真夏、シーズン真っ盛り、水上バイク屋さんは大忙しだ。毎年、この頃に決まってショップ店長のボヤキが聞こえる。お客さんから、「“ちょっと見てよ”」と言われる季節になったというのだ。彼が忌み嫌う言葉が、この「ちょっと見てよ」なのである。
つい先日の話だ。
その店長とゲレンデを歩いていたら、気のいい彼に、顔見知りが声をかけてくる。その中で、お客さんらしき1人が寄ってきた。
「店長、僕のジェット、ちょっとだけ見てくれませんか?」
どうしたの? と店長が聞くと、「気のせいかもしれないけれど、何となく違和感があるから、ちょっと見に来てほしいんです」とお客さん。
そのとき、いつも温厚な店長が困った顔で、「すみません、今ちょっと手が離せないので、また今度」と、ていねいに断って私のほうに戻ってきた。
彼らしくない。冷たい対応をする店長に対して、「見てあげればいいのに」と思った私。すると、私の心を読んだようにこちらを向いた店長から出た言葉は、「“ちょっと見て” っていうのが、一番タチ悪いんだよ、まったく……」だった。
聞いてみると、ジェットショップという商売ならではの、深~い悩みがあったのだ。
お客さんとの関係は、良好であるにこしたことはない。「ちょっと見てよ」という言葉は、そんな良い関係が壊れる原因になるという。
あきらかに壊れているなら、対処はラクだ。店長もお客さんも、そこを直せば良いだけだから。
「ちょっと見て」で困るのは、何も分からないこと。
所有者にも説明できない微妙な違和感、「以前より、吹け上がりが悪い “ような”……」「加速か、最高速が遅くなった “気” がする……」「何か、音が前と違う “かも”……」。
「ちょっと見て」というのが、不具合なのか気のせいか、正確には判断できない。
こういう微妙な違和感こそ、徹底的に調査しなければ原因が分からないのだ。
病気で例えると、末期ガンならすぐ見つかる。しかし、症状の出てない「早期発見は、大変」ということと同じだ。体が、「何となく”具合が悪い”ような気がする」の状況では医者に行かないで、”しばらく様子をみよう”と考える人の方が多いはずだ。そして明らかに”おかしい”と感じた人が医者に診てもらうのだ。
明かに具合が悪いことを自覚している場合は、「ちょっと見て」どころの話ではなく、精密な検査をして、徹底的に原因を追究する。判らなければ、病気を治せないからだ。
そうすると、ショップ店長に客が言う「ちょっと見て」は、病気で言う”精密検査”や”人間ドッグ”のような話であろう。現在は自覚が何もないのだが、「完璧に健康か」短時間で、しかも無料で、調べてくれ!と言っているのだ。
精密検査や、人間ドッグなら、行く方も1日がかりで、時間も費用も大変さも理解している。それに対して、ジェットユーザーの場合は、お手軽に「無料でやれ」っと言っているのだ。
ジェットユーザーの皆さん。
店長の密かな悩みを知ったうえで、「違和感を感じたら」、「おおごと」を覚悟して、最悪の場合、「料金が発生しても良いので完璧に修理して」と意思を伝えて下さい。
最も良い方法は、優良なショップを選んで、毎年メンテナンスをお願いしながら、良い関係を続けていくことです。
あなたと「一生涯、付き合う」とショップが考えたならば、そのジェットは「面倒を見るべき」ジェットに変わります。極端な言い方をすれば、そのショップのジェットなのです。
いつ自社の中古艇として販売するかも分からないジェットが「何か変?」な状態で放っ置くわけがありません。優良なショップを探して、そのショップに大事にされる客で居てください。それが最良のジェットライフを送る秘訣です。
優良なショップならば、お金持ち云々かんぬんは関係ありません。あなたの人柄が大事なのです。ジェットの定価も修理代もすべて決められていますので、お客はすべて同じなのです。金持ちから、ぼったくるのは「悪徳ショップ」こちらから断りましょう。
関連記事
店の大きさや、値段の安さは関係ない!良い“ジェット ショップ”の選び方。
ジェットスキーの免許の取り方
今、「初心者」が、買うべき水上バイクは?(ジェットスキー)
しないと壊れる、ジェットスキー(水上バイク)の慣らし運転
2022年 “水上バイク”全メーカー 国内ニューモデル 全モデルラインナップ
2022年 BRP SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル国内全モデルラインナップ
2022年 ヤマハ Wave Runner(マリンジェット) ニューモデル国内全モデルラインナップ
2022年 カワサキ ジェットスキー ニューモデル国内全モデルラインナップ2021 水上バイク国内全モデルラインナップ