ヤマハのフラッグシップ「FXシリーズ」のスーパーチャージャーが装着されていないモデルが、この「FX HO」シリーズである。
FX HOシリーズには、「FX Cruiser HO」と「FX HO」の2モデルがあり、「FX Cruiser HO」には、クルーザーシートやプルアップクリートといった、ロングツーリングを快適にするための装備が充実している。
ここでは、よりスポーティな走りを堪能できる「FX HO」を中心にこのモデルの魅力を紹介していく。
外観は、スーパーチャージャーを搭載した「FX SVHO」と全く同じ。違いは、FX HOのエンジンが自然吸気(NA)で、ハル素材に「ナノエクセル(NanoXcel)」を使っていることだ。ちなみに、FX SVHOの船体には、ナノエクセルにさらに改良を施した超軽量素材「NanoXcel 2(ナノエクセル ツー)」を使用している。
ヤマハのFXシリーズといえば、「クルーザー仕様」「ラグジュアリーサルーン」という優雅なイメージが定着しているが、「FX HO」は戦闘機を彷彿とさせるスポーティなグラフィックが特徴だ。
「FX HO」の特徴として挙げられるのは、下記の3つだ。
しかし、私が試乗した感想は、よい意味で「ハルがエンジンより勝っている」だ。だから、とてつもなく乗りやすい。いくらスピードを出しても、全く怖いとは思わなかった。
2019年に従来の船体をブラッシュアップして安定性を向上させた「FXハル」。水しぶきを抑えるため、スプレーガードの位置と形状が見直された。また、トーイング時の傾きを抑えるなど、バランスの取れたライディングが楽しめるようになった。
High Output Engineは、スカベンジポンプを利用したウェットサンプ式オイル潤滑システムにより、すべての回転領域で安定した潤滑性能を発揮する。
1.8リットルの大排気量から生み出されるビッグトルクは、NA(Natural Aspiration)エンジン特有のストレートな吹き上がりと相まって、胸のすく加速性能をもたらしてくれる。ロングクルージングでも安心できる燃費の良さも特徴のひとつだ。
4.3インチのカラー液晶画面は、業界初のタッチセンサー式。基本的に、グローブをはめたまま操作できるので楽である。1つの画面で、走行やエンジンに関するさまざまな情報を確認できることはもちろん、ドライブコントロールやセキュリティシステムのセットもできる。
2018年モデルと比べて、約30%収納容量がアップ。特に、バウ物入れとグローブボックスが従来よりも大容量になった。
マリンジェットの最高峰に位置するMJ-FXシリーズ。テーマは「快適性」だ。直進安定性から旋回性能、ラフウォーターでの操作性、どれを取っても申し分ない。まさに「意のまま」に操れる。
「スポーツライディングからクルージングまで、さまざまなマリンプレイに応えるマルチパフォーマー」とメーカーが謳うように、この「MJ-FX HO」は乗っていてとても楽しい。
最高の誉め言葉として「エンジンよりも船体が勝っている」。NAエンジンにナノエクセルの軽量船体なので、足まわりが非常に安定しているのだ。例えは悪いが、ベンツの車体に軽自動車のエンジンを載せたような感じである。
どれだけアグレッシブにライディングしても、アクセル全開で旋回しても、全然怖いと思わない。
エンジン以外は外観も装備もFX SVHOと変わらないのだから、快適性は抜群。ロングツーリングにもいいし、さらにスポーツ性能にも優れている。
NAエンジンだから燃費もいいし、過度なパワーを求めないなら、十分すぎるジェットだと思う。
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