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遠い水辺……

カラのトレーラーでバック。マジでヤバい!

うわっ、うわっ! やべぇ~。みんな俺のこと見てる!
今、目が合った人なんか、露骨に「こいつ、鈍くさっ!!」って顔した。

爽やかに晴れた日曜日のゲレンデ。今、俺は、1本しかないスロープを占領している。友人のジェットスキーを水から上げるために、カラのトレーラーをバックさせているのだ。どんくさい俺のせいで、水の上では友達が肩身の狭い思いをしながらトレーラーが水に漬かるのを待っている。
っていうか、ここにいる全員、俺が移動するのを待っている。だから、急がなきゃいけないのも重々承知のうえだ。

だけど……、だけどね。トレーラーが、言うことを聞いてくれないんだよ! 焦れば、焦るほど、真っ直ぐに下がれないし、すぐにトレーラーが折れ曲がる。

誰でもいいから助けてー!!
新しいトレーラーに新艇を載せ、意気揚々とゲレンデにやってきた私。一日の終わりにこんな悪夢が待っているとは、夢にも思わなかった。

お手上げの人生……

トレーラーを牽いていても、前進するのは難しくもなんともない。曲がるときの内輪差に注意するくらいで、これだってミラーで確認してれば大丈夫だ。

問題は「バック」だ。トレーラーの運転は、これに尽きる。ジェットスキーを積んでいるときも難しいが、何も積んでいないときのトレーラーでのバックは悪夢だ。
そして、この日の最大の過ちは、「バック」が難しいということを、私が知らなかったことだ。

この日、ジェットスキーを降ろすときは友達が運転し、私はそれを誘導する役だった。

夕方になり、スロープに戻って来てから、私の苦悩が始まった。
スロープの手前で、数台のジェットが順番待ちをして浮いていた。友達が水面で待っているので、私はクルマに戻って、カラのトレーラーを水辺までバックさせる手筈になっていた。

イメージでは、さっとトレーラーをバックさせてジェットスキーを積み、他の人の迷惑にならないようにさっと引き上げている。しかし、それができない。

すぐにあらぬ方向にトレーラーが折れ曲がって、水辺にまでたどり着けない。
ハンドルを切りながら修正するのだが、すぐに制御不能となる。仕方がないので、1度前進して態勢を立て直す。トレーラーと車が真っ直ぐ(一直線)になるようにして、ハンドルを動かさず、真っ直ぐ下がる。
しかし、やっぱり途中でトレーラーが折れ曲がる。また前進。バックしてスロープを降りたいのに、前進して切り返すたびに水辺から離れて行く。悪夢以外の何ものでもない……。

絶望的な思いで車から飛び降り、トレーラーを手で動かして真っ直ぐに戻す。何も載ってないトレーラーを横に動かすだけなのに、涙が出るほど重かった。
これでいいだろうと車に乗り込み、ちょっと後ろに下がると、なんとまたトレーラーがあさっての方向に向かって行くのだ。ホントに涙が出そう。

それから、何度、車から降りてトレーラーを持ち上げたことだろう。
疲れているし、重いし、まわりの目は気になるし……。100mダッシュを連続10回くらいした気分。めまいがしてきた。

もしかしたら、俺はこのまま永久にジェットまでたどり着けないのかもしれない。
水辺までの距離は、たかだか5m弱。しかし私にとってこの5mは、永遠とも思える長い道のりだった。

トレーラーの運転は「バック」に尽きる! と言っても過言ではないと思っている

トレーラーのバックが難しいのは、クルマとトレーラーはヒッチボールという1点だけで連結されているからだ。前進するときは、引っ張るだけなので問題ないが、バックするときは、1カ所の支点でトレーラー全体を押すことになる。曲がってしまうのは当たり前なのだ。

曲がり始めたと思ったときに、修正しながらバックするのが上級者なのである。蛇行を繰り返しながら進むのが、トレーラーのバックなのだ。
早め早めに修正すれば細かな蛇行ですむ。しかし、修正が遅くなれば大きな蛇行を繰り返してバックすることになるので、修正が難しくなる。
こういう理屈を分かっていれば、顔から火が出るような恥ずかしく、つらく苦しい体験をしないですんだはずなのに……。

トレーラーのバックは難しい。
私のようなつらい目に合わないために、「トレーラーのバック」の理屈を知っておいた方がいいですよ。

【トレーラー運転マニュアル 誰でもトレーラーを牽いてバックができる】

【トレーラー運転マニュアル 動画付き「車庫入れチャレンジ」】

 

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