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ヤマハ「MJ-FX HO」 2020年モデル 快適なクルージングを実現するマリンジェット ジェットスキー(水上バイク)

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スポーツライディングからクルージングまでマルチに遊べる「FX HO」

ヤマハのフラッグシップ「FXシリーズ」のスーパーチャージャーが装着されていないモデルが、この「FX HO」シリーズである。

FX HOシリーズには、「FX Cruiser HO」と「FX HO」の2モデルがあり、「FX Cruiser HO」には、クルーザーシートやプルアップクリートといった、ロングツーリングを快適にするための装備が充実している。
ここでは、よりスポーティな走りを堪能できる「FX HO」を中心にこのモデルの魅力を紹介していく。

「FX HO」は、超軽量素材「NanoXcel」製の船体に、PWC専用エンジン1.8リットル「High Output Engine」を搭載。優れた走行性能を発揮する。

ヤマハ「FX HO」は「メーカーの目指したところ」が実現したモデル

外観は、スーパーチャージャーを搭載した「FX SVHO」と全く同じ。違いは、FX HOのエンジンが自然吸気(NA)で、ハル素材に「ナノエクセル(NanoXcel)」を使っていることだ。ちなみに、FX SVHOの船体には、ナノエクセルにさらに改良を施した超軽量素材「NanoXcel 2(ナノエクセル ツー)」を使用している。

ヤマハのFXシリーズといえば、「クルーザー仕様」「ラグジュアリーサルーン」という優雅なイメージが定着しているが、「FX HO」は戦闘機を彷彿とさせるスポーティなグラフィックが特徴だ。

「FX Cruiser HO」および「FX HO」の主要諸元

ヤマハ「FX HO」の特徴

「FX HO」の特徴として挙げられるのは、下記の3つだ。

  • 1.8リットルHOエンジンの大排気量からくる使いやすさ(中速域の力強さ)
  • 燃費が良い
  • レギュラーガソリン指定なので財布に優しい

しかし、私が試乗した感想は、よい意味で「ハルがエンジンより勝っている」だ。だから、とてつもなく乗りやすい。いくらスピードを出しても、全く怖いとは思わなかった。

1.8リットルの大排気量から生み出されるビッグトルクなNAエンジン。ヤマハ独自の「ナノエクセル」を使った超軽量船体と相まって、胸のすくような走りを実現している。

超軽量素材・NanoXcel(ナノ・エクセル)を使用した「FXハル」

2019年に従来の船体をブラッシュアップして安定性を向上させた「FXハル」。水しぶきを抑えるため、スプレーガードの位置と形状が見直された。また、トーイング時の傾きを抑えるなど、バランスの取れたライディングが楽しめるようになった。

インテークグレート(スコープゲート)には、トップローダーフィンが付いたインテークを採用し、水噛み性をアップした。ダクトインペラの整流翼を追加することで、エンジンの出力をロスなく推進力に変えてくれる。

形状が見直されたフロントのスプレーガード。

レース用の500馬力を超えるエンジンを搭載しても、十二分に対応できる優れたハル設計となっている。ちなみに、このFX HOは170馬力だ。どれだけ水面が荒れていても、どれだけ攻撃的なライディングをしても船体が助けてくれる。

マリンジェット専用に開発された「High Output Engine」

High Output Engineは、スカベンジポンプを利用したウェットサンプ式オイル潤滑システムにより、すべての回転領域で安定した潤滑性能を発揮する。

1.8リットルの大排気量から生み出されるビッグトルクは、NA(Natural Aspiration)エンジン特有のストレートな吹き上がりと相まって、胸のすく加速性能をもたらしてくれる。ロングクルージングでも安心できる燃費の良さも特徴のひとつだ。

広いエンジンルーム内に設置されたHigh Output Engine。

小型・軽量・高出力・高耐久性に加え、低燃費で環境性能を備えたヤマハ独自のPWC専用エンジン。

ユーザーフレンドリーな「FX HO」

業界初、タッチパネル方式を採用した「コネクスト・マルチファンクションディスプレイ」

4.3インチのカラー液晶画面は、業界初のタッチセンサー式。基本的に、グローブをはめたまま操作できるので楽である。1つの画面で、走行やエンジンに関するさまざまな情報を確認できることはもちろん、ドライブコントロールやセキュリティシステムのセットもできる。

ライダーが操縦をカスタマイズできるドライブコントロール技術も搭載されている。

コネクスト・マルチファンクションディスプレイ。1つの画面で、さまざまな設定が可能だ。

メーターパネルの切り替えボタン

メインの表示画面などの切り替えは、ハンドル左下にある「メニュースクロールボタン」でできる。速度以外の表示の切り替えが可能だ。

ディスプレイ

表示カラーはパネル操作で好きな色に設定できる。(写真はオレンジ)

