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Jet Industry・Topics【 企業が、選手を " スポンサード " する 理由 ? 】

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企業が、スポーツ選手を「 スポンサード 」する理由とは?

2023年度の 日本チャンピオンに輝いた「 倉橋 秀幸 選手 」と「 奥 拳太 選手 」が、彼らを スポンサードしている クエーキーセンスに「 タイトル獲得 」の 報告に来た。

そこで聞いた「 スポンサーと 選手の関係 」が、不思議で、非常に 面白い ものであった。

通常、企業が スポーツ選手へ「 スポンサード 」する理由は「 ギブ & テイク 」。

“ビジネス”である。

例えば、大リーグの 大谷 翔平 選手が、休日に クエーキーセンスの ウエットスーツを 着て、「 ジェットに 乗っている "姿” 」が、テレビ・ニュースで 放映されたとする。

水上バイクに 全く興味がない 人々にも、大変な コマーシャル効果が 期待できる。

当然の ことながら、ジェットに 興味が ある人たちには、さらに 強烈な イメージアップが 見込める はずだ。

このように、企業が スポンサーになる 理由は、基本的に「 自社の宣伝 ・ビジネス 」だ。

その手法で、一躍、世界の トップメーカーになったのは コカ・コーラ社である。

1984年、ロサンゼルス・オリンピックの スポンサーとなったおかげで、「 スポーツをするなら、爽やかに “コーラを飲む” 」というイメージが 世界中に 広まり、爆発的に 売り上げを 伸 ばした。



ロサンゼルス以降に 行われた オリンピックは、「 ビジネス、商業五輪 」と 呼ばれるように なった。

「 応援したいから 」「 ファンだから 」という 理由ではなく、ビジネスライクな 視点で スポンサーとなり、大きな 費用対効果を 狙うようになったのだ。






「 ビジネス 」的に 見返りのない「 スポンサード 」

しかし、大谷 翔平 選手に 自社製品を 使ってもらうには 莫大な 契約資金を 用意しなければならない。

大谷選手の 市場価値を 綿密に 計算して、その数字に 基づいて スポンサー契約を 結ぶ。

それだけの 金額を 使っても、「 企業のイメージ 」が 上がったり、商品が 売れるという、計算があるからだ。



では、「 ジェットスポーツは どうか? 」と 聞かれれば、基本的に ビジネスに ならない。

世界の トップライダーのなかでも、ごく一部の 選手だけが、どうにか ビジネスに 繋がるくらいだろう。

大谷選手のように、世界中の 誰もが 知っていて、知名度の 高い選手ならともかく、ジェットのような マイナースポーツでは 広告塔としての「 価値は 低い 」と 言わざるえない。

では、クエーキーセンスは、なぜ マイナースポーツ である「 ジェット 」の選手を、長年に 渡って応援し続けて いるのだろうか。





スポンサーと 選手の 関係とは?

