。だから、塩水が通るところに、先にコーティングしておけば、塩が付きにくくなるのは当然です。

WJS ソルトアウェイは、それほど高価ではないのですか?
鈴木 高くないです。お客さんには、「仲間同士で買ってシェアすればいいよ」って言っています。毎回やる必要はないし、2回乗ったら1回やるとか、1カ月に1回とかでいい。ミキサーだって、1個買って交代で使えば良いからね。エンジンをバラすと分かるんですけど、裏側の塩水が流れている経路には、塩の塊が多いですよ。

WJS それは、普通のユーザーには見えないところですね。
鈴木 ただ、そういうのを見ちゃうと、「コーティングをやっておけば良かったな」って思います。人間のお医者さんで例えると、僕らは内臓を見てるようなものですから。

WJS 錆止めは、どこに塗布すればいいですか?
鈴木 まずは、ポンプまわり。ここは、最初にかけておきたいところです。ノズルからポンプも含めて全部です。生のアルミニウムはコーティングされてないんです。コーティングしてあるアルミニウムは、「アルマイト処理」といって光沢がある。ピカピカしているやつは、コーティング処理が施されているので錆びにくいです。SX-Rは生のアルミニウムなので、すぐに塩が付いて、白くなります。それを防ぐために、ラスペネを1度吹いておきます。

WJS どれくらいの量を吹き付ければいいですか?
鈴木 ベタベタで良いですよ。インペラまでやっちゃってください。

WJS スコープゲートの中にもかけたほうが良いのですか?
鈴木 はい。こうやっておけば、錆びる要素がなくなりますよね。ラスペネでも6-66でもやり方は一緒。可動部分のすべてにかけちゃって大丈夫です。

「ゴム」には絶対にケミカル剤をかけてはいけません。
「ケミカルアタック」といって、素材が劣化してしまいます。

WJS これでポンプまわりは終わりですね? 他は、どこにかけるのですか?
鈴木 エンジンルームです。ここには、ケミカル剤をかけちゃいけない場所があります。まずは「ゴム」系。パイプ類など、ゴムのところは、全てダメです。かける必要がないのが「プラスチック」。かけても劣化はしないけど、意味がないです。

WJS もし、ゴムのように、「かけてはいけないところ」にかかってしまったら、どうすればいいですか?
鈴木 ウエスで、キレイに拭いてください。それと、金属のところも吹き付けたあと、ウエスで伸ばしてあげる。一番良い状況は、「しっとり感」。まんべんなく、表面だけキレイに塗ってある状態です。

WJS よく、ケミカル剤をかけ過ぎて、液がたまってしまうことがあります。
鈴木 そのまま放置していると、だんだん黒くなっちゃう。ケミカル商品を重ねて塗ると、ゴミも一緒に付いてくるから真っ黒になっちゃうんです。錆びていないけれど、真っ黒のエンジンってあるじゃないですか。あれは、ケミカルを吹き付けているだけで伸ばしてないからです。ひと手間かけるだけで、良い状態が長持ちするんですよ。これを、エンジン全て、マフラー系から何から何までやります。

WJS ラスペネが1本あれば、十分なんですか?
鈴木 そうです。あとはウエスを用意してもらえば、それで十分。これだけやれば、愛着心がわいて、もっと自分の宝物を大事に扱おうとするようになりますよ。

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