夏になると、この写真のような光景を日本中のゲレンデで見かける。
彼女や友人を後ろに乗せ、急旋回を繰り返す若者たち。お決まりのように後部座席の人が落水する。そして、落ちた人に向かって水上バイクで"引き波を浴びせ"て楽しそうにはしゃいでいる。水をかけられている方も、大はしゃぎで黄色い声を上げている、まんざら嫌がってはいない。
その光景を見ていたプロライダーが呟いた。
「……人殺しだよ」と。
水に浮いている人は俊敏に動けない。そのすぐ横を、総重量400kgを超える水上バイクが、結構なスピードでグルグルと回っているのだ。ほんの少しでも体に触れたら、間違いなく大事故に繋がる。
ドライバーには全く悪気がないし、落水している人も楽しげだ。
しかし実は、巨大な乗り物で、動けない友人に「襲いかかっている」のと同じである。楽しげに襲いかかり、襲われている方も笑顔で受けている。よくよく考えれば、なんとも"異様で恐ろしい"光景なのである。浮いている人は俊敏に動けない。そのすぐ横を、総重量400kgを超えるランナバウトが、結構なスピードでグルグルと回っているのだ。ほんの少しでも体に触れたら、間違いなく大事故に繋がる。
なぜ笑いながら、こんなに「危険な行為が出来るのか?」と聞けば、「コトの重大さを理解していないから」である。ぶつかったら最悪"死亡"、もしくは大怪我になるのを分かっていない。しかも傷つけあうのは"友人同士"なのだ。
上級者になればなるほど、「完璧なライディングなど“出来ない”という事実」が体に沁み込んでいる。ジェット推進で走るという乗り物の構造上、推進力が途切れると、ハンドルを切っても曲がらない。曲がるためには、アクセルを開けて推進力を得る必要がある。
もし目の前に人が浮いていたら、迂回するためにはアクセルを開けて“スピードを上げないと”いけない。浮かんでいる人にしたら、急にスピードを上げた400kgを超える水上バイクが、自分に向かって突っ込んでくるように思うだろう。
そして、回避できるだけの技量がなければ、”轢く”しかない。そんな可能性があることを知っている人は、絶対に人の近くを通ることはしない。
上級者は人の近くを走らない。そんな行為を見るだけで、水上バイクの特性を“良く知らない人”が操船していると思って間違いはない。しかし、いくら知らないからといっても接触すれば、大事故なのだ。
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