倉橋選手や 奥選手を 応援する「 クエーキーセンス 」の紅矢 俊栄氏は、もともと ジェットの トップライダーであった。

しかも、ジェットスポーツ人口が 最も多く、華やかだった時代に、アメリカツアーをまわり、世界2位になったほどの 実力の 持ち主である。

当時と 今とでは、選手を 取り巻く 状況が 全く違う。

1990年代後半~2000年代前半にかけて、「 大手ビール メーカー 」や 「 ケーブル テレビ 」などが メインスポンサーとなって レースを盛り上げていた。

選手層も厚く、PWCメーカーが ワークスライダーを抱えて、互いに しのぎを 削り あっていた。

レースで勝てば、そのメーカーの ジェットが売れる。

そこには 正しい モータースポーツの姿が、あった。

「 ジェットスポーツ 」が「 お金 」になっていた 時代である。



紅矢氏が「 スポンサードする 選手 」の 基準は 明快だ。

彼が「 応援したいと 思うか 否か 」である。

レースでの「 戦う姿 」や、ジェットスポーツに「 取り組む 姿勢 」を 重要視 している。



本紙が「 面白い 」と 感じたのは、普通、スポンサードしている 選手が 結果を 出したら、スポンサーが「 ありがとう 」と お礼を 言う。

自社製品の「 イメージを 上げてくれて ありがとう 」「 宣伝してくれて ありがとう 」と、企業側が 感謝するのだ。

しかも今シーズン、倉橋選手と 奥選手は それぞれの クラスで タイトルを 獲得してる。

それなのに、倉橋選手と奥選手は、「 いつも ありがとう ございます。お陰でチャンピオンになることができました 」と、紅矢氏にあいさつに やって来る。

それに対して 紅矢氏 も「 良かったな、お前ら 」と 声をかける。

シリーズ チャンピオンを 獲得したことについて、当の本人よりも、スポンサードをしている 紅矢氏の方が、明らかに 喜んでいるように 見えた。

その姿は まるで、かわいい 弟たちを 見守る「 優しい兄 」のようである。

ビジネスライクな「 スポンサーと選手 」という関係は一切なく、選手たちも 日ごろからお世話になっている「 兄貴 」に挨拶に 来たという 雰囲気しかなかった。




純粋に「 応援したい 」が スポンサード の 原点

以前、紅矢氏と 世間話を しているときに、「 ヒデ( 倉橋選手 )は19年間、拳太は11年間も、スポンサードして いるのに、SNSですら 商品の プロモーションを しないんです。

本当に あいつらは 最低です 」と、苦言を 呈していたことがある。

しかし、その表情は “しょうがない 弟たちでしょ” という 愛情に あふれていた。

たとえ マイナースポーツであっても、スポンサードを受けた選手や チームは、その 企業を「 宣伝 」することが 求められる。

アスリートは、スポンサーに 対して「 自分の活躍で、援助 してくれた 企業に 貢献できるか 」が 重要な 要素となる。

しかし、紅矢氏と 選手の間には、そういった「 物質的 」な 繋がりでは なく、「 絆 」が 感じられるのだ。

ビジネス的な 損得や、短期的な 見返りを 強く求める世の中において、純粋に「 自分が 応援したい人 」を 援護 している姿は、見ていて 気持ちが 良い。

クエーキーセンスと 選手たちのような、ビジネスとは 一線を 画した「 スポンサード 」という 形も アリだと 思えてくる。





クエーキーセンスが、ジェットスポーツ界に 果たした 大きな 役割

クエーキーセンスは、毎年10月に アメリカ・アリゾナ州 レイクハバスで 行われるジェットスポーツの祭典「 ワールドファイナル 」で、2006~2011年までの 6年連続と、2015年、2016年の 計8回も メインスポンサー と なっている。

世界の レースシーンで 日本人の ステイタスを 上げてくれた

同社が メインスポンサーを 務める 回数が 増えるたびに、「 世界 」の 中で「 日本人 」に 対する 待遇が 各段に 上がった。

海外の メジャーレースに 行くたびに 強烈に 感じていた、「 白人優位主義 」が 幅を利かせていた 会場の 雰囲気が 変わって いったのだ。

「 日本人 」である我々を、リスペクトしてくれ、 好意的に 受け入れて くれるように なったのである。

この あからさまな 変わりように、戸惑う ほど であった。

下に見ていた 日本のクエーキーセンスが、 アメリカの「 歴史ある 大会 」を救ってくれている と 受け取って もらえた からだと 思う。

その 功績が 認められ、クエーキーセンスは 2011年に「 ジェットスポーツ 殿堂入り 」を 果たした。

ジェットレースが、世界的に 人気の なくなりかけた 時代を 救ってくれた 功労者 で あることを 忘れては ならないのだ。




ジェットスポーツの 未来は、心ある企業によって 支えられている

メインスポンサーになると、大会に 出資する 金額は 莫大なものになる。

大企業でも、簡単に 稟議が通るような 額ではない。

サッカーや 野球のような メジャースポーツなら、出資額に 見合ったフィーを 得ることが できるのかもしれない。

だが、今のジェット業界に、そんな力はない。

クエーキーセンスが、8年もの間 大金を 出し続けた 理由は、ひとえに「 ジェットのレースが 好き 」「 このスポーツを 応援したい 」という 心情的な部分が 大きい そうだ。



ジェット業界に 限らず、世の中には、自分で「 自分は スゴイ 」と 声高に 発信する人が多い。

インターネットが 身近になり、自分の 考えを自分で 発表できる 時代になった。

残念ながら、自分で 自分を 褒める人の なかに、「 本当に スゴい人 」というのを 私は 見たことが ない。

SNSで 自分の 活動やストーリーを 発信し、ファンを作っていくことが、今では マーケティング活動の 大事な一環に なっている。

しかし、そんな時代に わざと 逆行するかのように、クエーキーセンスは メインスポンサーを 何度も務めてきた ことを、おくびにも 出してこなかった。

そして 現在も、「 応援したいと 思う 選手 」を応援し、その 選手とともに「 ジェット スポーツの 未来 」を 作っている。

こういった 企業が ある限り、ジェットは「 “ 輩”の 乗り物 」ではなく、「 健全な スポーツ 」として一般に 受け入れられて いくはずだ。





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