ジェットスキーにガソリンを入れようとして、ガソリン携行缶のキャップを不用意に開けてしまったがために、ガソリンが噴き出したという経験を持っている人もいるでしょう。ヤバいと思ったときにはあとの祭り。私も、噴き出すガソリンに、なすすべもなく茫然とした経験があります。今回、意外と忘れがちなガソリン携行缶からの給油手順を紹介します。
ガソリン携行缶が熱を持っている時は作業禁止です。常温になるまで冷ましてから給油作業を行います。ちなみに、ガソリンは揺り動かすと静電気を発生します。この火花の原因となる静電気を逃がすためにも、絶対にガソリン携行缶は金属製でなくてはダメです。
中のガソリンが落ち着くまで少し待ちます。
ガソリンは揮発性が高いため、−40℃でも気化します。そのため、携行缶の内側は、気化したガソリンで高い圧力がかっています。エアー抜きをせずにキャップを開けると、内部の圧力でキャップが吹き飛んだり、中のガソリンが噴き出る恐れがあるので、エアー調整ネジを少し緩めて「シュー」という音がしなくなるまで待ちます。気化したガソリンが空気中に放出されるため、タバコや火気は厳禁です。
「シュー」という音が止まったら、エアー調整ネジを軽く締めます。エアー抜きが完了したら、ゆっくりとキャップを開け、給油ノズルを取り付けます。
ジェットスキーに給油するとき、エアー調整ネジは締めたままのほうが、ここからガソリン漏れません。エアー調整ネジが開いたままだと隙間から空気が入り込み、ノズルから大量のガソリンが流れ出ます。
ガソリンは、残さず全量入れます。入れ終わったら、キャップとエアー調整ネジを確実に締めます。どちらかが緩んでいると、気化したガソリンが漏れ出して危険ですし、内部がすぐに錆びてしまいます。
一度使った携行缶に再びガソリンを入れるときは、残っていたガソリンが気化して、内部の圧力が高くなっていることがあります。エアー調整ネジを緩めてエアー抜きをしてから使用しましょう。
また、キャップとエアー調整ネジには、気密性を保つためのゴム製のパッキンが組み込まれています。空のガソリン携行缶を長期間保管するときには、キャップとエアー調整ネジを緩く締めておきます。こうすると、パッキンの変形や劣化を軽減できます。
間違ったガソリン携行缶の使い方をしたことで、年間1,000件以上も事故が発生していると言われています。事故を起こさないためにも、正しい使い方をしましょう。
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