マイル表示をキロメートル表示に変更可能。言語変更もできるが、日本語表記はないので注意を。

セキュリティシステム

ユーザーが任意で設定した4ケタの暗証番号を入力し、ロック・ロック解除を行う。これにより、キーの紛失の心配がなくなった。ロックモードになっていると、エンジンが始動しない。

ドライブコントロール

3段階のスピードモードと、2種類の加速モードの全6種類の設定ができる。ロングクルージングでの燃費調整、初心者ライダー向けなど、状況や好みに応じて選ぶことができる。

エレクトリック・トリムシステム

ハンドルの左側にあるボタン操作により、立ち上がりの素早いプレーニングや、加速・減速によるバウの跳ね上がりや沈み込みなど、さまざまな速度域で艇体の姿勢を保つのに効果を発揮する電動トリムシステム。トリムの位置は、スクリーンで確認できる。

クルーズアシストの設定操作性向上

以前のモデルは、ちょっと指を動かしただけでクルーズアシストが解除されてしまったが、このモデルは、設定時の許容幅が拡大。手元のコントロールボタンの操作で、エンジン回転数の微調整が可能となった。

ワンプッシュエンジンスタート

従来では、長押ししないとエンジンがかからなかったが、新しいモデルでは、ワンプッシュ(0.5秒)で始動するように改良されている。

FX HOの装備

リボーディングステップ

シュノーケルやウェイクボードなど、マリンスポーツをより楽しむため、ステップが「より深く」「よりフラットに」「より柔らかく(ソフト)」になり、乗り降りがしやすくなった。

クルーザーシート(FX Cruiser HOのみ)

長いシート長と、独立した着座スペース。ヒップサポートがあるので、長時間のツーリングでも快適に過ごせる。

ツーピースシート(FX HOのみ)

パッセンジャーに独立した着座スペースを確保。2分割になる後ろのシートの下は、防水タイプの小物入れになっている。

フットウェルドレイン

足下に溜まった水をスムーズに排出してくれる。デッキ内の快適性を向上させた。

スポンソン

スポンソンはGP1800と同一形状。トーイング時や3人乗り時の快適性を向上させた。

プルアップクリート(FX Cruiser HOのみ)

左右に1カ所ずつクリートが設置されており、桟橋などに係留する際、ロープを結ぶのに役立つ。通常は、ボディラインに沿ったフラットな状態なので、引っかかったりすることはない。

ボトルホルダー

ペットボトルが置ける深さと広さを持つ。激しい走行時には置けないが、休憩時やそれほど波がないところでは十分だ。

マルチマウントシステム

1/4 20ネジが切ってあるので、スマホホルダーやスピーカーなど、ユーザーが好きな装備をオプションで取り付けられる。

ロングクルージングで威力を発揮する大容量収納

2018年モデルと比べて、約30%収納容量がアップ。特に、バウ物入れとグローブボックスが従来よりも大容量になった。

バウ大型物入れ
バウに大容量の物入れスペースを確保。クーラーボックスや、マリンスポーツギアなどもラクラク収納可能。ロングクルージングなどで威力を発揮する。

写真左上:スターン物入れ
リアにある物入れ。牽引ロープや引っ張りモノのロープなど、濡れたものを入れるのにちょうどいい。
右上:グローブボックス(簡易防水)
スマホや小銭入れなど、すぐに取り出したいものや、ちょっとした小物を入れるのに最適。ペットボトルが2本入る。

シート下防水物入れ
後ろのシートの下が防水物入れなので、タオルや財布など、濡らしたくないものの収納に役立つ。



「FX HO」試乗インプレッション

ジェットの楽しさが、全てこの1台に詰まっている

マリンジェットの最高峰に位置するMJ-FXシリーズ。テーマは「快適性」だ。直進安定性から旋回性能、ラフウォーターでの操作性、どれを取っても申し分ない。まさに「意のまま」に操れる。

「スポーツライディングからクルージングまで、さまざまなマリンプレイに応えるマルチパフォーマー」とメーカーが謳うように、この「MJ-FX HO」は乗っていてとても楽しい。

最高の誉め言葉として「エンジンよりも船体が勝っている」。NAエンジンにナノエクセルの軽量船体なので、足まわりが非常に安定しているのだ。例えは悪いが、ベンツの車体に軽自動車のエンジンを載せたような感じである。
どれだけアグレッシブにライディングしても、アクセル全開で旋回しても、全然怖いと思わない。

エンジン以外は外観も装備もFX SVHOと変わらないのだから、快適性は抜群。ロングツーリングにもいいし、さらにスポーツ性能にも優れている。
NAエンジンだから燃費もいいし、過度なパワーを求めないなら、十分すぎるジェットだと思う。

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